シリコンバレー発:エネルギー産業は成長産業?!
2005年 01月 11日
平野部でこれだけ冷え込んでいるということは、山間部では、さらに冷えているのだろう。タホ(Lake Tahoe)周辺の山間部は大雪のようである。スキーヤー・スノーボーダーの笑みが眼に浮かぶ。雪は天からの贈り物である。スキーヤー・スノーボーダーにとっては、寒さや不便さを通り越して、笑いが溢れてくるものである。また、水力発電や農業の関係者にとっても雪解け水は貴重な資源である。
先週日曜日のシリコンバレーの地元紙San Jose Mercuryのビジネス関連の一面を飾ったのは、資源の中でも、特にエネルギーに関すること。タイトルは、"A New Energy - Silicon Valley players are on the hunt for breakthroughs in alternative-power technology - and venture capitalists are taking notice." シリコンバレーのプレイヤーは、半導体のみならず、燃料電池や太陽光発電、バイオ発電、原子力といった代替電源の開発を進めており、VCも徐々に投資し始めているとのこと。実際、こちらでは、この手の話はよく耳にする。原子力さえ、代替電源、クリーンエネルギーであるという認識は、技術をバックグラウンドに持っている人と話をしていると時々出てくる話題である。
太陽光発電パネルの生産でトップを走る日本メーカ4強のシャープ、京セラ、三菱電機、三洋電機のほか、Shell、BP、RWEなどが市場のメインプレイヤーであるが、シリコンバレーのベンチャー企業は、全世界で年間3割以上伸びている市場を狙って、新たな製品を投入してくる予定である。記事では、SunPower、Miasole、Nanosolar、Nanosysが挙げられていた。
燃料電池は、大規模なものを狙っているIon Americaと車載用など小型のものを狙っているPolyFuelが挙げられていた。PolyFuelは世界経済フォーラムの「2005 Technology Pioneers」にも選出されていることもあり、業界では有名な企業である。Ion Americaは、先月、"America's VC No 1, or perhaps No 2, and Kleiner, Perkins, Caufield & Byers partner Vinod Khosla has India on his mind. But it's not just IT that he is thinking about."ということで、ちょっとした話題になっていた企業である。また、バイオ燃料ではGenecor。原子力・石炭火力については、WaldenのChairman、Lip-Bu Tan氏が検討しているとのこと。Lip-Bu氏は、MITで原子力工学で修士を取得したものの、当時、アメリカが原子力に否定的だったことから、その後、この道を一旦諦めていたらしい。
このようなエネルギー関連のベンチャー企業に対するベンチャーキャピタルの思惑はさまざまなようであるが、シリコンバレーはIT関連のソフトウエアや半導体、バイオのような先端技術だけでなく、重厚長大産業と思われているところにも領域を広げている。実際、米国でIPO(株式公開)した企業には、このようなエネルギーや産業に関連する企業もいくつかあり、まだまだ成長の余地があると見られている。
日本は、省庁や行政による規制の網が厳しく、○○業法(ぎょうほう)というものがたくさん存在するため、規制産業は成熟産業というイメージがあるのかもしれないが、実際、先入観を捨て、よく世の中で起こっていることを眺めてみると、実はいろいろなことが見えるかもしれない。たくさんの星が輝く夜空を眺めながら、そんなことを感じた。
早朝、稲光で目が覚めた。少し遅れて雷が鳴った。カリフォルニアには雨期があり、冬はよく雨が降る。ロサンゼルス郊外では、土砂崩れなどの災害が起きているらしいが、シリコンバレーでは、そのような自然災害はあまり耳にしない。もちろん、道路に大きな木の枝が落ち...... more
「Vow of lower solar costs attracts venture capital」と題してシリコンバレーの地元紙San Jose Mercuryで報道されたところによると、低コストの太陽光発電パネルを作ろうとしているシリコンバレーのベンチャー企業、Nanosolar社とMiasole社が、それぞれ$20M、$16Mのファンドレイズに成功したとのこと。 NanosolarもMiasoleもthin-filmと呼ばれる薄いフィルムの上に太陽電池を作るタイプの企業で、どちらもシリコ...... more