相手を動かすプレゼンテーション
2006年 05月 16日
ところが、後者は、前者に比べて、格段に難しい。まったく別物である。このプレゼンは、「相手に行動してもらうためのきっかけ」である。だから、メッセージが伝わり、さらに、相手になんらかの行動を起こしてもらう必要がある。
そんなプレゼンを目指すのに役に立ちそうな本に出会った。「マッキンゼー流 プレゼンテーションの技術」(ジーン・ゼラズニー著、東洋経済新報社)には、プレゼンのヒントが盛り込まれている。真ん中くらいのページに割かれているチャートのデザインについての演習が目を引いたので、手にとって読んでみたのだが、それ以外にも、いろいろと参考になることが書かれていた。
相手を説得するということは難しい。それは、拠り所とするところが違うからであり、物事を見る視点が違うからである。それを受け入れてもらい、合意を得るというのは、とても労力がいる仕事だ。しかも、日常生活やビジネスの中では、何を言うかということよりも、誰が言うかというところがポイントになっていたりすることも往々にしてある。
それは、結局、「誠意」とか「信頼感」といったものが大切だということの裏返しなのかもしれない。誠意がなければ、そもそもプレゼンは相手に届かない。信頼感がなければ、信じられない。ただ、相手に分かってもらいやすいようなテクニックを学んでおいて損はない。そんなプレゼンの技術を、「相手を動かす」という目的達成のための心構えとともに学ぶことができる一冊だと思った。