なるほど~♪:社内事業コンテストは必ず失敗する(藤田晋氏の経営者ブログ)

社内事業コンテストは必ず失敗する  (藤田晋氏の経営者ブログ)」という記事によると、
サイバーエージェントでは10年前から、「ジギョつく」という社内事業プランコンテストを年2回、実施してきました…

 しかし、この10年、本当に会社の将来に必要だと思える新規事業は生まれませんでした。人と資金を投入し、会社の将来を懸けても良いと思えるアイデアは事業コンテストから出てこない。残念ながら私たちはそう結論付け、今年6月、ついにジギョつくをやめることにしたのです。

 …そもそもなぜ上手くいかなかったのか。私は大きく3つの理由があると考えています。

 1つは、「タイミングが合わない」ということ。事業コンテストは時期が決まっています。そこで出てくるアイデアというのは、締め切りまで半年なり数カ月のあいだ温めておいたものか、あるいは、急いでそこで考えて出されたものか、2つのパターンに分類されます。いずれにせよ、適切なタイミングではありません。…

 上手くいかない2つ目の理由は、「審査員の方向を向いてしまう」からです。コンテストなので、審査員がいて、審査員が評価を下します。すると、賞を取るために審査員に認めてもらおうという思考になり、どうしてもコンテスト向きの事業プランに書き換わってしまうのです。

 上手くいかない最後の理由は、「結局、何も決めていない」ということです。コンテストは、賞を決めて終わります。副賞として、賞金を出したり、あるいは事業化への「権利」を与えたりするものもありますが、そこで人事や投資の決済が行われるわけではありません。結局はイベントであり、会社の命運を左右することを決議する場ではないのです。

 事業化にまったくつながらないわけではありません。当社でも、そういう事例を作ろうとやってきましたし、いくつか実際に事業化したものもあります。しかし、出てきたアイデアの数や、関わった人数を考えると、新規事業を生み出す場としては非常に効率が悪い…

 そして、こうした課題を解決できる画期的な代替案に移行しました。コンテスト形式ではなく、いつ事業プランやアイデアを出してもいい、という制度に改めたのです。

 新制度にしてから、不思議なことにアイデアの数は減るどころか月に100件ほどと増え、質の面でもなかなか良いと思えるものが確実に出てくるようになりました。工夫もしました。ジギョつくのような象徴的な存在がないと忘れられてしまうため、アイデアを受ける窓口として、人事本部副部長を「ジギョつく大使」として任命したのです…

 人事本部副部長という彼のポジションやキャラクターが絶妙だったのかもしれません。部長や、あるいは、投資部門の責任者を窓口にしたら、そこまでアイデアが集まらなかったでしょう。事業プランやアイデアを瞬時に精査できそうな人だと、萎縮してしまい、怖くてアイデアを送ることができなくなってしまうからです…

 ジギョつくと同じような事業プランコンテストを実施している会社は多いと思います。確かに、社内の活性化やガス抜き、あるいは、人材の発掘には役立つ側面があります。ただ、現実の実利につながるかと言うと、疑問です。本当に会社の将来を懸ける新規事業を作りたいと望むのであれば、事業コンテストはやめた方がいい。私は、自分の経験から、そう自信を持って言えます。
とのこと。タイミングは大事だけれど、3つ目の理由に挙げられている「経営資源の再配分を決めることができなかった」というのは、よく耳にする話。方向性はいいんだけど、結局、事業化するとか、前に進めるというときには、経営資源の再配分が必要となり、それは、結局、トップマネジメントの専権事項になるので、そういう仕組みがビルトインされていないとうまくいかないということ。往々にしてそういうことがよくあるというのは、「分かっちゃいるけど、なかなかできない」ってことなんだろうけど^^;

 
by yoshinoriueda | 2014-11-26 18:15 | 思うに・・・ | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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