大切にしたい「自分のお金を使う感覚」

平成18年度税制改正大綱では、大企業の交際費等の損金不算入について、損金不算入となる交際費等の範囲 から「1人当たり 5,000円以下の一定の飲食費」を除外するとしている。これは、一人当たり5,000円以下の飲食費を伴う取引先等との会食をしても、交際費ではなく、経費として処理することができるようになるということである。中小企業は別として、大企業のビジネスパーソンにとっては、遅咲きの夜桜を眺めるなど、夜の「お食事会(?)」が増えるということになるのかもしれない。

そもそも、なぜ夜のお付き合いがあるのか?一緒に食事をすることで、場の雰囲気が和み、良好な関係を構築できるという効果はある。しかし、それがなぜ朝ご飯やランチではだめなのか?食事を共にするということならば、ランチでも十分だ。アルコールだって、自分の許容範囲で飲めばいい。ランチで焼酎を飲んではならないという法律はない。現に、フランスの原子力関係の設備では、ランチにワインを飲む人もいる。タブーだと思っていないで「必要なときには必要なものを必要なだけ」ということにすればいいのだと思う。ただ、昼間からアルコールを飲んでしまうと、眠たくなってその後は仕事にならないというのは現実問題として存在するかもしれないのだが...

それはそうと、夜の付き合いがなければ契約がとれないとか、仕事が円滑に進まないというのは、単に、会社の金で飲み食いをするための言い訳のような気がする。現に、夜の付き合いをしても良好な関係を構築することができることもあるし、また、逆に夜の付き合いをしたら必ず契約がとれるというわけでもない。ゴルフだって同じことだ。

先日、ベンチャーを立ち上げて3年目でようやく軌道に乗り始めたという起業家の話を耳にすることがあった。その起業家いわく、
「商社マンだったころは、『この出費は必要だー!』と言って、上司から許可をもらって、接待したり接待されたりしていたが、自分で事業を進めるようになって、そのあたりは厳しく見るようになった。結局、夜の会食代も経費なのであれば、それをいかに削減するかが大切であり、いかにそれなしでも成果を出していくことができるかを考えなければ、事業は成り立たないと思う。ケチだと思われても、節約するということは大切なのだから、抑えるところはきっちりと抑えなければならない。」
大企業であろうと、中小企業であろうと、経費として処理されようと、交際費として処理されようと、仕事をしている人たちそれぞれが、自分のお金を使う、即ち自腹を切るのと同じ感覚でお金を使う習慣を身につけておくべきだと思う。シリコンバレーのベンチャーキャピタリストの中には、ベンチャーに出資する際、起業家たちが、そんなお金に対する感覚、即ち、自分のお金を使う感覚でベンチャーキャピタルから出資されたお金を使うという感覚を持っているかどうかを気にする人もいた。

個人的には、夜の会食よりは、昼の会食にしてほしいところ。朝が早いのはそれほど苦にはならないが、夜が遅いのは、次の日の朝に余韻がのこってしまい、仕事の能率が落ちるからである。というのは建前で、本音は、美味しいお酒は、やっぱり好きな人と飲むのが一番だと思うからである。;P)
by yoshinoriueda | 2006-04-15 12:28 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


by yoshinoriueda
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