「ヒット学」
2005年 08月 06日
吉田氏は、チェッカーズや中島みゆき、おニャン子クラブ等のヒットを手がけてきた人物。中学時代に流行してたチェッカーズのテーマが「青春」だったということを知り、まんまとそれにノセられていたんだなあと実感するとともに、世の中でヒットしているものは仕組まれているということを今更ながらに実感した。
「ヒット学」では、どうやってヒットが生まれてくるのかというその背景に迫っている。コンテンツがヒットする前提要因として、「時代の要請」があり、「企画」「マーケティング」「制作」「デリバリー」の4つのヒット要因が存在するという。そして、これらに、次の6つの法則が掛け合わさってヒットになるとのこと。
法則1また、ヒットを生み出すプロデューサーには、人やヒットの芽を「発見(picking up)」し、「本質を理解(understanding)」し、「巻き込んだり組み込んだり(organizing)」して、「その気にさせて、育て(empowerment)」て、「ゴールをイメージ(imaging the goal)」させ、時には「柔軟に対応(flexibility)」し、「完結させ、蓄積させ(wrapping up)」る能力が必要であるという。
ミスマッチ(mismatched)のコラボレーション
法則2
明確な(clear)コンセプト
法則3
常に新鮮な(fresh)驚き
法則4
成功(successful)体験の継続性・連続性
法則5
付加価値(added value)
法則6
顧客との会話や顧客同士の情報交換(interactive)
最後には、NLPにまで言及されている。NLPは神経言語プログラミング(Neuro Linguistic Programming)とも呼ばれ、コミュニケーション・スキルを高めるための理論である。ヒットというのは、人間に深く係わっていることだから、コミュニケーションの話が出てきて当然なのかもしれない。そんな小手先のテクニックを駆使しているわけではないにしても、数々のヒットを生み出してきた人だけあって、NLPの話は、基礎的な知識として知っていて当然、という程度のものなのかもしれない。
なるほど、ヒットしているblogなどは、上記の要因や法則に当てはまっているものが多い。立場やコンセプトがはっきりしていたり、頻繁に更新がなされていて新鮮だったり、視点が意外で面白かったり、時にはミスマッチもあったり、コメントやTBの応酬があったりする。
ヒットを生み出すプロデューサーに必要な能力は、誰にでも参考になる話だと感じる。ヒットを生み出したいというマーケターだけでなく、幅広い層に役に立ちそうな入門書だと思った。