そうかな?:新井紀子教授が予見!ロボットで失業するのは「銀行の窓口」より「半沢直樹」
2016年 06月 15日
銀行の窓口よりも、半沢直樹が代替されるほうが先とのこと。
ここ10~20年で無くなる可能性がある職業としてよく言われるのは、電話でのセールスやデータ入力作業、証券会社の事務、スポーツの審判、銀行の窓口業務、車の運転業務などだ。
「でも私はこの中の銀行の窓口業務よりも、『半沢直樹』がロボットに代替されるほうが先だと考えている」
その理由として新井氏は、彼の仕事が与信審査だという点を指摘する。
「与信審査は、お金を借りに来た企業の売上データとか、個人なら資産や職業などのデータを元に、どれだけの金額を、どんな条件で貸せばいいのかを判定する仕事です。その特徴は『確率的に当てればいい』ということ。1000人借りに来たなら、そのすべてで個々に利益を出す必要はなく、全体として利益が出ればいいのです。そういう確率的な最適化は、ロボットは本当に得意」
これに対して、窓口業務はソリューションを提供する仕事で、ロボットでは難しいと新井氏は強調する。
「窓口には色々な人が来ます。中には、自分がどういうつもりで来たのかもよく分からない人さえいます。しかも一期一会です。そこで求められることは、最適化でも、分類作業でも、検索作業でもありません。来た人はこういうことを言っているのではないかと考えながら、ソリューションを提供することです。これはまさにドラえもんの世界で、今のところ、ロボットでできる見込みがまったくない」
確かに、膨大なデータに基づき計数的な処理を行うのはロボットのほうが得意かもしれない。しかし、経営は、それだけではうまくいかない。大概のところまではロボットで処理できるけれど、逆にその先は、人間の目も必要になるのではないか。
ちなみに、
「その中で、ドラえもんに投資しようと言っているのは日本だけ。これからはAIが分かっている人が、急いで法律について考え、社会制度と教育制度について考えなければなりません。そのフェーズにこの5年間で移れるか。それが問題です」ということが最後に書かれていたけれど、この部分は確かにそうかもしれない。これはあくまで備忘メモ。