2008年 08月 04日 ( 2 )

 

つい先日の東京ビッグサイトにて(新エネルギー世界展示会)

他人事ではないなぁと感じたのは、ちょうど数日前、東京ビッグサイトに行ってたからだった。ちなみに、出席してた第3回新エネルギー世界展示会で聞いた講演の要旨は以下の通り。

【基調講演】10:30-12:10
1.日本(経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長 羽藤秀雄氏)
•現在の原油価格の高騰については、第3次オイルショックともいえる状況。1973年10月の第1次オイルショック直後には、電力の石油火力依存率が高かったことから電気料金が急騰した。電力会社はその後、石油依存率を下げてきたため、インパクトは小さいかもしれないが、未だに石油依存を変えられないタクシーなどの輸送関係、ハウス栽培などの農業関係、漁業関係などの業界にとっては、原油価格高騰は大きな打撃となっている。
•新エネルギーは、出力自体が不安定であり経済性も低いが、日本では、電力会社にはRPS法により採用を義務付けてきており、今後、さらなる取り組みを求めていくことになるだろう。
•太陽光発電については、生産量で世界トップクラスとなっており、価格も低廉化しているが、今後さらに導入を推進する。なお、2020年に現在の10倍にする方針を打ち出しているが、この前提は、新築住居の70%に太陽光発電が導入されるというもの。
•バイオ燃料については、2015年までに40円/l程度を目指す。ただし、エタノールは輸入に頼らざるを得ず、エネルギーセキュリティー上の問題が残る可能性がある。
•風力は、日本の場合は特に落雷対策が重要なポイント。蓄電池技術、水素燃料、燃料電池についても、着実に開発を進める。
2.ドイツ(駐日ドイツ大使 ハンス=ヨアヒム・デア氏)
•2020年までに発電電力量の2割から3割を新エネルギーによりまかなうことを目指す。また、発電所改修、CCS(二酸化炭素回収貯留)、運輸・住宅分野での取り組みを強化する。
•FIT(固定価格買取制度)により、太陽光や風力ビジネスが、東ドイツ地域を中心に勃興し、着実に化石燃料への依存度は下がってきている。FITは、最終消費者、特に低所得者に負担を強いているという側面があるが、「安全保障のための投資」であると理解してもらっている。
•中国・インドを中心とした二酸化炭素を大量に発生させている新興国への技術移転により、実質的に排出量を削減させるプロジェクトを来年初めから進めていく予定。
3.米国ペンシルベニア州(地域振興・経済開発省長官 デニス・ヤブロンスキー氏)
•米国では、連邦政府よりも各州が主導権をもって再生可能エネルギーの推進に取り組んでいる。ペンシルベニア州では、Alternative
Energy Partnershipというプログラムを推進中。
•再生可能エネルギーについては、従来「規制主導、地域密着、情緒的」といった側面があったが、最近は、「市場主導、グローバル、起業家精神」という色合いが濃くなってきている。
•米国のベンチャーキャピタルの2割は再生可能エネルギー関連に投資されているが、今後、(ベンチャーキャピタルがあまり得意としない)プロジェクトファイナンス的な資金も必要となってくる。
•中国が石炭の輸入を始めたが、米国も将来輸入することになる。このような背景もあって、石炭価格は上昇し続けている。石炭の効果的な利用方法についても改善の余地が必要。
【欧州の再生可能エネルギー政策】14:00-16:10
1.EU(欧州委員会研究総局新/再生可能エネルギー源担当課長 ブルーノ・シュミッツ氏)
•EUでは、SET Plan(Strategic Energy Technology
Plan)に基づき、二酸化炭素排出削減に関する技術的なロードマップが示されている。発電技術では、海上風力、太陽光、バイオ、CCSなどが有力とされている。また、これに伴い、電力系統の強化も必要であるとされている。
•CCSについては、コストも高く、安全性についても研究段階。パブリック・アクセプタンスの問題も残っており、前途多難。海上風力については、まだまだR&Dの余地がある。
2.英国(英国貿易投資総省再生可能エネルギー部門セクター・チャンピオン アダム・ブラウン氏)
•英国の再生可能エネルギーは、現在、発電電力量の1.4%程度。2020年までにこれを15%に増やすという「かなり困難な」目標を立てている。目下、再生可能エネルギーによる発電義務量を設定することなどにより、目標達成を目指している。
•発電については、風力が有力。英国をとりまく海域では、風力発電に適したところがあるため、2010年までに発電電力量の4%を海上風力でまかなう計画。
•海上風力の開発には、風力発電開発事業者や、電力会社、発電事業者、天然ガス採掘会社などの出資を受けることになる。ただし、ステークホルダー(海域を管理するCrown
Estates、漁業、海運、電力会社、資源採掘者等)の調整には時間がかかる。
•2016年までに、カーボンニュートラルな住宅の建設を目指す。具体的には、断熱効率を上げ、省エネ家電とバイオマスなどを利用したオンサイト発電を導入し、カーボンニュートラルを実現する。すでにデモタイプの住宅は開発済み。
•再生可能エネルギーを増やすことで、電気代は10~13%、ガス代は18~37%上昇する見込み。英国国民はこれまでに、原油高騰などにともなって物価上昇に慣らされてしまっており、この程度の値上がりは許容されると思われる。
参考資料:
欧州委員会ブルーノ・シュミッツ氏および英国貿易投資総省アダム・ブラウン氏のプレゼンテーション(pdfファイル

  by yoshinoriueda | 2008-08-04 22:32 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

情報クリップ:第4回近畿地域エネルギー・温暖化対策推進会議

第4回近畿地域エネルギー・温暖化対策推進会議

  by yoshinoriueda | 2008-08-04 11:12 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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