2012.5.22の日経新聞の「やさしい経済学」というコラムでは、「イノベーションの源」と題し、シュンペーターの考え方が紹介されている。「シュンペーター仮説」では
イノベーションにとって、市場を支配する大企業のほうが適している
という。しかし、その仮説を検証していく中で、イノベーションが規模に比例して数多く生まれるわけではないことが示されつつある。そして、現在のところ、
イノベーションの決定要因として次の3つが重視されている。イノベーションに成功した場合、それがもたらす社会的な利益のうち、どの程度を当事者が確保できると言う見通しがあるかという「専有可能性」、大学など外部からどの程度豊富に関連した知識がもたらされるかという「技術機会」、そして新製品、新製法に対する需要の規模である。
ということになっているらしい。
この専有可能性を確保するための方法として、知的財産権があり、これが独占とともに合法的に利益を確保する源泉となっているところがある。最近では、知的財産権問題は複雑化しており、単にプロパテント一辺倒で済むようなものでもなくなっているところがあり、ソフトIPという考え方も生まれつつある。ただ、知的財産権を保有していればよいというほどビジネスは甘くはない。他社の追随を許さない仕組みを通じた強みが必要となっている。
イノベーションの決定要因の2つ目として挙げられている「技術機会」は、まさに、裾野産業が広い日本にとっては強みとなるであろうところ。いかにうまく掘り起こすかは、3つ目の要因として挙げられている「需要」と関連する。
「需要」については、引き出せた者が勝ちという世界。アップルなどはまさにそれで成功しているといえるだろう。日本も、世の中にモノがなかった時代には、欲望に駆られるようにして需要が生まれてきていたが、今はモノも情報も溢れており、需要がきちんと捉えられないと、企業は生き延びることさえ難しい。
このように見ていくと、日本はもうダメだと諦める必要もない。逆に、もしかしたら宝の山なのかもしれない。そして、それを欧米中露など各国が必死になって狙ってくるかもしれない。まだまだ日本はいけるんじゃないか...とふと感じた週末の午後だった。