起業の適齢期(?!)
2005年 03月 17日
それは、起業の適齢期(?!)とでもいうようなものなのだが、MicrosoftやDell、Googleというずば抜けた企業は、大学生や大学院生といういわゆる学生時代に起業がなされているような「印象」を受ける一方、シリコンバレーのベンチャー企業には、ある程度の社会経験がある人が深く関与していることが多いような気がする。
ここで、「ある程度」というのは、だいたい10年から15年程度の経験である。ちょうど、企業に入って、エンジニアとして実績を残し、ビジネスのこともわかってきていて、それでいて、まだまだ気力は十分であるというころという感じだろうか。年齢で言えば、30代後半から40代半ばまでという非常に狭い範囲なのだが、その辺りの人たちがコアになって企業を立ち上げているということが多いような気がするのである。
これは、ハイテク化が進むにつれ、もはや、ガレージで何かを作ってはじめればいいというような時代ではないからかもしれない。白衣を着て実験をしたりといった大掛かりな設備が必要とされる技術も、以前に比べてより多く求められるようになっているからかもしれない。あるいは、単純に、超越した能力を特に持たない凡人にとっては、その程度の経験が必要なのかもしれない。また、あるいは、その両方なのかもしれない。
結婚適齢期という言葉は今はもうないのかもしれないが、起業適齢期というのはあるのかもしれない。もし、凡人にとってのその時期が30代後半から40代半ばまでという時期ならば、普通の人は、もしかしたらい、焦ることはないのかもしれない。もちろん、起業という選択肢が、考え方の一つとしてそれまでに入っていなければならないし、その時期には起業しようということならば、それまでに差別化できるスキルや能力を蓄積できるキャリアを積まなければならない。
日本では、もしかしたら、マインドセットやキャリアの蓄積といった部分がすべてにおいて弱く、その一方で、シリコンバレーでは、そのような点に強みがあるのかもしれない。すなわち、マインドセットとして、まず、起業という選択肢が常に存在するし、キャリアという点でみれば、企業の中で実績を出せば、マネジメントの経験を含めて、比較的容易に手に入れることができるのかもしれない。どちらがいいという議論をするつもりはない。ただ、起業を促進するならば、若いころからマインドセットを磨くことにあわせて、良いキャリアを積み重ねることができるということが条件になるような気がする。そして、シリコンバレーでは、そんな条件が、空気が存在するように、当たり前に存在しているのかもしれない。
FPNの「起業の適齢期」を読んで確かにそうだなと思いました。 私も30代後半で起業の準備をしていますが、起業するには様々な知識や経験が必要になることを最近痛感しています。まず起業家がやらなければいけない一番重要な仕事は資金調達です。会社はどう運営されているのか、株式市場はどうなっているのかがわからないと出資者と話もできません。私もエンジニアでそちらの専門家ではありませんが、自分なりに勉強して会計や財務、マーケティングについて一通り話せるようになりました。 その資金調達をするためには事業計画書を書...... more
米国の田舎大学で「米国と日本のentrepreneurshipの違い」について"楽しく"書いているところで、こちらに辿りつきました。また寄らせていただきまーす。
マインドセットやキャリアの蓄積といった部分が弱い。ふんふん。賛成です。シリコンバレーに限らず、アメリカではコミュニティカレッジを含めると1000くらいの大学でentrepreneurshipのクラスがオファーされてるようですし、「entrepreneurship学」が整ってるような気がします。日本の事情はまだリサーチ及びませんが、大学の数からして違いますし、機会は圧倒的に少ない、ですよね?
いろいろ整備はなされてきていますが、日本は事業を興す際のリスクがまだまだ大きすぎるのだと思います。そして、それは、人の活動を縛る法律や税制などの制度にも遠因があると思っています。マインドセットの変革には、そんなところの整備も必要だと個人的には感じています。
http://entre.exblog.jp/1856959/