カテゴリ:VC・VB・イノベーション・mgt( 79 )

 

"大企業とベンチャーで明暗を分けるのはスピード"(by 伊佐山元氏)

2016.4.4の日経産業新聞に、「SONY転生」という記事があり、伊佐山元氏のコメントが掲載されていた。
-イノベーションの促進には何が必要ですか。

「意思決定できる人材を増やすべきだ。大企業とベンチャーで明暗を分けるのは、資本力でも技術力でもない。スピードだ。イノベーションを興そうとしていたら、いつのまにか上司説得に変わっている。意思決定を即決し、失敗には寛容であるべきだ。チャレンジすること自体を評価軸に捉えるのも手だろう」
きっと、この意味を頭で理解できる人は多いと思う。しかし、実際は、スピード感のある意思決定はできていないというのが実態であることも多々ある。

現在も多くの大企業の人たちと接するが、数が多くなれば、方向性を見い出していくだけでも時間がかかるのは、実態としてある。まさに皮膚感覚で分かるくらいそのことを体験し、身に染みている日々。こんなんじゃぁイノベーションなんてありえない。ま、イノベーションを興すために議論しているわけではないけれど、にしても切迫感がないというか、なんというか。

記事を読んでいて、久しぶりにシリコンバレー時代の人たちに会って話をしてみたくなった。



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  by yoshinoriueda | 2016-04-04 12:19 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

これってスゴくなぃ?!:エボラ出血熱の抗体、ダチョウの卵で大量精製 京都府立大教授グループ

「エボラ出血熱の抗体、ダチョウの卵で大量精製 京都府立大教授グループ」って記事によると、
 西アフリカを中心に流行し、世界的な感染拡大が懸念されているエボラ出血熱のウイルスを不活化する抗体をダチョウの卵から大量精製することに、京都府立大大学院の塚本康浩教授(動物衛生学)のグループが成功した。12月中旬には、この抗体を使用したスプレー剤が海外の空港で販売される予定という。

 ダチョウは傷の治りがきわめて早いとされる。その免疫力に着目した塚本教授は抗体を作る能力も高いことをつきとめ、卵から大量の抗体を取り出す技術を開発。平成20年に新型インフルエンザが流行した際に販売された抗体入りマスクが注目を浴びた。

 今回、塚本教授らは、カイコの細胞で作製したエボラウイルスの表面タンパク(リコンビナントタンパク)を抗原としてダチョウに投与。体内で生成された抗体をダチョウが産んだ卵の卵黄部分から取り出し精製した。エボラの表面タンパクは、ウイルスが人の細胞に取り付くことを可能にしており、塚本教授は「今回の抗体がヒトの細胞に浸入しようとするウイルスの鍵をブロックすることにより、感染を防ぐことができる」と話す。

 抗体のスプレー剤は、マスクや防護服、ドアノブや手などに噴霧して使用する。「抗体は治療にも応用できるが、まずは感染を防ぐことを第一とし、医療従事者や拠点空港での使用を考えた」(塚本教授)。シンガポールや香港の空港で12月中旬に使用開始を予定している。
ってことなんだけど、コレって凄くなぃ?!

でも、なんで他の国でなくて、日本で、しかも、京都府立大で、なんだろ?
 

  by yoshinoriueda | 2014-11-22 09:54 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

研究開発に税金が投入されていた東大発ベンチャーSCHAFTのグーグルによる買収に対する経産省の反応

グーグル・東大連合の波紋 税金投じた技術、海外流出」によると、
 「なんで海外なの」。1月、経済産業省幹部が1件の企業買収に声を荒らげた。米グーグルによる東大発ベンチャー、SCHAFT(シャフト)の買収だ。同社は昨年12月に米国防総省が開いたロボット技術の競技会で首位になり、日本発の高い技術を見せつけた。

 幹部が憤るのは、SCHAFTの人型ロボットの核となる特許に国の予算が投じられているから。特許の一つは、もとは経産省傘下の産業技術総合研究所での研究が生んだものだ。経産省は金額を明らかにしないが、同社の技術に税金が入っていることは認める。

