2012年 02月 27日 ( 1 )

 

欧州の排出権価格『崩壊』(英ケンブリッジ大名誉教授)

数ユーロ程度になってしまった欧州の域内排出量取引制度における排出権価格。英国ケンブリッジ大学名誉教授であるデビッド・ニューベリー氏の評価は『崩壊』。電気新聞の2012.2.27の記事によると、
市場原理を追求してきた欧州の低炭素戦略が岐路にさしかかっていることを解説...ニューベリー教授は、二酸化炭素(CO2)に価格付けする手段としての欧州排出権取引制度(EU-ETS)が割高な低炭素電源に投資する事業者にとっては「貧弱な指標」と指摘。低炭素電源への投資を促す役割を果たせなくなっていることを明らかにした。
とのこと。ちょうど、ロンドンに出張してた人が帰国して、排出権に対する見方が話題に上ったという話をしていたのだが、その人も、
ようやく欧州の企業も排出権取引制度はあまり効果がなかったということを認めはじめているようだ
という感想を漏らしていた。

そんな中、日本は、原子力発電所を止め続け、それでもなんとかまだ電気の供給は続けられているという状態になっている。原子力を代替するエネルギーは天然ガスや石油、石炭であるが、これらはみなCO2を大量に出している。残念ながら、太陽光や風力などは、お日さま任せ&風任せなので、ほとんど電源としての貢献がない。

そして、京都議定書第一約束期間の最初の3年間(2008年から2010年)までのポケット1.8億トン程度は、2011年度のこの状況からほとんど使い尽くしてしまうことになるのではないだろうか。2012年度も原子力が順次再稼働しないとなれば...

まず、CO2の前に、電気が絶対的に足りなくなるので、計画and/or無計画停電が発生し、電気の需要は落ちるだろうし、それによって、生命の危機にさらされる場面も多々出てくるだろう。信号が動かないとか、病院が非常用電源に切り替わるとか...

そして、CO2はどうなるのかといえば、まあ、6%の削減目標は達成できるかもしれないし、できないかもしれない。それで幸せなのは、環境派や環境省などといったところだろうか?外務省もそうなのだろうか?さすがに経済産業省は、自分のところで止めてきた原子力という切り札を封印したまま原子力規制庁かなにかに渡すわけだから、もはや何も言えなくなってしまうか?!それとも、電力会社に、「排出権を買ってこい!」という行政指導でも出すか?あるいは財務省あたりが、炭素税という形で炭素価格を定めて、民主党が掲げる増税路線に便乗するか?ま、排出権取引制度も税金みたいなものだけれど...

迷惑を被るのは、増税されてしまう企業や一般消費者。不便を強いられる国民。得するのは、金融機関や、規制権益を確保する省庁、環境という看板を掲げる環境派といったところだろうか。

「戦いに備えよ。そして自分の身は自分で守れ。」アドバイスできるとすれば、それくらいしかないか。さ〜て、どうなることやら... 

  by yoshinoriueda | 2012-02-27 23:49 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

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