シリコンバレーのVCとの対話から:中国ビジネスの成功要因
2005年 09月 14日
幼少期に日本で暮らし、中国語が母国語ということもあって、日本語で書かれていることは少し理解できるとのこと。メニューが日本語しかない店でも、どんなものが出てくるのかは想像がついていたようである。
彼の投資先は、最近注目を浴びている中国。彼曰く、中国では技術系ベンチャーも立ち上がりつつあるようだが、まだまだお金の使い方が「未成熟」で、経験に裏打ちされたスマートなお金の使い方がリターンを生み出すとのこと。
中国でのビジネスの成功要因として、彼が挙げたポイントは、「プロダクト・プロセスの強さが作り出す壁」と「マネジメント」。他人が容易にマネできないプロダクトとプロセスが、なければすぐにマネされてしまうが、うまくやれば、大成功するだろうとのこと。
また、マネジメントについては、大きな問題を抱えているという認識だった。拡大する計画経済の中では、強力なマネジメントは必要とされていなかった。しかし、これからの時代は、マネジメントが鍵を握る。欧米、特にシリコンバレーなどの地域で学び働いた人が、中国本土に戻りつつあるが、彼・彼女たちは、それはそれで苦労しているそうである。中国本土の労働力の質の問題が大きいとのこと。
それに比べれば、日本は、なんだかんだ言っても、人・技術・金のインフラは揃っているように見えるらしい。ただ、メンタリティーの問題は大きいという認識は、お互い一致した。例えば、大企業がベンチャーの製品を買うかというと、煩雑な手続きとそのような製品を採用しようとしないメンタリティーの問題から、実現性は低そうである。大企業なら、自分の中で作ってしまうというオプションもありえるだろう。
そんな話に加えて、スタンフォード大学のアジア太平洋研究所の話や関西経済の話をしていると、あっという間に1時間半が過ぎていた。ソフトウエアを得意としながらも、ハーバード大学のビジネススクールで学び、起業してきた経験を持つ人だったが、人当たりがよく、話題の選び方やこちらへの配慮が随所に感じられ、good communicatorだと感じた。お互い英語を使っていたのだが、こちらは日本語で話しているような感覚に囚われるくらい話しやすかった。そして、まさに「シリコンバレーの風」を感じたランチだった。