「おい、悪魔!」
2008年 02月 16日
表具師職人だった作家・藤本義一さんの祖父は、「仕事に入る前に、洗顔の顔を拭わず、鏡の中の自分に向かい、『おい、悪魔!』と大声で怒鳴りつけていた。幼な心に、その形相が怖くて祖母の胸に顔を埋めていた」(「歎異抄に学ぶ人生の知恵」)という。・・・「おい、悪魔」と聞こえていたが、実は、「オ・イ・ア・ク・マ」で、自分に向かって発する自戒の言葉だった。「オは”怒るな”で、イは”威張るな”や。アは”焦るな”で、クは”腐るな”や、一番後のマは”負けるな”や。自分がどないやって生きていくのが正しいかをいうてはるわけや」・・・人生の基本をこんなふうに短く凝縮させるとは、なかなか面白いと思ったので、メモ。