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カテゴリ:スタンフォード・MBA・MOT( 2 )

 

どの特許が儲かるかを見分けるのは難しい

スタンフォード大学が、Googleの株を売却して$336Mを得ているとのこと。最近はロイヤルティーだけでなく、株式と交換に特許の使用を求めるケースも多いようで、2004年には51.9%のベンチャーがそのような形態を選択しているようである。(参考:asahi.com:スタンフォード大学、グーグル株売却で利益[原文:Stanford earns $336 million from Google stock(MercuryNews)])

それにしても、特許を使わせる権利と引き換えに得た株でこんなに多くのお金を得ることができるなんて、全国の大学関係者や企業にとっては、羨ましい限りであろう。ただ、どの特許がこのように化けるかは、スタンフォード大学でさえ、「見極め困難」とのこと。これについては、技術移転を進めるOTLのサイトには、以下のような記述が見られる。
First, and perhaps most important, since university inventions are generally far ahead of the state-of-the-art of industrial practice and commerce, it is difficult to make meaningful value judgments so early in the game. By concentrating only on the easily perceived winners, we would invariably make some critical mistakes. The original patent and license for FM Sounds provides the perfect example. For four years, between 1971 and 1975, we tried to interest U.S. companies in Professor John Chowning's invention - an algorithm that would eventually revolutionize the electronic music industry by creating a new kind of music synthesizer. Finally, an engineer from Yamaha understood the potential of this invention, and the company was granted an exclusive license to manufacture a synthesizer based on the algorithm. Even so, Professor Chowning spent another seven years collaborating with Yamaha to develop the invention before it could be marketed. No one would deny that this was time well spent, however, for FM Sounds carries the distinction of being the second most lucrative invention ever licensed by OTL.
(注:下線はyoshinoriuedaによる)source:OTL website
スタンフォード大学で開発されたFM音源合成の技術については、ヤマハの先見性が素晴らしいというのではなく、儲かるかどうかを見分けることに「失敗」した例として紹介されているというところが面白い。

ちなみに、失敗といえば、参考になるのが「失敗知識データベース」。社会に大きなインパクトを与えた事故や事件がまとめられている。内容は専門的な知識がないと分かりにくいところがあるが、ビジネスに携わる人にとっては、参考になることも多いと思う。そのうち、きっと、今話題の「耐震強度偽造事件」も取り上げられることだろう。

いずれにせよ、どの特許が儲かるかを見分けるのは難しいということであろう。技術者の経験の範囲だけでは、ユーザーやマーケットのニーズまでは把握できないし、一企業の研究だけでは、革新的な技術を生み出し続けるのは難しい。両者が補完しあって初めて、技術は製品やサービスになり、市場に出て行くのだから、企業はN-I-H(Not-Invented-Here)精神に囚われず、また、開発者は技術を“My Child”として囲い込みたくなる考え方から自由になるべきであろう。どちらも全く捨てろというわけではない。ただ、バランスをとることが大切であろう。シリコンバレーというところは、そのバランスがとれているところなのかもしれない。
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  by yoshinoriueda | 2005-12-07 12:40 | スタンフォード・MBA・MOT | Trackback | Comments(0)

MBAコースで得るべきスキルは「コミュニケーション」の手段

MBAの志願者が減少しているという報道があったけれど、それとは裏腹に、トップスクールの人気は衰えることがないというのが実態ではないだろうか?特徴のあるビジネススクール以外は、いい就職も難しいのかもしれない。そんなMBAに関する話題を聞いてふと考えたのは、「MBAのコースで学ぶべきことは何なのか?」ということ。

経営というのは、人間が介在する。財務や法律、マーケティングなどさまざまな専門分野があるが、経営というのは、それらを全て統合して、社会に対して価値を提供していくもので、そこには必ず人間が介在する。ということは、「人間」というのが、学ぶべきことなのかもしれない。そして、もう一段、スキルという点で具体的に言うならば、人間同士の間でのやりとり、すなわち「コミュニケーション」を学ぶということなのかもしれない。

コミュニケーションの「手段」として、例えば、経営に関する数字やキーワードが理解できていなければならない。このような「手段」を自分のものとして使えるようになることで、相手とのコミュニケーションの土俵に、気後れすることなくすぐに上がっていくことができる。話題に上がりそうな事柄に対して目の付け所のようなものを自分の中で持っていれば、例えば、「価値評価」という話題になったときに、「DCF」という手法が出てきたとしたら、キャッシュフローに恣意性がどの程度含まれているのかとか、割引率をどのように設定するのかとか、そんなポイントをおさえていくことができるだろう。

忘れてはならないのは、そのような数字というのは、あるモデルが存在することによって導き出されていることであり、そのモデルには条件節、前提条件のようなものが常に存在するということである。それは、実践の中では、修正しなければならない場面が多いだろう。

MBAのコースでトレーニングを積むことによって得られるスキルのようなものは、全て「コミュニケーション」の手段にしかすぎないのかもしれない。そんな視点を持っていれば、「行き過ぎた計数管理」や「現実とかけ離れた理想論」を振り回すことはなくなるのかもしれない。9月に入って、ぼちぼちと、何人かの知り合いが、そろそろMBAコースでの授業を受け始めるんだなぁと思い、ふと、そんなことを考えた。

ガンバっ!
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  by yoshinoriueda | 2005-09-03 18:35 | スタンフォード・MBA・MOT | Trackback | Comments(1)

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