悩ましいですなぁ:「原発に頼るしかない」関電、背水の復活シナリオ

「原発に頼るしかない」関電、背水の復活シナリオ」という記事によると、
11月26日、電力業界の注目を集めたニュ-スが流れた。関西電力の八木誠社長が記者会見で、高浜原子力発電所1、2号機(福井県)の運転期間を20年程度延ばすための特別点検を実施すると発表したのだ。1号機は運転を始めてから廃炉の目安である「40年」を過ぎた。2号機も来年11月に到達する。特別点検を終えしだい、来春にも原子力規制委員会に運転延長を申請する。

「高浜1、2号機はほかの電源より競争力がある。新しい規制に必要な対策のメドも付いた」。八木社長は会見でこう強調し、運転延長に自信をにじませた。会見後、あるエネルギ-業界の関係者は「原発と心中するという関電の強い覚悟の表れだ」と評した。

関電の業績は厳しいままだ。2014年3月期まで3期連続で単独経常赤字を計上し、14年4~9月期も117億円の赤字だった。原発停止分を補う火力発電用の燃料費が増えたためだ。このままでは通期も赤字に陥る可能性が高く、来期の回復も見込みにくい。

原発再稼働は経営を立て直す切り札だ。関電は高浜3、4号機と大飯3、4号機(福井県)の安全審査を規制委に申請した。高浜3、4号機はすでに規制委の安全審査をほぼ通り、稼働できれば年1,000億円以上の収益改善が見込める。

東日本大震災前まで、関電の発電量に占める原発比率は40%を超え、電力10社のなかで最も大きかった。西日本のある電力会社幹部は「原発さえ動けば関電の価格競争力は抜け出る。16年4月の電力小売り全面自由化後に大飯、高浜の計6基が動けば勝てない」と危機感をあらわにする。他社が恐れる潜在的な強さがあるのは事実だ。

九州電力の川内原発(鹿児島県)の再稼働が現実味を増したこともあり、電力株は戻り歩調に入っている。その中で関電株は10月16日に付けた直近安値(883円)から8日終値まで38%上昇した。同期間の株価上昇率が20%前後にとどまる九州電、中国電力、四国電力といった西日本のほかの電力会社よりも株価の戻りが早い。原発再稼働後の強さを市場が認識したためと考えられなくもない。

もっとも、再稼働までの道は平たんではない。高浜3、4号機は最速シナリオなら来春に再稼働できそうだが「規制委の審査は思い通りにいった試しがない。自治体の同意の取り付けにも時間がかかるだろう」(関電幹部)。大飯3、4号機は大規模な耐震工事が要るため、来年度中に再稼働できるかどうかもわからない。「高浜と大飯の4基が動かないと厳しい」(八木社長)とみる関電にとって、来期にV字回復を果たすのは難しい情勢だ。

それならば収益改善のもう一つの手である再値上げはどうか。関電は昨年春に家庭向けの電気料金を平均9.75%上げた。原発停止が長引けば「(再値上げを)検討しないこともない」(八木社長)と含みを持たせる。主要取引行幹部は「再値上げか再稼働か、どちらかメドを示さないと融資の稟議(りんぎ)を通しにくい」と明かす。監督官庁の経済産業省は「関電が明日値上げを申請しても驚かない。財務はそれくらい悪い」と身構える。

再値上げを申請すれば、政府から「もっと経費を減らせ」と求められるのは確実だ。顧問制度の廃止を迫られるのを嫌がる「長老たちの猛反発もあるだろう」(関電有力OB)。再値上げ表明はいつが適切か、値上げ幅をどうするか、コスト削減の余地は――。関電は色々なシミュレ-ションを繰り返して計画を練っている。

「明けない夜はない。今はひたすら耐え忍ぶ時期だ」。高浜原発1、2号機の運転延長を目指すと発表した日の夜、関電首脳は周囲にこう漏らした。電力、ガスを巻き込んだエネルギ-大競争時代はすぐそこに迫る。雌伏の時はいつまで続くだろう。
とのこと。
主要取引行幹部は「再値上げか再稼働か、どちらかメドを示さないと融資の稟議(りんぎ)を通しにくい」と明かす。監督官庁の経済産業省は「関電が明日値上げを申請しても驚かない。財務はそれくらい悪い」と身構える。
というわけで、再稼働が当面見通せないと考えるならば、値上げしかないわけで。それはそれで、いろいろなところに波及するわけで。悩ましいですなぁ...

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by yoshinoriueda | 2014-12-09 12:21 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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