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「クリティカルチェーン」(エリヤフ・ゴールドラット)

10ヶ月ぶりの日本は、梅雨らしい天気であった。サンフランシスコでは、曇っていたもののさらっとした空気が冷たさを感じさせるくらいだったが、途中ロサンゼルスに降り立ったところ、少し湿度を感じた。そして、11時間ほど飛行機で過ごした後、関西国際空港に降り立った。

9/11のテロ以降、空港のセキュリティーチェックが厳重になっていることから、念のため、早めに空港に到着するようにしていたのだが、最初のフライトが国内線だったために、待ち時間が2時間以上できた。その間に、以前買っていた「クリティカルチェーン なぜ、プロジェクトは予定通りに進まないのか?」(エリヤフ・ゴールドラット著、ダイヤモンド社)を読むこととした。

「ザ・ゴール」「ザ・ゴール2 思考プロセス」「チェンジ・ザ・ルール!」と読みすすめてきた中で説明されてきたTOC[Theory of Constraint、制約条件の理論]の適用例を小説の形で楽しむことができた。

例えば、思考プロセスという問題解決手法では、What to change?(何を変えればよいか)、What to change to?(何に変えればよいか)、How to cause the change?(どうやって変えればよいか)といった一連のプロセスを系統的に考えるのだが、ストーリーの中では、思考プロセスを実行するためのツールとしての「現状問題構造ツリー」や「雲(対立解消図)」をどうやって使うかといったところも示されている。(なお、そのほかのツールとして、未来問題構造ツリーや前提条件ツリー、移行ツリーといったものがある。)「ボトルネックを見つける、ボトルネックを徹底活用する、他のすべてをボトルネックに従属させる、ボトルネックの能力を高める、最初のステップに戻る」という5つの手順も何度も示されている。

この本を通じて、クリティカルパスだけでなく、クリティカルチェーンも考えなければいけないということを理解したが、以下、目に留まったフレーズを抜書きし、それに対する感想をつづってみたい。

■「頭のいい奴は自らの失敗から学ぶが、賢明な奴は他人の失敗から学ぶという。」

 じゃあ、愚かな奴は?愚かな奴は、誰からも何処からも学べないのかもしれない。

■「不確実性こそがプロジェクトの本質です。それがプロジェクトというものです。」

 不確実性=リスクとすれば、プロジェクトの管理は、リスクの管理なのかもしれない。考えてみれば、自分がやってきたことは、みんなこれに関係していることが多いと感じる。

■「・・・プロジェクトの目的はコストを減らすことではなく、お金を儲けることだということ・・・」

 往々にして忘れてしまうのだが、これを常に忘れないようにしなければならない。

■「プロジェクト・リーダーにとって、何がいちばん致命的かといえば、集中力を失うこと、優先順位を取り違えてしまうこと・・・」

 ベンチャーキャピタルでの仕事というのは、このプロジェクト・リーダーのようなところがあるような気がする。だからこそ、集中力が保てる状況にしておかなければならない。
 ちなみに、集中力といえば、ゴルフは集中力のスポーツだという人がいた。18ホール、コンスタントに集中し続けることが大切だと。たしかにそうかもしれないと感じた。

■「スループット・ワールドでは、輪と輪のつながりが重要です。変数は従属関係にあります。つまり、パレートの法則は適用することができないのです。」

 最大要因を改善することによって最大効果を引き出すのは良いが、効果が全体のスループットまで考えたものを目指さなければ、真の改善につながらない。部分的な最適化は、往々にして、全体の中では、累積するのではなく、累乗されてしまって、効果自体が薄まることがある。これを理解しておくことは、実は重要だと個人的には感じる。

■「ボトルネックを強化するには方法が二つある・・・ひとつは、・・・単純にキャパシティを追加する方法・・・もうひとつは、既存のキャパシティからアウトプットを最大限引き出す方法・・・」

 これは当たり前だが、意外と後者を見落とすことがある。

■「科学者のリアクションは・・・妥協をまったく許さない・・・この世の中にコンフリクトなど存在しないと考える・・・」

 なるほど、確かに、サイエンスでは前提条件がまずいと考えてしまって、コンフリクトが発生することを極端に恐れているのかもしれない。経営がサイエンスならば、これと同じ考え方になるのかもしれない。裏を返せば、経営がアートだという意見は、このようなところにも関係があるのかもしれない。

■「プロジェクトは製造と違って、作業は一回きり・・・プロジェクトには、仕掛り在庫はありません。プロジェクトでは、在庫の代わりに時間を基準に考えなければいけません。」

 時間ほど貴重な資源はない。有効に使いたいものだ。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-26 15:25 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

