決して進むな「犬の道」(「イシューからはじめよ」(安宅和人)、読むべし!)

就職活動も終盤を迎え、いよいよ修士論文のテーマを固めようという段階の学生と話をする機会があった。問題意識は高尚で理想が高いのだが、そういうテーマに限って研究という形でまとめようとすると、なかなか難しい。

自分はどんな研究がいいのか?何を明らかにすればいいのか?a0004752_16264010.jpgそんなとき参考になるであろう本として、「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」(安宅和人)が挙げられる。副題にあるとおり、まさに知的生産に関連する人たちに参考になるエッセンスが詰め込まれている。

著者によると、答えが出るとそこから先の方向性に大きく影響を与えるような「本質的な選択肢」であり、かつ、常識を覆すような洞察など「深い仮説」があれば、それは答えを出す必要があるということになるが、さらに「答えを出せる」かどうかを考えた上で、イシューを設定する必要があるという。

そんなイシューの設定に長けているということで紹介されているのが利根川進氏である。
一人の科学者の一生の研究時間なんてごく限られている。研究テーマなんてごまんとある。ちょっと面白いなという程度でテーマを選んでいたら、本当に大切なことをやるひまがないうちに一生が終わってしまうんですよ。

利根川 進
そんな言葉が紹介されている。

研究にまとめる上では、最後の「答えを出せる」かどうか見通すところが鍵となる。何かが出てきそうかどうかというのは嗅覚で探すしかないだろう。そんなことを参考にしながら話をしていたのだが、意図は十分伝わったようである。

話をしながら思ったのは、仕事でもこれは応用できるなぁ〜ということ。非定型な仕事をすることが多いが、一見重要そうだとか、一見答えが出そうなイシューはゴロゴロところがっている。

しかし、そんなことを全てやる時間も労力も能力もないので、絞っていかなければならない。絞るとは、つまり、何をやらないかを決めて行くということだが、その中で、本質を見抜き、注力すべきイシューを探し出して、それに取り組むことで結果を出していくということが、仕事の上でも大切である。

ところが、大量の仕事をこなすことで、やった気になって、結果はそれほどでもない、ということが往々にしてある。そのような進め方を「犬の道」という言葉で表しているが、世の中、この「犬の道」を歩む人たちのいかに多いことか。そんな「犬の道」は歩かないようにしたいし、スタッフにも歩かせないようにしたいものだ。

参考:
新刊JPトップ > 特集 > 安宅 和人『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』
新刊JPトップ > 特集 > 安宅 和人『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』 > インタビュー
一部立ち読み(「犬の道」など)(pdf)

  by yoshinoriueda | 2011-05-21 23:52 | 思うに・・・ | Trackback | Comments(0)

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