省エネコンシェルジュに対する官民の見方の違いとCO2の見える化の効果について
2010年 05月 27日
行政の立場では、さしずめ、民間の電力会社やガス会社などに「やらせ」ようということだろう。予算がなければ動けないということは分かるし、税金を使って非効率なサービスを展開し、数年後に事業仕分けで「効果なし⇒廃止」とされるよりもマシだと思うが、「やらせればいい」といった魂胆がミエミエ。
民間の立場でみれば、サービスの提供には「相応の対価」がなければできない、ということになる。顧客は企業を選ぶが、企業も顧客を選ぶ。いくら払ってもらえるかによってサービスの内容も変わる。それがビジネスの常識。行政にはその感覚はないだろう。とくに、電気やガスといった公益性の高い財を提供している会社に対する見方には、「サービスはタダで当然」といった感覚さえ見え隠れする。
ところで、省エネをやって省CO2につなげるということだが、その第一歩となる「CO2の見える化」はどれだけ効果があるのだろうか?
CO2排出量が見えない状態から見える状態に変わると、最初は喜んで見るかもしれない。しかし、ダイエットが長続きしないように、CO2の見える化も、そのうちありがたく思わなくなり、行動パターンはまた元に戻ってしまうだろう。CO2の見える化をする際に、高効率の機器を導入していれば、以前と同じ行動パターンをとったとしても、削減はなされるかもしれない。
要するに、「見える化」により行動パターンが変わって削減が進むのではなく、見える化する際に、高効率機器を導入することこそが、本当のCO2削減につながるのであり、そのような機器を選択するようなインセンティブを与えることが「見える化」の間接的な効果なのである。
ちなみに、平成21年度に経済産業省が公益財団法人日本生産性本部と締結した地域省エネ家電二酸化炭素削減量可視化事業に関する委託契約で、架空の人件費を含めた実績報告書、虚偽の業務日誌の提出があったことから、経済産業省は、6か月間の補助金交付等の停止措置及び3か月間の指名停止措置をとることにしたとのこと。(参考:公益財団法人日本生産性本部による委託費の不正報告について(平成22年4月30日)(pdf))
ま、こんな事業はそもそも事業仕分けでゼロ査定されてもいいと思うのだが...(^^;;