「茶髪」では中国に勝てぬ・・・

日経新聞の6/21付けにマハティール前マレーシア首相の発言が載っていた。要は、日本人は、日本の良さをしっかり認識することが大切だということだと思いますが、シリコンバレー、あるいは、米国にいて感じるのは、日本の文化や社会の良い点です。

米国では、1対1の関係が非常に強い。日本では、それだけでなく、組織対組織の感覚もあって、そこが一つの良さにつながっていくのかなと感じます。

そのためにはどうしたらいいのか?あこがれとなる例をつくるべきなのか、教育していくべきなのか、経済主導で考えるべきなのか、あるいは、それらを複合していくと良いのか。きっと、地と知に足をつけて一歩一歩進んでいくしかないのでしょう。

こちらに来て実感したことの一つを思い起こした一説でした。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-23 02:32 | いろいろ読んで考える! | Trackback(1) | Comments(0)

blogとsocial networkの将来

昨夜、Churchill Clubというシリコンバレーのネットワーキング団体で、 Blogging & Social Networking: Who Cares?というblogとsocial networkについてのパネルディスカッションがあった。

聴衆に挙手でbloggerとsocial networkerを問うと、ほぼ全員がsocial networkerであり、1割から2割がbloggerだった。私自身も、このblogを書きながら、orkutにもjoinしているものの、数字でしか理解していなかったが、この事実をみて、ベイエリアでのsocial networkの流行を実感した。

Amazon.comでの書評や、SalesForce.comも一種のsocial networkだとの意見もあった。また、プロフィール情報をマーケティングに応用できるといっただけでなく、リクルーティングにも応用できるとの意見もあった。また、政治活動にも応用され始めており、新しいメディアのインフラを予感させる。

どんなビジネスモデルにするかは、各社あるいは各人まだまちまちであるが、動向には注目しておくべきであろう。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-19 04:41 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(1)

ノキア失速?!

2004.6.16の日経産業新聞に、「携帯ノキア失速」という記事が出ていた。棒型の携帯にこだわり、利益を追求したことが原因で、T型フォードのたどった道に酷似しているとのことだが、つい秋のビジネススクールの授業では、ノキア No.1みたいな取り上げられ方をしていたことを思い出した。

ビジネスの移り変わりは速い。そんな中で、見失わなってはいけないものを見失わないようにしなければならないと感じさせられた。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-17 15:15 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

一人きりの"commencement"

佐野元春の歌に、「終わりは始まり~」というのがあったような気がします。「卒業式」というのは、commencementと言われますが、これは、始まりという意味です。勉強ばかりしてないで、生産的なことを始めなさいという意味なのか、あるいは、生涯教育の始まりという意味なのか、いずれにしても、終わりは始まりなのです。

今日は、私にとって、スタンフォード大学アジア太平洋研究所での最終日です。明日から、現地のベンチャーキャピタルで仕事が始まるからです。机の周りの整理などをして、ManagerのYumiに挨拶をして、近くにいたfellowの方々にも挨拶をして、...とバタバタとした一日でした。

というわけで、今日は、一人きりの"commencement"...

Encina Hallから見る青空ともお別れです。ちょっと寂しいけど、いろんな人に出会えて、本当に楽しかった。感謝、感謝!皆さんありがとうございました。明日から、また、少し違った世界を覗いてみたいと思います。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-17 15:11 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

渇望感を利用したマーケティングはベンチャー企業にも有効か?!

エステでおなじみのTBCの会員向け雑誌「Natsuko」を読む機会があったのだが、非常にクオリティが高い。お洒落な雰囲気の中で、おいしそうなものもたくさん紹介されており、旅情を誘う。この雑誌は、一般には販売されていない。まさに会員の特権である。

カネボウの子会社エキップが販売するRMKというブランドが人気という記事が2004.6.11付けの日経新聞国際版の1面「消費回復の足音(中)」に出ていた。「砂漠でオアシスを求めるようにどこで買えるかを探すくらいがいい」と渇望感を演出する菅社長の言葉が紹介されていた。

ベンチャー企業の場合にも、この渇望感を演出するマーケティングは成功するのだろうか?ニッチなマーケットならば、例えば、マニア向け、あるいは、特殊用途向けにならば、ある程度売れるかもしれないが、収益性まで確保できるかどうかは、商品とビジネスモデルが鍵を握っているような気がする。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-12 01:21 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

“博士的”な姿勢

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New York Timesの記事:“What's Google's Secret Weapon? An Army of Ph.D.'s”
に、以下のようなものを見つけた。

“The master's takes you where others have been; the doctorate, where no one has gone before.”

