朝から日経新聞の記者の勉強不足にあきれる

2012.2.5の日経新聞の記事「エネルギーを問う 第4部 東電公的管理(2) 「火力」売却の胸算用 競争促進、燃料調達が壁」によると、
電力やガス会社が個別にLNG供給国と契約する日本の調達価格は欧米より割高。長期契約もガス市況の低迷局面ではスポット価格より高くなるリスクがあるが、競争相手のいない地域独占の下で価格上昇分は電気料金に転嫁することで高コスト構造は守られてきた。
と記されているが、読者に誤解を与えてしまう記述となっている。他の新聞なら間違ったことを書くと叩かれるが、日経新聞は、間違った記事を書いても叩かれない。だから記者のレベルがどんどん落ちているのかもしれない。メディア関係者は、どんな小さな媒体であっても、国民に与える影響が大きいことを肝に銘じ、報道に際しては、過去の経緯をしっかり調べて書いてほしいものだ。

そもそも燃料費調整制度は、1996年に導入されたヤードスティック査定と同時期に導入されたものであり、事業者を査定する行政側が定めたものである。

ヤードスティック査定では、電気事業者の経営効率化の努力が及ばない部分を外出しにすることで、電気事業者の経営効率化の努力自体を評価できるようにするということもあった。これは、消費者が、地域独占の形態をとる電力会社から、適正な価格で電気を購入できるという仕組みである。最近見直された燃料費調整制度についても、消費者団体からは評価がなされている。(参考:総合資源エネルギー調査会電気事業分科会料金制度小委員会(第4回)-議事要旨 平成21年1月13日(火)

しかし、燃料費調整制度が導入された背景はそれだけではない。当時、原油価格は、1バレルあたり20ドル前後を推移していた。その安さの恩恵を望む消費者の声にこたえるという意味もあった。「1999年のアジア経済危機後の世界経済の回復を期に価格は上昇基調に転じ」ており、当初の『安さの恩恵』を享受することはできなくなったが、それは、この制度の「電気事業者の経営効率化の努力が及ばない部分を外出しにする」という目的がきちんと働いた結果となっている。
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(『日本のエネルギー2010』より)


「燃料費の高騰を価格転嫁できることで高コスト構造を守ってきた」というのは間違いであり、メディアがそういう報道をするから、経緯を知らない多くの人が片面だけの影響を見て勘違いをすることになる。報道関係者は、きちんとした説明を心がけるべきだし、国民も冷静に情報を判断すべきだろう。といっても、刹那的な考え方しかできないポピュリズムが蔓延した世の中では、なかなか難しいのかもしれないが...


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  by yoshinoriueda | 2012-02-05 09:48 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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