「サムスン式 仕事の流儀」に見る報告書の書き方
2012年 03月 10日
部品を日本に頼り過ぎて自前の外注企業を育てていないなどの限界もあり、ビジネスモデルとしては、日本企業の敵ではないと切り捨てられもするとあるように、賛否両論はあるかもしれないが、それを支えているのは、それなりの人材だと思う。(まあ、サムスンの知人は、冗談ばかり言ってるような人だが、英語、日本語、韓国語を自由に操るし、役職もかなり上なので、それなりの人物だと思う。まあ、幸か不幸かシリアスな場面でやりあったことはないが...^^;)
そのサムスンの仕事の流儀を示した「サムスン式 仕事の流儀 5年で一流社員になる」を手に取ってみた。というのも、久しぶりに「議事録」に悩まされたからだ。
「新入社員のための「議事録の書き方」」というエントリーでも触れたが、効果的な議事録は、決して、誰が何を言ったかを記録したものではない。
とはいえ、今回は、スタッフにとってはいきなりハイレベルな内容となったので、まずは話の内容を理解するために、発言を再現するというステップが必要かもしれない。ただ、それだけでは議事録にはならないのである。それをスタッフにどう伝えると分かってもらえるか。
サムスン式の基本的な考え方は、
報告書は、自分の顔であり人格であるというもの。そして、
報告書は「事実を並べただけの文書」ではないとも書かれている。もちろん、会議にはいろいろな種類があって、どの程度の濃淡があるかは、「判断」をしなければならないと思うが。
サムスン式の考え方では、優れた報告書には「過去」「現在」「未来」という三つの視点がきちんと織り込まれているという。「過去」は、「誰がどこに集まって何の会議をして、その中でどんな話が出た」ということ。「現在」は「何をすべきで、それを実現するための難関は何で、解決するためにはどうしたらいいのか」ということ。「未来」は、「会社の将来像と進むべき方向」について。これはあくまで形式の話。
大切なのは、報告書の位置付け。サムスンでは、報告書というものは、
業務を確実にまとめ上げ、次のステップに移るための踏み石の役割をするものだ。そして、会社のビジネスを最終的な目標に向かって力強く引っ張っていく、強力な歯車でもあると位置付けているとのこと。報告書の位置付けが理解できるかどうかが、作成に当たっての大きなポイントとなる。
ちなみに、この話は、「時間を守ることが大切」といったこととともに、「入社前」のセクションに書かれている。きっと、サムスンにとっては基本中の基本だからであろう。
「サムスン式 仕事の流儀 5年で一流社員になる」は、エントリーレベルのビジネスパーソンには役に立つと思われる内容が満載。ま、このくらいの話は基本として身につけてないと、日本企業として、あるいは、世界と戦わなければならない標準的なビジネスパーソンとしては失格ってことかもしれないが...^^;;
参考:新入社員のための「議事録の書き方」