確かに、日本であっても修士課程で学んだことは、自分のトレーニングのためにしかなっていないような気がする。しかし、ドクターになると、自分で自分の道を切り開き、未知の分野に踏み入れていかなければならないということであろう。今、未知の分野への挑戦は、研究者だけでなく、いまやビジネスパーソンにも求められているのかもしれない。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-11 06:24 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

Roaster:"Secret Scholar"

スタンフォード大学アジア太平洋研究所でのVisiting Fellow Programを締めくくるお別れランチミーティングがあった。そこで、プログラムコーディネータのYumiが、自分の目を通して観察したFellowそれぞれの特徴を紹介した。

その中で、あるfellowの方が、“wingman”として紹介されていた。wingmanというのは、パイロットの後ろに座って、パイロットが操縦するのを助ける役割をするそうであるが、その方は、Yumiの行動をみて、ああしたほうがいいとか、こうしたほうがいいとか、Yumiの行動がスムースにいくようにいろいろと手伝いをしていたそうである。その方は、気が利くし、常にそういうポジションをとられているということを改めて再認識した。私は、その役割を演じろと言われれば、まあ、なんとかやってみるかもしれないが、無意識のうちにできるまでではない。

ちなみに、私は、「Secret Scholar」であると紹介された。Yumiいわく、「Yoshiは、物事を様々な視点から見て、考えを重ね続ける。ビジネスマンではあるけれど、心の中にはScholarがいる。」

ビジネスの世界にいて、学者のようだといわれれば、「現場を知らない口だけの人間」だということを暗に示していることになるのかもしれない。実際、私はそうなのかもしれない。しかし、Yumiの言葉は、私にとっては、最大の賛辞であった。なぜなら、私自身も、そのように感じていたし、そうありたいと願う部分もあるからである。

しかし、いずれにせよ、この6/17から現地のベンチャーキャピタルで仕事をするにあたって、「この先3~5年は没頭できるようなものを探そう」と思っている。教えるあるいは研究するということは、その間でも機会があればチャレンジしてみたいとおもうし、その後からでも遅くはないだろう。それに、没頭できたという経験が、さらに教える内容を深くすることにつながるに違いない。

自分の中にあるSecret Scholarを信じて、前に進みたい。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-06 03:11 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

役割としてのオーバーラップがない二人 

先日、SVJENのイベントで、ip infusionの吉川氏と石黒氏の講演を聞く機会があった。お二人とも、ベンチャー企業の中での役割としてオーバーラップするところがないとおっしゃっていた。

ただ、講演後、吉川さんは、「自分たちが(やっていることが)Greatだと信じていることは、お互い共通である」と言っておられた。

役割は、マネジメントと技術という形で分けているようであるが、そんな形で共通の部分をもつということもありえるんだな、と感じた。

その後、参加者の方が、「企業経営なんて常にうまく行くとはかぎらないから、土壇場になったときにどうするかというところを見るには、人(人間性)をみるしかない」ということを言っておられたが、彼ら二人なら、きっとそんな波はなんとか乗り越えていくのだろうなと感じた。

技術的な側面から見た場合の課題はあるのかもしれないが、私にはわからない。いずれにしても、がんばって欲しいなあと感じた。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-06 02:48 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(1)

Markting & Brand Strategy 最終講義

シンプリシティ・マーケティングの著者で、コカコーラのブランド担当であったPeter Sealey教授によるマーケティングの授業は、今日が最終であった。

学生たちが9グループに分かれて、GMのブランド戦略についてプレゼンを行なうというスタイルで行なわれた。様々な講師が登場する授業と並行して、このようなプロジェクトが実施されていたのだが、いわば、そのプロジェクトの発表会というようなものである。

各グループの持ち時間は15分。ほとんどぴったり時間内に終わっていく。GMからは、executive directorが聴講しに来ていたが、学生たちは、自分たちのペースで言いたいことをどんどんと発表していたように見える。

このあたりは、日本では、あまり考えられないことだろうなと思いながら見ていた。日本ならば、大企業の取締役や部長が来ていれば、その企業には一応の敬意を表したプレゼン内容になったりすることがあるかもしれないな、と。まあ、今は、学生も大学も少しずつ変わってきているから、中には耳の痛いことも平気で言えるような学生もいるかもしれないが、スタンフォード大学のビジネススクールの場合、9グループともそんな調子である。

ここで気づいたのは、どのグループも、それなりにまとまっているが、「色合い」は同じなのである。「スタンフォード色」とでも言おうか、そんなカラーがにじみ出ている。多様な人材が集まっているはずなのに、outputとして出てくるものは、比較的同質化されている。もちろん、それぞれ質はかなり高いレベルにある。これが、カラーというものなんだな、と感じた。

・・・

最後に、Sealey教授に聴講させてもらったお礼を述べ、握手をした。がっちりとした手だった。「私はマーケティングが大好きだ」と言っていた情熱を感じさせるような力強い手だった。
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  by yoshinoriueda | 2004-06-03 10:13 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

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