「当社の常識」は判断基準になりえるのか?!

11月1日付けの日経産業新聞に、フラッシュメモリの特許をめぐる東芝と舛岡氏(東北大学教授)の話が載っていた。東芝セミコンダクター社の知的財産部長の発言の中に、こんな言葉があった。

「当社の常識では大変な厚遇といえる。決して不遇な技術者だったわけではない。」

特許の価値や、技術に対する見解を述べるつもりはないが、本気でこんなふうに思っている人がいるとしたら、絶望感を感じる。どう評価するかはそのときの状況などによって左右されるのは分かるが、「当社の常識では」という判断基準が横行している企業に未来は無い。東芝に未来が無いのかどうかは別にして、このような判断基準で物事が決まっていくと、常識がお客さまに受け入れてもらえなければ、その企業は、存在理由を失うだろう。

そもそも、常識というのが存在するのかということさえ、自分にとっては疑問に思える。ましてや、「当社の常識」など判断基準に値しない。'Tousya no Joshiki'? So what?そう叫んでしまいそうである。

シリコンバレーでビジネスプランを見ていると、他人と同じことをしようとしている起業家が、実はたくさんいる。人が考えることはよく似たことだから仕方ないが、もしそれで、「これが我が社の常識です」などといおうものなら、そんな輩にはお金が集まらない。当然である。だれが、そんな傲慢で高慢な輩に自分のお金を託すのだろう。かといって、あなたの常識が必要とされているのではないのですよ、と諭す気にもならないが...。

東芝だけではないと思う。おーい、日本企業!大丈夫か~~~
いい加減、目をしっかり開けて、周りをみたらどうだ?
Commented by jinho at 2004-11-04 23:45 x
チームや複数の人が関わった場合の評価と利益の分配割合の指針ができると違ってくるんですかね。報酬というより印税式になればこんな不毛な話はなくなりそうですね。
Commented by yoshinoriueda at 2004-11-05 14:01
印税にしても最初の利益配分が決まらないと、発明者である社員は会社に搾取される可能性は残ると思います。

ただ、実務を通じて得られるノウハウなどは、本や雑誌、情報といったもののように使いまわしできる知的財産とは異なり、個人に帰属してしまうので、印税方式の採用は難しいかもしれませんね。
Commented by jinho at 2004-11-06 00:30 x
結果が出た後の利益分配だと人の解釈が入るのが不公平感を増してると思ってます。①経営側が売上を考慮後にボーナス ②販売前に1個ごとの報酬算定(関係者それぞれに)、 だと②を繰り返すうちに業界基準や製品基準ができるかと。 製品の売上=顧客の反応ってことで一番納得できそうな気がするんですが。 結局ありふれたコメントですね。失礼しました~。
Commented by yoshinoriueda at 2004-11-06 03:21
いえ、そんな地道な努力は、大切かつ必要だと思います。

やってる人たちも、何らかの形で利益が目に見えたほうが、早く修正できるような気がします。まちがったことを続けても利益は出ないのですから、はやく何が求められているかを理解して、次のステップにもっていくことは、特に大切なことだと思います。
by yoshinoriueda | 2004-11-02 10:30 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(4)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


by yoshinoriueda
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