ブッ飛び温暖化本「新・これが正しい温暖化対策 日本の選択」(杉山大志・今中健雄)
2010年 09月 16日
ズバっと書いてある本は、最近見たことがなかった。
「新 これが正しい温暖化対策―日本の選択 (Climate Policy vol. 3)」、本当にこれぞ
正しい温暖化対策を理解するために必須のテキスト。この本は、特に、
再生可能エネルギー、排出量取引、花粉症に関連する政策や政治に関連する人には、是非読んで頂きたい。忙しい人でもスグに読めるはずだ。
まずは、再生可能エネルギー、特に太陽光発電への期待が過剰であることを指摘。
本来であれば、太陽光発電の最優先課題は根本的なコストダウンだ。これは、現在の技術の延長線上には無いので、いくら補助をつけて量産したところで、達成不可能である。・・・基礎研究に立ち返るべきだ。まさに
おっしゃるとおり!確かに、既存技術が普及することで、多少の利益はでるかもしれないし、それを次の研究開発費に回せるかもしれないが、そんなことで、多接合型、量子ナノ構造、波長変換、波長分割構造、熱光起電力、プラズモン型といったような革新的太陽光発電技術が開発できるわけもない。
次に、排出量取引制度は導入すべきではないということを主張。
推進派が論拠とし、かつ期待する「価格メカニズム」が働く以前に、適切な割り当てや価格付けがなされないために実効性が失われ、かつ取引費用がかさむことになる。で、何が出てくるかといえば、
超電化!単なる「電化」ではない。
「超」電化なのだ。もはやブッ飛び~
ただ、西のほうの電力会社なんかは、もうすでに
超得というサービスをやってるみたいだったりして...
で、「超電化」の主張は、
温暖化対策=原子力+新エネ+省エネ+・・・という足し算から、
温暖化対策=低CO2発電×超電化×省エネという掛け算に変えようということである。
ただ、一番気に入ったのは、
花粉症を公害と認定しろという主張~ハゲシク同意。森林吸収源もいいけれど、花粉症をなんとかしてほしい。まあそれはともかく、加えてブッ飛んでいる他の点といえば、「海水ウラン技術」と「気候工学(ジオエンジニアリング)」を
ワイルドカードとしているところ。ここまで来たらまさにやりたい放題か?!
ま、いずれにしても「電化」では生ヌルいということで。
これからは
超電化!の時代ですね!Ready?
(↑画像は、こちらのサイトから)
***
ちなみに、「ワイルドカード」といえば、いまや将棋オタクとして有名になってしまった(?!:失礼m(--)m)「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」「ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)」「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」といった本の著者・梅田望夫さんのブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」の分類の一つ。
そんなことを思いながら本屋を覗くと、なんと梅田さんがまた新しい本を出しておられた...
「ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)」も読まなきゃ!