「愛着」「こちら側」がキーワードか?:「世界が絶賛する『メイド・バイ・ジャパン』」(川口盛之助著)

a0004752_10134659.jpg「世界が絶賛する『メイド・バイ・ジャパン』」(川口盛之助、ソフトバンク新書)を読んだ。この本では、日本のサブカルチャーといわれているアニメや萌え系などと、日本の工業力を融合させたら、もっと日本のプレゼンスを高めることができるのではないかという提言がなされている。

ガンダムや灼眼のシャナ、痛車(イタシャ)、妄撮(モーサツ)、ツンデレワンセグテレビ、エロゲーなど、いろいろなものが写真入りで紹介されていて、通勤電車の中で隣の人に「何読んでるのかな〜」と覗かれたら、「おっさん、ヘンタイか?」と思われてしまいそうなものなのだけれど、紹介されている内容は示唆に富む部分が多い。

ちなみに、本書で紹介されているほとんどすべてのサブカルチャーの例を知っている自分がちょっと誇らしかったりする。というか、日本で生活しているなら、すべて知ってて当たり前かもしれないけれど、バリバリ仕事をこなしているビジネスパーソンは、もしかしたらあまり知らないのではないだろうか?!

以前、ワルシャワで、ポーランド人の女性が日本語で話しかけてきたのだけれど、その時、盛り上がったのは、「士郎正宗」の話題。鳥山明やドラえもん、キャプテン翼、セーラームーン、ナウシカなどは有名だろうけれど、士郎正宗で盛り上がるというのはなかなか面白かった。

さて、それはともかく、川口氏が述べているコンセプトで面白いと思った、というか、アタマの中が整理されたのは、「愛着」というキーワード。日本人は、モノを擬人化することがあるけれど、それは、「愛着」を生む。川口氏は、携帯電話の回収率が低いのは、携帯電話に愛着があるからだと見ている。携帯電話にストラップをつけるのも、欧米ではあまり見られない現象で、これは着飾らせるという気持ちのなせる技だと分析している。

この愛着を失わせるのが、単なる「道具」というポジショニング。単なる「道具」であれば、価格でしか差別化することができなくなる。川口氏は、自動車を例に、それを説明している。モデルチェンジを繰り返し、次はこの車を買ってくれ、お前達はこの車の中から選べばいい、というメーカーの上から目線。そのような状況を、「商品は愛さずに会社は愛してくださいという売り手のご都合主義は欺瞞に満ちています」と記している。

ちなみに、顧客ロイヤルティの観点からの好事例として、光岡自動車が挙げられている。ツンデレもロイヤルティの例として挙げられている。最初はツンツンしているけれど、愛着がわいてくるとデレデレすると解釈されている。

また、もう一つのキーワードは、「弱者」のための技術、「こちら側」目線である。サイバーダイン社のHAL(Hybrid Assistive Limb)や、オーエックスエンジニアリング社のスポーツタイプの車椅子などが紹介されている。

日本は、何を強みにして世界と戦っていくべきか、アタマが固くなっているオジさんや政策担当者などが読んでおくべき、そしてこの本の内容くらいは十分に理解しておくべきだと思うのだが、どうだろうか。

参考:川口盛之助氏が語る『世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」 @YouTube
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  by yoshinoriueda | 2011-02-12 18:48 | POP・movie・スポーツ | Trackback | Comments(0)

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