 関係者によると、SCHAFTは日本企業にも支援を打診したが、断られたという。経産省所管の官民ファンド、産業革新機構も打診を拒んだという。

 「せっかく日本で生まれた技術をなぜ国内で育てられないんだ」。経産省幹部には、グーグルによる買収が「研究は一流、事業化は二流」という日本のベンチャー育成の縮図に見える。

 経産省は6月に改定する成長戦略の目玉に、日本の大企業によるベンチャー企業のM&A(合併・買収)拡大を据える方針だ。グーグルの買収は、具体策を練ろうという矢先に起きた。身内もからむ不都合な買収劇に、経産省関係者は動揺を隠せないでいる。(高橋元気)
METIの気持ちも分からんではないが、事業をやっているほうからすれば、カネが回らなければやってられない。「買収する側でビジネスモデルが描けないと、買収もできない。」ということだと思うが、SCHAFTにすれば、背に腹は代えられないだろう。

  by yoshinoriueda | 2014-02-14 09:17 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

会計を使って『過程』を知り「やり遂げるという強い意志」で幸せになる(『会計天国』竹内謙礼・青木寿幸)

a0004752_11232234.jpg移動の合間に『会計天国』(竹内謙礼、青木寿幸)読了。タイトルのとおり会計がストーリーの中心に据えられているが、物語としても面白い。

主人公の北条健一は52歳。会計士の資格も持っている経営コンサルタント。10年前に妻に先立たれ、男で一つで娘・恭子を育てたという設定。その恭子の結婚式を1ヵ月後に控えた夜、首都高速を運転中に事故死...したのだけれど、迎えにきた天使「K」が指定する5人を幸せにすれば、現世に復活できるという。5人は、主人公・北条の人生の中でなんらかの接点があるという。制限時間は一人1時間以内...

元アイドルの経営者に、貸借対照表の見方やカネを出す側の心理を教え、ガンダムやフィギュアが好きなオタク経営者に、損益分岐点分析や価格競争に陥るのは愚であることを教え、買収したライバル会社に出向させた経理担当者に、製造原価報告書やそこを読み解きながら粉飾を見つける方法を教え、ノルマの達成しか頭にない営業部長に、部署別決算書の意味を教え、4人は幸せになった。

5人目は、娘と婚約中の青年実業家。セグメント別決算書から事業ごとにGo/No Goを判断すべきことを教える。この5人目のストーリーは曲者、というかネタバレになるので、それはやめておくとして^^; 主人公の北条が最後にいう台詞がおもしろい。
俺は神様じゃない。たった1時間の助言で、一人の人間の人生を『幸せ』になんてできないよ。彼らは、どうやったら良い方向に進めるのかという方法を知ったとき、自分でそれを実行しようとする意志を持った。その跡は、彼らが一生懸命、努力したからこそ、本当に将来の結果を変えることができるんだ...

決算書は会社の『結果』だけを表しているって勘違いしている奴が多いんだ。でも、決算書を分析したり内容を組み替えたりすると、実は、そうなった『過程』も分かるもんなんだ。そして、その『過程』で、意思決定が間違っていた部分を探し出して、これからの『過程』を変えてやれば、会社の将来の決算書、つまり『結果』を変えることができるだ...

将来の『過程』を変える方法もサービスで教えてあげた...ただ、それを実行して、本当に結果を出すためには、本人の“やり遂げる”という強い意志が必要...
会計の知識に触れることもでき、前を向いて生きていこうという意志に触れることができ、ストーリー仕立てでなかなか面白いものだった。

  by yoshinoriueda | 2013-01-26 23:59 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

B2CビジネスはAKB48と大差ない?!冨山和彦氏が斬る!

ソニーをダメにした、「派手な成功」狙い【短期集中連載】冨山和彦氏に聞く(第2回)」にまたまた面白いことが書いてあったので、メモ。
結局のところ、持続的な競争力がある事業体を作った人が一流なのであって、いかに稼げるかということに尽きる。...

