タイ・バンコクでのAWG3日目:「ナマ」はダメか?

「ナマ」といっても、「生」ではなく、「NAMA」、すなわち”Nationally Appropriate Mitigation Actions ”、日本語で言えば、各国による温室効果ガス削減行動。タイのバンコクでの気候変動枠組み条約に関するAWG会合の3日目の朝、LCA(Long-term Cooperative ActionのNAMAに関するセッションが開催された。

途上国は、NAMAはvoluntary(自発的)な活動であり、義務を負うようなものではないということを繰り返し。あくまでも、義務を負うのは、先進国のみということを言いたいのだろう。インドは、voluntaryなものなのだから、verification(検証)の手続きは必要無い!とまで言い切った。

こうなってくると、途上国を巻き込むという先進国側の意図は、NAMAを通じては一切できなくなる可能性がある。はて、どうしたものか。

京都議定書によると、
第4条1(b)自国の(適当な場合には地域の)計画を作成し、実施し、公表し及び定期的に更新す ること。この計画には、気候変動を緩和するための措置(温室効果ガス(モントリオール 議定書によって規制されているものを除く。)の発生源による人為的な排出及び吸収源による除去を対象とするもの)及び気候変動に対する適応を容易にするための措置を含める ものとする。
となっているのだから、すべての締約国はNAMAを計画し、実施し、公表し、定期的に公表する必要がある。

途上国は、NAMAで数値目標を持たされるのがいやなのかもしれないが、もはや1990年代ではない。現在の議定書で途上国の扱いになっている国々の温室効果ガス排出は先進国と並ぶ規模になり、「common but differentiated responsibility」(共通だが差異のある責任)という政治的な原則の「責任」の部分は、昔とはかなり変わってきている。

それを言われたくないからか、中国やインドは、「歴史的責任」とか、「一人当たり(per capita)の排出量」といった発言が目立つようになってきている。特にCOP14以降。

もはや、NAMAの議論でも先が読めないデッドロック状態になりつつあるのか...

会場の別館にある食堂でのランチ
会場の別館にある食堂でのランチ posted by (C)yoshinori
by yoshinoriueda | 2009-09-30 15:53 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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