そろそろ日本もマルチユーティリティーの時代か?

関西エリアは、関西電力大阪ガスがシェア争いを繰り広げており、動きがあって面白い。イメージ戦略に出る大阪ガスと、動きが鈍いながらも もがいている関西電力の構図が見られるのは、もしかしたら今だけかもしれない。

とそれはさておき、日経新聞の2007/11/5夕刊の「@(あっと)関西」の「先望鏡」のコーナーで竹田忍編集委員の次のようなコラムが掲載されていた。
大ガス あぶり出された焦り

迫るオール電化 違い訴え

 「炙り(あぶり)、炙り」と連呼しながら女優の水野真紀さんがガスレンジのじか火で炙ったカマンベールチーズやプチトマトにかぶりつく。大阪ガスのテレビCMの一こまだ。
 長らくガスは台所の主力熱源だったが、最近は電力各社による猛烈なオール電化住宅の攻勢に押されている。対抗すべくひねり出したのがじか火を使う炙り調理法だった。電力会社の推すIH(電磁誘導加熱)クッキングヒーターがいかに高性能化しても、じか火は難しい。
 かつて隆盛を誇ったガス炊飯器は火力の強いIH炊飯器の登場で見る影もない。ガス業界は土鍋とじか火でご飯を炊くキャンペーンを展開して巻き返しを図ったが、昨年九月にタイガー魔法瓶が土鍋を内蔵したIH炊飯器を発売。せっかく浸透させた土鍋炊きが敵に塩を送る形になってしまった反省を炙りに込めた。

 2006年度に大ガスが客先で新設したガスメーターの工事は12万7千件(大半が家庭用)。同年度に関西電力が手がけたオール電化住宅は11万5千軒と肉薄する。関電は07-09年度で38万軒を新たに積み増す計画だ。07年度に大ガスが新設するメーターは12万8千件、3倍すると38万4千件になる。頑張ってガスの新規顧客を開拓しても、同数を後発のオール電化が奪ってゆく構図が浮かび上がる。
 追い打ちをかけるのが湯沸かし器やストーブなどガス機器の不完全燃焼が原因の死亡事故だ。経済産業省の調査では、1986年から06年までの21年間に355人が亡くなった。事故が報じられるたびにオール電化が勢いづく。
 松下電器産業は今年3月、家庭用ガス機器の生産・出荷を終了した。大手家電メーカーの撤退でガス機器の製造はもっぱらパロマ工業(名古屋市)やリンナイなど専業メーカーが受け持つ。大ガスの芝野博文社長は「松下などに比べれば専業各社は規模や財務力で劣る」とみて、「代わりにわれわれガス事業者が研究開発に力を入れる」と危機感を込めて語る。

 8月末、東京都内のホテルで開かれた日立製作所元社長、故三田勝茂氏のお別れの会に大ガスの酒井孝志常務の姿があった。大ガスは総出力110万9千キロワットの泉北天然ガス発電所(大阪府高石市、堺市)を建設中だ。そこで使うタービンを日立に発注した関係で出席したという。同発電所は09年に運転を始める。
 家庭用ガス機器から撤退した松下だが、客先でガスから水素を作り、空気中の酸素と反応させて電気を起こす小型の燃料電池開発には力を入れる。松下の榎坂純二常務は「かなりよくなってきた」と話す。
 「ガス会社が一次エネルギーのガスではなく二次エネルギーの電気を売る時代の到来」(酒井常務)だ。業種間の仕切りは無意味。ガス会社が独立の業態で存続する意義も問われる。
08年3月期の売上高は関電が2兆6700億円を見込んでいるのに対し、大ガスは1兆2035億円と半分以下。飲み込まれればひとたまりもない。「炙り、炙り」が「焦り、焦り」に聞こえたりして。
a0004752_21533439.jpg炙りのCMについて、大阪ガスのウェブサイトのCMライブラリーで見ると、確かに美味しそう!

でも、ガス特有のガス臭さはないのだろうか?うちはガスコンロだが、あのガスの臭いを嗅いでいると、頭が痛くなるのだけれど...(;_;)


面白いと思ったのは、オール電化とガス・電気併用の戦い。こうやって数字で見ると、なかなかの接戦。しかし、電気とガスがそれぞれ年間12万件程度増えるということは、合計で24万件も増えるということなのか?そんなに近畿圏って住む所が増えているのだろうか?

と、それはともかく、欧米ではマルチユーティリティーという事業形態があるのに、どうして日本はいつまでも頑なにシングルユーティリティーから抜け出せないのだろう?M&Aが不足しているのかな?東電の株も外資が買い付けているようだし、そろそろそんな話が出てきてもおかしくないような気もするのだが...
 

  by yoshinoriueda | 2007-11-05 21:49 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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