そもそも何が一流で、何が二流かというのは、典型的な開発経済の発想。開発経済段階では、鉄が国家をけん引するというのは正しい。だから、鉄に一流の人材がいくべき。その次に重工業になって、その次に組み立て産業になる。その順番で立ち上がらないと産業基盤が立ち上がらないのだから、開発経済の段階では序列があってもいい。

成熟経済になった途端、産業界の序列はナンセンスになる。...

旧電電ファミリーは技術ベースで成功したが、技術ベースで成功し続けられるほどビジネスは甘くない。やっぱりB2B型で出来上がった会社がB2Cで成功するのは非常にハードルが高い。

まさかパソコンや携帯端末がここまで官能性商材になるとは思わなかった。それはインターネットのなせる業なんだ。インターネットが出てくるまでは、パソコンも携帯端末もやはり機能材だった。それが完全に官能財になった。だから、スティーブ・ジョブズは復活できた。...

B2CビジネスはAKB48と大差ない

...B2Cはパワーゲームになってしまう。プラス、お客様の感性に振り回されるので、ボラティリティが高い。流行り廃り商売だから、極端に言ってAKB48と大差ない商売です。...

一方で、B2Bというのは機能を売っていくビジネス。B2Bの買い手は経済的な動物。最終的には機能と機能を経済価値に換算して製品やサービスを買う。そうすると感性に振り回されるリスクはまずない。かつ、B2Bの世界はスイッチングコストが高い。ベンダーを換えることに対するバリアを作れる。GEの飛行機用エンジンなんてスイッチングコストがまさに優位性...

電力のビジネスでも同じことがいえる。本当に日本のグリッド技術が世界一なら、世界で売ることを考えるべきだ。グリッドは世界一だから発送電分離は嫌だとか言っているのではなく、もし本当に世界一だったらそれを買う人はいるはず。経済価値があるということだから。...

経営改革のカギ一つが経営者であり、経営者の人の使い方ともいえる。経営者を支える一つ下のレイヤーの人材をどう使うかがカギとなる。

日本の場合、圧倒的な専制君主になれるのは創業者だけだ。創業者ではない人が中興の祖になるにはミドル層に軍団を作らないといけない。そうしないと日本の会社は回らないから。トップダウンでビジョナリーであることに加えて、中堅層を上手に使うことができるリーダーが必要だ。

トップダウンとボトムアップの二つの力を働かせないと日本の組織は動かない。上からだけ歯車を押そうとすると、下から抵抗する力が働く。...

大きく会社の形や組織の有り様を変えていくときには、意思決定=ディシジョンだけではできない。実行する段階が重要になる。

日本の現場は、現場にとって愉快なことを実行するときはおそらく世界最強だろう。これは震災後の復旧を見ればよくわかる。問題は、企業の構造改革は現場に不愉快なことをやってもらう必要がある。それはやはり簡単にはいかない。...

  by yoshinoriueda | 2012-12-16 08:41 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

IBMもGEもイノベーションを諦めた?!冨山和彦氏が斬る!

シャープの失敗が映すニッポン電機の急所【短期集中連載】冨山和彦氏に聞く(第1回)」という記事に面白いことが書いてあったのでメモ。
投資の規模で勝負が決まるパワーゲームが始まる。そこでは、適切なタイミングで集中的に巨大な投資を……つまりは大バクチを打てる者が勝つ。このゲームでは、賃金や税金や部材が最も安い場所でつくるのが正しい。...大バクチを打つために必要な条件はもう一つ、ワンマン経営であることだ。

パワーゲームに陥りやすいデジタルな世界、ITビジネスで勝つには、不連続なイノベーションを起こす力が必要だ。...

IBMやGEは「あきらめた」

不連続なイノベーションをあきらめ、単純なパワーゲームも捨てた。コンピュータや半導体をやめて、残したのが重電と白モノだった。熱力学でメカトロ、摺り合わせが多いビジネスしか残さなかった。...

嫌な言い方だが、いつでも切れる変動費で戦わないといけない...

