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「日本の省エネは進んでいるので、少ない削減で十分」なのではないのか?

共同通信による「温室ガスで不都合な試算公表せず 産業界の主張に沿う」という記事によると、
 日本の温室効果ガス排出削減に関する政府の中期目標検討委員会の議論過程で「日本の削減率が小さいと、先進国全体の大幅削減にはつながらない」との試算結果が提出されていたにもかかわらず、公表されずにいることが30日、分かった。

 27日の検討委では、「日本の数値が小さくても、他の先進国が日本と同レベルの努力をすることで、先進国全体では比較的大きな削減が可能になる」との日本にとって都合のいい結果だけが公表された。

 相反する結果が存在したにもかかわらず「日本の省エネは進んでいるので少ない削減で十分だ」との一部産業界の主張に沿うものだけが示された形。今後、検討委が示した複数の選択肢の中から最終的に日本の目標を決める際、小さな数値を選ぶ方向に誘導することになりかねず、検討委の信頼性が問われそうだ。

 関係者によると、政府内には、両者を公表すべきだとの意見があるが、経済産業省などが難色を示しているという。
とのこと。「日本の省エネは進んでいるので、少ない削減で十分」なのではないのか?できないことを出来るということこそウソつきだ。日本の国際目標は、小さな数字でいい。なぜなら、国際的に約束する目標は、守れなければペナルティがあるからだ。いままで頑張っていたものがバカを見るというのはいかがなものか?

経済産業省が悪者になっているような書きぶりだが、いっそのこと、小さな数字で国際交渉に臨み、国内対策は、別の数字を掲げてがんばるというのはどうだろう?「ダブルスタンダード」になるかもしれないが、できない約束をするよりましだと思うのだが...

47ニュース、日本が見えないよ~(^^;;

  by yoshinoriueda | 2009-03-31 12:58 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

「いまさら削減?遅れてるね~」と言ってやれ!

企業経営における地球温暖化リスクを考えるセミナーというものに参加した。コンサルタントによる説明がなされていたが、数字に関する説明が十分ではなく、会場の聴衆に間違った印象を与えかねないと思い、思わずコメントしてしまった。

例えば、EUの2020年に1990年比20%削減という目標。これは、EU域内で実際に削減する量だけでなく、クレジットによるオフセットも含む数字。日本が+4%とか、▲7%といった数字を選択肢として出しているものとは質が違う。もちろん、努力をしていない状態からの削減量は、努力をした状態からの削減量と比べること自体ナンセンスだが。

セミナーのコンサルタントが強調していたのは、「様子見」はやめましょうということ。ところが、EUは、先日のエントリーにあるように、ポスト京都の目標値について、今年の6月のボンでのAWG以降に、決定を持ち越した。様子見モードに入ったのだ。

そもそも、日本は、世界に先駆けて、温室効果ガスを削減してきた。1970年代の2度のオイルショックを契機に、省エネを進めてきた。その努力は考慮されず、先進国と並ぶ形で削減目標が決められた。もちろん、そんなことで合意した政治家も政治家だが、難しい交渉はできないため、一律○%という形に落ち着いたといった感がある。

温暖化問題では、先に動いた企業や国が、ご褒美をもらえるとは限らない。Early Actionが必ずしも報われないのだ。だから、みんな様子見する。温暖化問題の世界は、正直者はバカを見るという、まさにバカらしい世界である。

金融関係者は、自分たちの食い扶持になる可能性がある排出量取引を勧める。早くやらなければ、価格が上がって、大変なことになるよ、と。

しかし、排出権取引は、所詮、短期的な削減がなされる可能性があるというだけで、実質的な削減にはつながらない可能性もある。長期的に実質的な削減を目指すなら、技術的な投資を行なうべきである。英国など欧州が考え出したスキームに乗って勝負する必要はなく、日本は、技術への投資で勝負すればいい。他人と同じことをやっていたら、競争では負けてしまう。

今こそ、日本モデルとして、排出量取引ではなく、技術的な投資を行ない、実質的な削減を、出来る範囲で目指すべきではないだろうか。そのうちに「いまさら削減してるの?カッコ悪い~」という世界がくるはずだから。

日本は、選択肢1の1990年比+4%を掲げ、他国に対して、「いまさら削減しなければならないなんて、なんて遅れているんだ。かわいそうに。」とでも言うべきではないだろうか?

  by yoshinoriueda | 2009-03-30 23:59 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

桜がチラホラ@甲南大学

甲南大学のキャンパスにある桜がチラホラと咲き始めている。新入生を待っているのだろうか、満開まで力を蓄えているという感じ。
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まだまだ風は冷たいけれど、もーすぐ春ですねぇ~♪

参考:
さくら情報@ウェザーニュース
生物季節観測の情報@気象庁
桜便り

  by yoshinoriueda | 2009-03-29 08:42 | 旅・風景・グルメ | Trackback | Comments(0)

空虚な主張するだけの環境NGOに我々の未来は任せられない!

