仏も炭素税審議、日本も炭素増税へ加速か?

日経新聞の夕刊2面の「温暖化対策 仏、炭素税を審議へ 欧州主要国、対策整う」という記事によると、
 【パリ=古谷茂久】フランス政府は炭素税導入に関する法案を近く仏議会に提出する方針を決めた。ガソリンや軽油などに新たに課税し、化石燃料の消費を減らして国内の温暖化対策を進める。イタリアやドイツ、英国など欧州主要国はすでに炭素税を導入済み。遅れていた仏でも導入がほぼ確実となり、欧州主要国で二酸化炭素(CO2)排出に課税する体制が整う。

 フィヨン首相は「気候変動対策として数週間以内に炭素税の審議を始める」と語った。化石燃料が排出するCO21トン当たり32ユーロ(約4200円)程度の課税を想定しており、2010年中の導入を目指す。政府は30年までには同100ユーロまで税率を引き上げたい意向。税収の使途は一般財源となる見込みだ。

 仏の炭素税導入を巡ってはサルコジ大統領が公約としていたほか、環境政策を決める有識者会合も導入を提言していた。市民団体や組合は炭素税導入に反対はしていないものの、負担増を懸念する声は残っている。政府は中・低所得者向けに燃料券を配布するなど対策を打つことを表明している。

 欧州では1990年にフィンランドで温暖化対策として世界初の炭素税が導入され、その後スウェーデンやノルウェー、デンマーク、オランダなどに広まった。イタリアと独は99年、英国では01年に導入されたが、仏では産業界などとの調整に手間取り審議が遅れていた。
とのこと。今は温暖化対策が議論をリードしているようだが、そもそもは財源確保が目的だろう。ただ、環境税を入れたからといって、二酸化炭素排出削減にはつながらない。

欧州の環境税は、産業分野は競争力に配慮して、産業より民生・運輸に高い税率をかけられている。民生・運輸分野は、価格弾力性が小さいため、価格を変更してもほとんど需要は変化せず、エネルギー価格が上昇したからといって、それを削減しようというインセンティブがあまり働かない。

では、温暖化対策のために財源を使うのかといえば、一般財源である以上、社会保険や雇用対策に財源が必要であれば、そちらに回っていくだろう。

振り返って日本はどうか?

すでに石油石炭税という形で炭素に対して課税がなされている。現行税率は、石炭は、原料炭を除いて、700円/t、LNGやLPGは1080円/t、石油は2040円/klとなっている。総額は5100億円/年程度。資源の多くを輸入に頼る日本としては、環境対策とともにエネルギーセキュリティ対策が必要であり、総額の半分程度が、エネルギー特別会計のエネルギー需給勘定として、石油やLPGの備蓄の財源となっている。また、残りの半分は、エネルギー需給構造高度化対策に使われており、省エネルギー対策の補助金などの財源になっている。

民主党が政権をとれば、日本でも環境税の議論がさらに活発化するのだろうけれど、すでに炭素税として石油石炭税があるので、今後はそれを増税する方向か。それとも、環境省あたりが、自分たちの財源を持つために、新税を導入する方向で動くか。いずれにしても状況は炭素への課税が加速する?!

  by yoshinoriueda | 2009-08-24 23:59 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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