全体の構成比率は小さいが、そこでトラブったら致命的になるデバイスやコンポーネントがいちばん儲かる。今の時代は「スモール・バット・グローバル」が強い。小さいけれど世界を独占できる部品を100個持っている会社のほうが、メジャーな部材を1個持っている会社より、相対的に安定的で高収益。村田製作所や日本電産、京セラがその見本だ。

すり合わせ信仰の罠

日本の製造業はすり合わせ信仰が強すぎる。すり合わせることはいい。だが、なんでもかんでも真面目にすり合わせればいいわけではない。すり合わせが向いている領域とそうでない領域がある。ハイエンド製品を作っている工場は匠の心ですり合わせを続ければいい。しかし、世界中で同じことをやろうとしたり、すべての商品でそれをやろうとするのは無理がある。

世界中ですり合わせをやろうとしても、工場の立ち上げに時間がかかりすぎる。モノが一定以上安くならない。安く作るには、がんばってすり合わせるよりは、ありものの部品でどこまで作り込めるかを設計段階で考えなければいけない。多くの日本メーカーは、これまではすり合わせでいいものを作ることに命かけてやってきた。が、できるだけ標準品、汎用品で組み立てて、本当に差別化する部分だけを特注品や特注マイコンでやるようにすべきだ。...

最終的にはエンドユーザー、消費者がバリューを決めている。顧客と関係ないところで自己満足的にすり合わせにこだわっても、ある種、マスターベーションになってしまう。

国内の最先端のマザー工場はすり合わせにこだわってもいい。暗黙知をどんどん追いかければいい。非常に高度な匠の技を極められるのは、日本の会社の強みであり、日本の特権でもある。そういうことができる国は、日本とヨーロッパの一部しかない。

いつまでも暗黙知でとどめない

暗黙知で技術をどんどん高度化したら、ある段階で出来上がっているものに関してはいったん時間を止めて、形式知化して横に広げるべきだ。横に展開するというのは、ほかの商品に展開する、量産品に展開する、世界中の工場に展開するという意味。ずっと暗黙知で匠型の究極を追及している限り標準化はできないので、いったん時間を止めて標準化に進む。そうした標準化に力を入れていないのが日本企業の間違い。

経営者がすり合わせ信仰からの脱却をしようとしても、社内的に抵抗に合う。今までずっと暗黙知でやってきた人からすると、標準化努力をして横軸に展開していくのは、一流ではないみたいになってしまう。ナイスじゃない。道を究めてオリンピック目指すことがナイスで、スポーツの普及運動なんかは金メダルレースに落ちた人間がやるんだみたいな。でも、今、お金になるのは普及運動だ。

ただし、暗黙知化は進化していく世界だから、これはこれでやっていかないといけない。標準化した技術はだんだんパワーゲームなって、最後はコスト勝負になる。すぐに陳腐化する。だから、陳腐化する前に、また上の段階で標準化して横展開しないといけない。

そうした改革を行うのは、会社のOSを入れ替える必要がある。個人や組織の行動様式やパターン、価値観など根本的な転換を迫られる。それはやはり大変。従来のOSに合わせて人事評価もされてきているし、フォーマルな人事評価だけでなく、誰をすごいと思うかといった価値観も醸成されている。それを切り替えるのはある種コペルニクス的な転換を伴う。...

大きな軋轢を伴うので、いろんな悲劇も起きる。光と影ができる。士族階級が全員失業みたいなことが起きちゃう。それはやはり平時にはできない。太平洋戦争の敗戦のように全部のシステムが壊れたときでないと難しい。

倒産危機のような危機バネが効いているときに、英明な君主が出てきてガーッと改革をやってしまわないと平時ではできない。...
ということは
「単なる」イノベーションじゃダメ
ってことか。

a0004752_737454.jpgやっぱり「リバース・イノベーション」?


参考:リバース・イノベーションを習得したいなら、日本の過去の成功体験を忘れることです 独占インタビュー ― ビジャイ・ゴビンダラジャン

  by yoshinoriueda | 2012-12-16 07:38 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

ピージグソーパズルのような発想による戦略って...

