「まわりの海も含めて、島は広いというのね」
2005年 07月 16日
「まわりの海も含めて、島は広いというのね」これは、片岡義男氏の「彼のオートバイ、彼女の島」という小説に出てくる一節。久しぶりに実家に帰って、昔読んだ本をめくっていると、角を折り込んだページに書かれていた。
ふと、「海は、防壁ではなく外の世界に続く道」というエントリーで紹介した大柴ひさみさんの「Ocean Islandar (海洋民)」というエントリーを思い出した。
さて、実家に置かれた自分の昔の思い出の品が入った箱を開けると、なんとそこには、手紙の山!なぜ今日まで残っていたのか、そして、よくもまあ、これだけの手紙があるもんだ・・・と思ったものの、全く見ずに捨てるのも気が引けるので、全ての手紙とハガキを読んだ。
今はメールでことが足りるから、手書きの文字を見る機会は減ってしまったけれど、少し前までは、手紙やハガキに自分の手で字を書いていたのだなあ...という思いにとらわれたのも一瞬、内容を読むにつれて、さまざまなことが思い出された。
特徴のある字、紙の折りたたみ方といった視覚的なものから、他愛もない内容、当時の悩み事相談までさまざま。きっと、手紙を書いてくれた相手が見たら赤面するだろうなあ...と思い、今はどうしているのかなあと懐かしくなった。そして、いろいろな人に支えられてきたんだなあと実感した。
このまま元通り置いておいてまた眺めて懐かしむのもいいのだが、それはやめにした。その代わり、感謝の気持ちを込めて、そして、小さな勇気と決意をもって、燃やしてしまうことにした。「すべてはただの”yesterday”」と言ってた誰かの言葉をかみしめながら...。