「忘れられたルーツ」(3)“電力自由化の悪影響は深刻であり、米国社会は深く傷ついた”
2012年 04月 19日
米国にはこのころ(注:1990年頃)から「短期的利益至上主義」(Profit Now)という滞在とも言うべき風潮が蔓延し始めた。...
短期的利益至上主義は職業間の金銭報酬の著しい不均衡ももたらした。手に職を持つ技術者、科学者、教師、司書、機械工はせいぜい一年で数万ドルしか収入がないのに、プロバスケットボール選手、ロック歌手、映画スターはしばしば数千万ドルを稼ぐ。われわれの社会における職種間で、最高給と最低給の千対一というこの比率は、若い世代に何が重要かということに関して、誤ったメッセージを送ってしまった。...短期的利益至上主義と格差増大は、道徳的価値の衰退をもたらした。...
そして、電力自由化による競争原理は、次のような混乱をもたらした。
電力価格が、前例のないほど不安定となった。...
この不安定さは、電力ヘッジ取引を促進した。...電力に...コストを加えることになった。...
合併や会社売却を推進したり、それに必要な資金を供給したりするのに、投資銀行家と弁護士の役割が決定的に増大した。
電気事業の経営基本方針は利益を最大化することとなり、電力コストを再消化することではなくなった。
電力会社の取締役会は市場原理主義者たちによってますます支配されるようになった。その一方で、電力システムを運用するスキルは弱体化した。...
かつての電力会社間の協調体制はこうして失われた。
そして、その結果、
電力自由化の悪影響は、取り返すことが不可能な程度まで深刻であり、米国社会は深く傷ついた
のである。
日本も今、市場原理主義者たちが電力政策を変えようとしている。それは、消費者にとっても、企業にとっても、いろいろな影響を与えることになる。資源を奪い合うことになる時代がすぐそこまで迫ってきているのだから、エネルギー源となる天然資源の価格は上がるだろう。そのうえ原子力がまともに動かないとなれば、電気は不足するので、価格はさらに上がることになるだろう。
産業界は日本の中でものづくりはできなくなるかもしれない。それでもいいのかもしれないが、その影響は計り知れない。
今、原子力に反対する人たち、電力業界に競争原理を導入すれば、電気代は下がると思っている人たちは、歴史に学び、企業や人々がどういうインセンティブによって動くかということを学び、もっと長い目で本当に今なにをすべきか理解すべきではないだろうか。
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