とある事業の進め方について相談を受けた。どうやら、自分たちには無限にリソース(資源)があって、時間も十分にあるという前提で考えている模様...

まるですべてのピースが一気に埋まらないと絵が完成しないようなジグソーパズルのような発想... どこかが欠けると、ガラガラと崩れ落ちる。

これでは戦略も戦術も何もあったもんじゃない。いままでいかに競争という文化に馴染んで来なかったかということか。

だから、そんな時間とカネ、どこにあるんですかっ?


と思わず言ってしまって、相手に、

ドウ、ドウヾ(^ー^;)


となだめられる始末...^^;;

相談相手もそれには気付いていて、その上司たちが気付いていないので困っているという構図も見えてきた。

残念ながら、このままでは行き詰まる。座して死を待つのか、それとも...

  by yoshinoriueda | 2012-11-20 22:03 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

人生での出来事が凝縮されている「成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語」(神田昌典)

a0004752_8194871.jpg「成功者の告白  5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語」(神田昌典)は、タイトルに「成功」とか、サブタイトルに「起業」といった言葉が入っているから、「自分には関係ないや」と思うビジネスパーソンが多いかもしれないが、内容は「ビジネスと家庭のバランス」をいかにとるかというところもあり、実は、多くの人に参考になる話が込められている。

著者も「ビジネスと家庭とのバランスをとりながら、いかに会社をスムーズに成長させるか」が本書で伝えたかったことだと言っているが、ビジネスに関連する人だけでなく今を生きる多くの人に読んでもらいたいと思う内容である。

何が「成功」なのかは人によってさまざまであるが、
成功に向かって走る人は、多くの人の犠牲と献身によって支えられている
ということに気付くこと、心底理解することがいかに大切かを問うているともいえる。

実際に起業したわけでもするわけでもなくとも、思い返せば、日々がむしゃらに頑張る中で、私自身、本書の内容のある部分にとても良く似た経験をしたことがあるので、余計によく分かる。もし、本書のタイトルだけ見て、先入観だけで拒否してしまうとすれば、とてももったいない内容であるとも言えるだろう。

***

さて、ストーリーは、青島タクというサラリーマンが起業して、「神崎」という人物のアドバイスにより、会社とともに成長していくというもの。
起業して成功するためには、何が鍵なんですか?
と問う青島タクに対して、
タイミングだよ。ビジネスで成功するためには、第一にタイミング、第二にタイミング、第三にタイミングだ。つまり、いつ市場に参入するかが鍵なんだ。参入タイミングさえ間違えなければ、順調に会社は立ち上がる。一度立ち上がってしまえば、あとはエスカレーターに載せられたように、自動的に売上があがっていく。
というアドバイスは、大企業のようにリソース(経営資源)が豊富な状況ではないベンチャーなどに特に有益なものである。また、
たいていの人は、好きなことをやるべきか、それとも儲かることをやるべきか、その間で揺れて、結局、何もできない。しかし儲かる仕組みと、誇りを持てる仕事というのは両立できる。情熱を傾けられる仕事をやるのは当たり前。そのうえで、ビジネスの仕組みをつくるんだ。その両輪をまわす必要がある。だから儲けることに真剣な経営者は、商品づくりにも真剣。自分の売っている商品を心から愛している。そして、その商品を世に広げていくビジネスを心から楽しんでいる。
というよくある疑問への回答も述べられている。さらに、
未来を予測するには、未来をつくりだすのがいちばん手っ取り早い
という言葉は、起業家が良く口にするもの。
収入はシンプルな法則で決まる。どれだけ多くの顧客に役立てるかだ。サラリーマンは、ひとりの上司にしか役に立てない。だから年収には限度がある。多数の人に役立てるシステムをつくりあげる起業家の収入は、青天井になる。自分の肉体、物理的時間を越えて、役に立てるようになるからね
といった考え方も参考になるかもしれない。

最近の日本の状況を描いている部分として、青島タクと神崎の対話も参考になるかもしれない。
神崎「全員が不倫するわけじゃないよ。ただわかりやすい議論のために一般化すると、社内の地位があがって責任が重くなると、精神的にも辛くなるため、そうしたケースがよく見られるよね...

