「排出権取引は日本を衰退させる」
2009年 07月 21日
・・・気候変動への対策の第一声としてオバマ氏は「自動車の効率を改良せよ」と述べた。これは、次の狙いによる。私が見ている限り、国際交渉の場において、少なくとも、経済産業省および資源エネルギー庁の交渉官は、赤祖父氏が心配するように、「おだてられ、はめられ、たかられて」いるだけでもなさそうである。
・石油消費を抑え、省エネになる。
・石油輸入の大赤字が軽減できる。
・大気汚染が軽減できる。
・米国の自動車会社を国民の税金で再建する口実となる。
・自動車労働組合の支持に応えられる。
まさに、一石二鳥、いや一石五鳥である。・・・
地球温暖化問題はもともと、欧州諸国が1980年代、英国の原子力発電問題と、米国や日本の繁栄を制御することから取り上げられた。炭酸ガスとは関係ない。仮設が事実とすり替えられ、政治家、官僚、学者、メディアは、地球温暖化は人類の運命を決める最重大問題とし、市民は、地球温暖化は炭酸ガスが原因と信じ込まされていった。・・・
アル・ゴア米国元副大統領が主演の娯楽映画「不都合な真実」は、英国では小学校で見せることについて、父兄の要求により法廷が詳しい注意事項を示し、守ることを義務付けていた。
一方、日本のあるテレビ局はこの娯楽映画を教育映画と誤解し、小学生にその感想を述べさせていたと聞く。日本の報道はどれも、温暖化問題は、予言されたとされる大災害のため「待ったなしの緊急問題」として一般市民の恐怖をあおり、多くの特別番組で報道してきた。・・・
日本は、すでに”カモ”と見なされ、国際会議では「おだてられ、はめられ、たかられて」いるだけではないか。そして国民の税金が、「排出権取引」という炭酸ガス削減にムダガネとして使われるのだ。・・・
EUはきわめて狡猾であり、この問題では簡単に信用すべきではない。日本はIPCCやEUの言うことを信奉し、馬鹿正直に国際協定としてムダガネを拠出する予定であると聞く。・・・
無意味な、そして不可能に近い炭酸ガス削減を強いられ、企業そして日本が衰退してよいのか。その揚げ句、炭酸ガスは温暖化に関係なかったとなっても、排出権取引で資金を得た国は、衰退した日本を笑うだけである。
この問題における人道的”正義”とは、国際的に不当な要求を退け日本を守ることである。この場合、国際交渉に正義などない。
”カモ”になっているのは、環境省系、環境NGOだと見える。そして、環境派の政治家たちがそれにさらに拍車をかけているように見える。そんな政治家を選んだのも、また、無教養で無責任な国民なのかもしれないが。
自分の頭で考えず、自分の言ったことに責任を負わない、教養レベルが疑わしい無責任な人たちは、ナイーブで、すぐに騙される。騙されていることにすら気づかない。哀れだけれど、それはある意味、事実でもある。
目の前に起きていることが正しいとしても、その原因は解明できていますか?自分の言動に責任がもてますか?今一度、多くの日本人が自ら問い直すべきなのかもしれない。
本当にそんなことでいいんでしょうか?鳩山氏は勝手に日本の目標を掲げて国際公約にしてしまったようですけど。