無料デジカメ写真プリントPrieaのサービスの縮小について
2008年 01月 09日
「無料サービスなんだから、サービスの質を下げてもいいだろう」というつもりではないと思うが、会員数の増大でサービスの質が保てなくなるというのは、非常に残念である。利用者が急速に伸びているということはよいことかもしれないが、それに対応することが難しくなったので、サービスの質を落さざるを得ないというのは、それに対応するための資金や、人材・協力者の確保が十分ではないためであろう。
無料のサービスといえば、グーグルのgmailのサービスは、大容量でありながら無料のサービスではあるが、容量が削減されるということはなく、むしろ常に容量が拡大している。この差はどこから来るのだろうか?
もし、Prieaがシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けていたとすればどうなっていただろう?
Prieaのサービスが世間に受け入れられているのであれば、その規模を拡張するため、VCは資金を注入して、さらに市場支配力を高めるような動きをとるだろう。もちろん、逆に、Prieaのサービスの将来性がないということになれば、追加の資金注入はなされず、そこで事業やサービスは別の道を探すことになる。別の道とは、すなわち、事業やサービスを売却するとか、やめてしまうといったことである。
Prieaのサービスは、無料でプリントできるのだから、利用者から見れば「ありがたいもの」だとは思うが、果たして広告主側からみた場合の効果の測定はどうなっているのだろうか?Prieaのサービスでは、無料プリント注文時に簡単なアンケートはあるものの、注文した人の属性や興味に合わせたターゲット広告になっているわけでもなく、どちらかといえば、これまでの広告ビジネスにインターネットを組み合わせただけのような感じがする。
このサービスを一歩進めて、例えば、写真共有サイトやSNSが、利用者の興味をトラッキングして、それに合わせた広告を出すような形にするとどうなるだろう?もう少し、広告の効果は高まるかもしれない。もちろん、なんらかの形でフィードバックが得られるような仕組みがなければ、測定することは難しいままではあるが...
もしかしたらPrieaのサービスは、この先、長く続かないかもしれない。もしかしたらPrieaのサービスに変わる別のサービスが、別の企業によって展開されるかもしれない。健全なビジネスの生態系が維持されていれば、きっと、よりよいものやサービスが生き残っていくことだろう。Prieaの今後に期待したい。