それだけだったら、まだ痴話話だからいいけどね、現実に起こっていることはもっと悲惨だ。夫が会社でストレスを感じれば、妻にあたる。妻は子供にあたる。酷い場合には、気づかないうちに妻による子供の虐待にまで発展する。虐待するなんて想像すらできない、極めて知的レベルの高い女性たちが、無意識に虐待してしまうんだよ

タク「ということは、学校でのいじめも、母親の怒りが学校内で再現されているんですね?

神崎「そうなんだ。怒りというのは伝染する。怒りのキャッチボールを社会全体で行っているのが、現代という時代だ

タク「その怒りの原点が、経営者なんですね

神崎「そうだよ。だからこそ経営者には、しっかりとした家族観や哲学が必要になるんだ。
最近の反原子力の運動については、次のような一言が参考になるかもしれない。
知識がなければ、我々は感情の奴隷になり、パターンにはまりこむ
a0004752_8431736.jpg単なる成功マニュアルでもない。ノウハウ本でもない。読み込めばいろいろな示唆を与えてくれる一冊となっている。

最近は、単行本も出ている模様。物語仕立てで書かれているので、サラッと一気に読めてしまうところも手軽でいい。一度は手に取ってみても損はない一冊だと感じた。

<参考>
著者のサイトでの紹介(本書のプロローグを読むことができる!)
・ミュージカル“With You” 神田昌典の「成功者の告白」~舞台制作からビジネスを語る~(これを見たらちょっとあやしげに感じるかもしれないけれど^^;)

 

  by yoshinoriueda | 2012-08-26 09:03 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback(2) | Comments(2)

「創造性に対する投資は死屍累々で何も成果に結びつかない」(財務省)

日経新聞の2011.9.16の「人間発見」は「宇宙大航海時代を開く」と題して、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川口淳一郎教授の話が掲載されている。「技術的に打てる手は打つ。その先は神の領域」「独創性育てる政策ないと国の未来はありえず」という見出しがあったが、財務省の人からの質問で、次のようなものが投げかけられたという。

独創性に対する投資は死屍累々で、何も成果に結びつかない。どうしたらいいんですか


事業仕分けも同じような思想が背後にあったが、小賢しい小役人が考えそうなことだなぁ...と呆れてしまう。

円高の煽りをくらって、ものづくりは、どんどんと海外に流出している。それはそれで仕方がないのかもしれないが、それを支える人材がいなくなったとき、本当の危機が訪れる。

国のあり方を示すのは、役人には無理。政治も期待薄。となると、八方塞りでまさにどうしたらいいのか分からなくなりそう...^^;;

とにかく、へこたれずに最後までがんばる。そのうちにきっと希望は見えてくる。そう信じるしかないか。

  by yoshinoriueda | 2011-09-17 22:04 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

Facebookとは何なのか?

Facebookを使いはじめてしばらくになるが、旧交を温めるような使い方以外にあまり楽しさを感じない。一方で、中高生は夢中になって使っている人もいる。大学生・大学院生はどちらかというとtwitterを使っている人が多いという印象。

仕事ではgoogleで検索することも多いが、社内からは、DropboxやYouTube、ニコ動、Ustream、twitpic、flickr!、フォト蔵などにアクセスできないので、情報的にはかなり制限された状態で、社外の情報を必要とする業務を遂行して行く上では、もはや会社から提供される情報インフラに頼れないような状況になってきている。

それにしても、Facebookにはどんな楽しさがあるのかよく分からないので、サービスを作ったマーク・ザッカーバーグの考え方をたどるべく、「フェイスブック - 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」を手に取った。グーグルとの違いは、
グーグル...は、ユーザーが欲しいと既に決めているものを探す手助けをする。これに対してフェイスブックは、ユーザーは何が欲しいかを決める手助けをする。(pp.379)
と書かれているが、個人的にはFacebookでは何が欲しいかを決めることはできない(^^;;学生であれば、同級生の考えていることを知りたいという欲求が強いだろうから、Facebookで「何が欲しいか」に関するきっかけは得られるかもしれないが...

