「飲み物1000円?それってキャバクラやろ?」(『100円のコーラを1000円で売る方法』)

「飲み物1000円?それってキャバクラやろ?」(『100円のコーラを1000円で売る方法』)_a0004752_17512599.jpg「100円のコーラを1000円で売る方法」(永井孝尚、中経出版)というタイトルを見て、
それってキャバクラやろ?
という反応をする人は、ある意味で正解に近いところにいるかもしれない。キャバクラでは、女の子が注文する飲み物が別料金になっていて、1杯1000円とか2000円といった値段になる。モノの値段が状況によって変わることを理解していればそういう答えも出てくる。

しかし、ポイントは、そこにはない。

次の式が理解できているかがポイントである。
顧客が感じた価値 - 事前期待値 = 顧客満足
「お客さまは神様」だとかいう言葉もあるけれど、だからといって顧客の言うことばかりきいていては意味がない。でも、いるんだよね、そういう営業担当者って。営業管理をやっていて、値決めをしていた経験上、そういう人が多いのはよく分かる。いわゆる「カスタマー・マイオピア」というやつだ。実際、自分でも営業に回っていたし、余計によく分かる。

この式のいわんとするところは、「顧客の言うことは『事前期待値』であり、それに合わせていては、顧客満足は0点になる」ということ。顧客の期待を超える提案をしてこそ、顧客満足度は高まるのである。

姑息な手段を使おうとすれば、事前期待値を下げるという方法もある。しかし、それでは顧客は見向きもしない。競合他社は必ず存在するからだ。

この式のポイントは、第1項が「価値」になっているところ。PriceではなくてValueなのだ。Valueを出し続けるには、しっかりとした専門性や供給体制が必要となる。プロダクト・アウトではないが、顧客の期待をいい方向に裏切るくらいのものが出し続けられないと、価値を与え続けることはできない。

シリコンバレーでいつも問われていたのは
バリュープロポジションは何だ?
ということ。顧客が望んでいて、自分が提供でき、他社(他者)が提供できないものは何か。それが「強み」となり、勝ち残る、生き残ることができる。

「じゃあ、コモディティはどうしたらいいんだよ!」という話になることもあるが、まさにコカコーラなんてコモディティそのもの。よく考えれば、いろいろとヒントはあるのかもしれない。

本書は、すでに第二弾「100円のコーラを1000円で売る方法2」が出ているようだが、売れている秘訣は、本を読むのが遅い人にとっても、小説仕立てで読みやすいからかもしれない。第二弾は、第一弾「100円のコーラを1000円で売る方法」の続きという設定なので、まずはこちらから読まれることをおススメします~♪

「飲み物1000円?それってキャバクラやろ?」(『100円のコーラを1000円で売る方法』)_a0004752_12162096.jpg

ah, the good life By tara_tearex @flickr

by yoshinoriueda | 2012-09-30 09:42 | 営業・販売・マーケティング | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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