三菱重・日立「国内で消耗戦をするより、一緒に海外で戦う」事業統合の舞台裏

「世界で戦えない」三菱重・日立、事業統合の舞台裏 」という記事によると、
 昨年夏、電力を含む社会インフラ全般での提携で合意目前だった交渉が中断してから約1年4カ月。三菱重工業と日立製作所の両社長が握手を交わしたのは強い危機感があったからだ。

 昨年8月4日午後5時、両社トップは29日開いた記者会見場と同じホテルにネクタイの色を合わせて登場し、幅広い分野での提携を発表する予定だった。しかし企業規模の違いから、「日立にのみ込まれる」という警戒感が三菱重工で強まったこともあり、発表は中止。統合検討チームは解散し、「交渉の事実を消すために収集したデータも廃棄した」(関係者)。

 冷え切った交渉が復活した原因は、想像を超える海外市場の競争激化だ。日立が得意とする欧州の火力発電所市場は低迷。三菱重工は今春、ガスタービンで初の海外工場を米国で稼働させたが、思うように受注できない。2社で値下げ競争を繰り広げる商談もあった。

 両社経営陣から「日本企業同士で争って、体力を削り合ってどうする」との声が漏れ始めた。そんな雰囲気を踏まえ、両社首脳が東京近郊のゴルフ場で1ラウンド回ったのは今夏。交渉再開の下地は整った。

 両社社長が社内の本流を外れ、自社の厳しい経営環境を肌で知った経験がある点も交渉再開を後押しした。大宮英明・三菱重工社長は入社から30年以上、航空部門のエース技術者だったが、2002年に赤字続きの冷熱事業に転出。業務用エアコン生産のタイ移管など事業再編を断行した。

 日立の中西宏明社長は米IBMから03年に買収したものの、赤字が続いたハードディスク駆動装置(HDD)事業立て直しに渡米。3年超にわたり、海外から「世界の中の日立」を見てきた。

 「このままでは世界で戦えない」。苦労人の2人が再び座った事業統合交渉は秋風が吹き始めた頃から加速。新会社では過半を出資することが決まり、三菱重工側の警戒感は後退、冬を間近に控えて合意に達した。2012/11/30 2:00
とのこと。単に規模だけ追求しても仕方がないとは思うが、「国内で消耗戦をするより、一緒に海外で戦う」(2012.11.30日経新聞朝刊)ほうがいいだろう。融合によるシナジー効果、また、さらにその先のイノベーションを期待したい。
by yoshinoriueda | 2012-11-30 05:32 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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