マーク・ザッカーバーグはFacebook(フェイスブック)を公益事業と捉えているが、それは、
(マーク・ザッカーバーグがザ・フェイスブックを公益事業だと宣言したことについて)「われわれは新しいコミュニケーション・メディアをつくろうとしていた。われわれが『クール』な、何か特別な存在と思われているようではまだまだなんだ。人々の生活の不可欠な一部になって、我々の存在が注意を引かないようにならなければ成功したとは言えない」(pp.210, ショーン・パーカー)
ということらしい。ちなみに、ショーン・パーカーとは、ナップスターの創立者でありフェイスブックの初代社長。Facebookは果たしてコミュニケーションのインフラになりえるのだろうか。

ただ、次のような考え方には共鳴できる。
「仕事上の友だちや同僚と、それ以外の知り合いとで異なるイメージを見せる時代は、もうすぐ終わる」...「2種類のアイデンティティーを持つことは、不誠実さの見本だ」...「現代社会の透明性は、ひとりがふたつのアイデンティティーを持つ事を許さない。」...ザッカーバーグもまた、同僚の主要グループと共にこう信じていた。自分が誰であるかを隠すことなく、どの友だちに対しても一貫性をもって行動すれば、健全な社会づくりに貢献できる。もっとオープンで透明な世界では、人々が社会的規範を尊重し、責任ある行動をするようになる。(pp.290, マーク・ザッカーバーグ)
これまで実名でブログやツィッター、mixi、フェイスブックなどを使ってきているが、その一つの利点を明確に示しているのは、次の一節か。
「相対的な自分自身」を見せることが不可欠かつ有意義である...その理由は、ビジネスや社会における変化のペースが加速しているから...「人間関係のより広いネットワークに参加して新しい知識を獲得しなければ、仕事はなくなる」...継続的な関係は信頼に基づくべきものであり、自分を半分しか見せなければ築くことは難しい(pp.295, ジョン・ヘーゲル:デトロイト・コンサルティングのリサーチャー&コンサルタント、59歳)
面白いと思うと同時に、そうだろうなぁと感じたのは、次の一節。
(ゲーリー・ハメルは、)歴史上彼が言うところの「人間の能力を集約し増強する」方法は基本的に2通りしかないと言う。官僚制と市場である。「そしてこの10年の間にネットワークという三番目の存在が現れた。それはわれわれが複雑な仕事を一緒に行う手助けをする、と同時に誰の声を聞かせるかを決めるエリートの権限を破壊する」(pp.434)
また、マネジメントやスタートアップ、ベンチャーの参考になることもいろいろと書かれている。
「企業のリーダーたるものは、頭の中に決断が枝分かれのツリーになって入っていなければならない。もしこれが起きればこっちへ行く。しかし別のことが起きれば、別のこの方向に行く、という具合にね。マークは本能的にそういうことができた」(pp.67, ショーン・パーカー)
「(エドゥアルド・サベリンは)こういうプロジェクトにおけるプロダクト・デザインとテクノロジーの重要性が根本的にわかっていなかった。彼は『ビジネス面』がこのビジネスの本質だと思っていた。サービス全体のデザイン、ユーザーインターフェース、プログラミングといったテクノロジー面は技術者を雇って地下室に入れておけば自然にできるくらいにしか考えていなかった。ところが、インターネット企業の場合、プログラミングとデザインがビジネスそのものなんだ。若いスタートアップ企業にとっては特にそうだ。そこで少しでも間違いを犯したら、広告などまったく売れなくなってしまう」(pp.80, ショーン・パーカー)
それにしても、シリコンバレーに滞在していたころ、パロアルトで、こんなに注目される企業が活動していたとは!

参考:「フェイスブック - 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」(マーク・ザッカーバーグ)

  by yoshinoriueda | 2011-03-27 10:34 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(2)

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