「量」にするか「率」にするか、そんなことは問題ではない。問題なのは...

企業のCO2減、効率か総量か 京都不参加で設定悩む」という記事によると、
日本は京都議定書の第2約束期間に参加せず、2013年以降、自主的な削減目標による温暖化対策に移行することがほぼ確実になった。温暖化ガス削減の自主目標は、原子力発電所事故に伴うエネルギ-政策の見直しに伴い、今夏をメドに国際公約の「20年に1990年比25%削減」を見直す可能性も高い。

国内温暖化対策が不透明ななか、企業は温暖化ガス削減目標の設定に悩んでいる。「総量削減」を掲げるのか、工場や製品の「エネルギ-効率向上」を採用するのか、という指標を巡る議論だ。

温暖化政策でも2つ考え方が混在している。省エネ法は、原単位あたりのエネルギ-使用量という効率目標。地球温暖化対策推進法は排出総量の報告を義務付けている。

京都議定書が発効した05年以前は、原単位あたりの削減目標を掲げる企業が多かったが、日本が課された90年比6%削減を意識し、総量削減を掲げる企業が徐々に増えてきた。さらに政府が国連で国際公約した同25%削減を考慮し、ここ数年、中長期的に挑戦的な総量削減目標を打ち出す企業も出てきた。

花王が15年度に総量で同22%削減を、レンゴ-が20年に同32%削減を掲げるのは、国の25%削減を意識したからだ。ソニ-が15年に00年比30%削減、50年に排出ゼロを打ち出したのも、総量削減を重視する流れに沿ったものだ。

一方、13年以降、日本に課される法的な削減目標がなくなる方向になったことで、自社事業所から直接排出する総量の削減より、エネルギ-効率の高い自社製品の販売や製品の効率向上による削減効果を「削減貢献量」としてアピ-ルし、目標に掲げる方が重要との考え方が出てきた。

パナソニックや日立製作所、東芝、富士通など電子機器メ-カ-のほか、神戸製鋼所や東レ、TDKなど素材・部品メ-カ-にも広がっている。

削減貢献量とは、新型製品のエネルギ-効率を、旧型製品などと比較して二酸化炭素(CO2)削減量を算出したもの。効率を上げた製品を売るほど大きくなる。「削減量」として表示するが、効率目標の変形といえる。

効率目標の改善値は、その意義が消費者に分かりにくいが、それを「削減量」に換算すれば、アピ-ルしやすいという利点もある。メ-カ-にとって効率改善は、工場や製品設計の現場で従来から取り組んでいるテ-マで、全社目標にもなじみやすい。

効率目標から総量削減目標に傾きつつあった流れが、「削減貢献量」という形で効率ベ-スに戻ってきたとも言える。

総量削減と比べたときの削減貢献量の課題は、企業によって前提条件などが違い、信頼性を判断しにくいこと。計算方法にしても、「ライフサイクルアセスメント(LCA)」を応用した手法と、既存製品を新製品に置き換えた場合を想定したベ-スライン方式の2つある。

素材メ-カ-はLCAの考え方で、素材がもたらす製品の省エネ効果などを算出する。軽量で強度が高い鋼板が自動車の燃費向上に貢献するといったイメ-ジだ。一方、電機メ-カ-はベ-スライン方式を採用することが多い。

そんな中、国際電気標準会議(IEC)と国際通信連合標準化部門(ITU―T)では、日本企業主導で削減貢献量の算定を標準化する動きが出てきた。将来的には、共通した基準に従い算定し、第三者による監査を受けるべきとの意見もある。

総量削減か、効率改善か、または両方の指標を併用するのか。政府の温暖化対策が定まらない中、削減目標を巡り企業の対応が分かれそうだ。
と、「量」にするか「率」にするか、悩む企業の姿が報じられている。

はっきり言って、そんなことはどちらでもよい。

効率のよい製品を作り、それが普及することによって、長い期間に亘り、温室効果ガスが削減されるなら、モノを作るときに二酸化炭素が排出されるのは仕方がない、というか、その排出以上の効果をもたらすことになるのだら、堂々と製造活動をすればよい。

製造業にとっては、まず、技術開発に邁進することで、製品の効率を高めることが大切。同時に、製品製造の過程で使用するエネルギーをできる限り少なくすることで、エネルギーコストを削減することが大切。その結果として、二酸化炭素が排出される量が削減されるなら、それはそれでよし。効率のよい製品の生産量が増えて、二酸化炭素が排出される量が増えるなら、それはそれでよし。

そんなことよりも、競争がグローバルに展開される中で、生き残っていくことのほうが大切。そのためには、技術を磨き、経営を磨くことのほうが大切。二酸化炭素の「量」か「率」かを悩む前に、グローバルな競争の中で勝ち残れる力をつけることのほうがどれだけ大切か。企業はそれを忘れることなく、社会の役に立つことができる喜びをかみしめてほしい。

  by yoshinoriueda | 2012-02-01 21:43 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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