AWG@Panama サイドイベント:知財関係

International Centre for Trade and Sustainable Development (ICTSD)という団体が主催したEnsuring coherence in addressing IP and climate: what role for the UNFCCC and relevant int'l bodies? というサイドイベントに出てみたが、かなり期待外れで残念な内容だった。

ICTSDは、それなりに交渉の中の知財に関する部分を追っていたようで、先月、インドが「知財をCOP17の議題とすべき」という提案をしていることなどを紹介していた。また、知財が問題であるならば、実際に問題となっていることを具体的に示す実証、実例が必要というコメントも紹介していた。しかし、結局、
各国がどの場で知財に関する話をしたいか?
がポイントだという結論。それで?と言いたくなってしまったが、言っても仕方がないか^^;

WIPOのプレゼンは、マッチングのデータベースを作ったよ〜ん的なプレゼンで、超官僚的な内容。それはそれで大切かもしれないけれど、問題はそんなところにあるわけではないということがどうやら理解できていない感じ。

生物多様性における知財の問題への対応を、気候変動でも適用できるのではないかというコスタリカの大学教授のプレゼンは、ミスリーディングな感じがする。GM(genetic material)の取り扱いは、一つの特許が一つの薬になるような製薬業界の場合に似ていて、そもそも温暖化対策技術がどんなものかを知らない途上国が主張する内容に近いものがある。

一緒に出席していた欧米のビジネスパーソンの反応も、
で、なんか付加価値のあるようなこと言ってたっけ?
というもので、イベント全体のお粗末さを物語っているといえるだろう。

そもそも、知財とはなんなのか、なぜ重要なのか、どうやって扱うべきなのかといったことが分からない国の人たちのキャパビルをしなければ、問題は解決しない。そのようなキャパビルを通じて、技術を尊重するというマインドセットを身につけることが大切である。

そして、そういったキャパビルこそ、国連の機関などが果たすべき役割ではないだろうか。取引がどうだとか、そういった実務の話は、ビジネスの世界でやればいい話だ。

とでも言っておきたかったのだが、会場がとても寒かったこともあり、また、終わり間際に電話がかかってきたこともあり退席...(^^;;お疲れさまでした〜

RIMG2866
RIMG2866 posted by (C)yoshinori
(シェラトンホテルのロビー)
by yoshinoriueda | 2011-10-04 06:00 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


by yoshinoriueda
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