第6回中期目標検討委員会が終わった後、環境NGOが記者会見を開いた。会見に出席したのは、浅岡美恵(気候ネットワーク代表)、飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)、早川光俊(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議専務理事)、樋口隆昌(WWFジャパン事務局長)、シロベエ(MAKE the RULEキャンペーン実行委員長)。

彼らの目標は、2020年▲30%であり、彼らの今回の主張は、(1)京都議定書の目標値よりも低い選択肢が提案されており、後ろ向きであるということ、また、(2)地球の平均気温上昇を産業革命前に比べて2℃より低く抑えるという目標からのバックキャスティングがなされないまま、中期目標が決められているということ、そして、(3)蚊帳の外におかれた市民・NGOも検討プロセスに参加させるべき、といったところ。

産経新聞の杉浦美香記者が、「(環境NGOとしては)30%削減を求めているが、それによって、経済はプラスになるのか?」という質問をしたところ、MAKE the RULEキャンペーンの事務局は、
どうやって削減していけばいいのかといったモデルは持ち合わせていないが、我々は、30%削減を目標に掲げることによって、プラスになっていくと確信している。
と回答。確信?確信犯ですな、こりゃ。どうやって30%を削減できるかという具体的な方策も全くないまま、目標だけを決めて、その後始末は後世にやらせようという魂胆か?正直、MAKE the RULEにはがっかりした。もしかして、Makeは「メイク」じゃなくて、「マケ」の間違いか?

ちなみに、WWFジャパンの樋口氏の説明では、今対策を打てば、将来対策を打つよりも少ないコストで済むという「スターンレポート」を全面的に肯定するかのような説明があった。これは、まるで、不安感を煽るオレオレ詐欺と同じだ。具体的な方策を示すこともなく、他人がなんらかの意図を持ってつくった報告書を後生大事に掲げている。「(低い削減目標は)将来に禍根を残すことになる」といっているが、できないことを約束して、将来の世代、自分の子供や孫達の世代にツケを回すほうが、もっと将来に禍根を残すことになるのではないか?

地球環境と大気汚染を考える全国市民会議専務理事の早川氏に至っては、「昔、なんか、企業に辛い目に遭わされたの?」とでも聞きたくなるくらい、企業に対して嫌悪感、憎悪感を露にしていた。ちなみに、早川氏は、削減コストがマイナスの対策、すなわち、やればすぐにオツリがくるような対策は、すぐにでも導入すべきといっていて、それらの対策が考慮されていないといっているが、果たして、中期目標検討委員会の資料をよく見てるのだろうか?国立環境研究所の資料では、削減コストがマイナスの対策はすぐに全て導入されるようなシナリオを組んでいるように見えるのだが。

ちなみに、人間というものは、そんな、「やればすぐにオツリがくる」という経済的なインセンティブだけで動いてはいない。例えば、軽自動車のほうが、大型車よりも燃費がよくて、CO2も削減できると言われても、「車といえばV6だ」という輩や、大きな車に乗りたいという人たちにとっては、「ふーん、それで?」ということで話が終わってしまう。

削減コストがマイナスになる対策、すなわち、やればすぐにオツリがかえってくるような対策は、すぐにでも導入されるのだ~!と言っている人は、きっと、人間が何によって動かされるのかを理解していない。あるいは、自分と同じ価値観で全ての人は動くものだとでも思っているのかもしれない。

いずれにせよ、空虚な主張をするだけの環境NGOには、我々の未来は任せられないということがよく分かる記者会見だった。ま、自分の未来をそんな人たちに任せようなんて思ったこともないけれど。

ちなみに、今回の記者会見では、記者の質問の仕方が参考になった。いい質問であればあるほど、相手の本音や正体が見えてくるということがよく分かった。


***
以下、その他の質疑メモ。

■朝日新聞:COP3のときとの差は?

浅岡氏:産業界は、これ以上削減ができないと主張し、経団連自主行動計画も±0を続けている。電力は、膨大な排出を続けており、クレジットを買って辻褄合わせしている。日本も世界と一緒に変わるべき。

コメント:実際に、排出が増えているのは、業務用、家庭用。産業界は、努力の末、1990年からの排出量増加を食い止めている。頑張るべきは、浅岡氏を含む国民一人一人なのかもしれない。(そもそも、国が無茶な交渉をしてこなければいいという話もあるが。)

コメント2:クレジットを買うことで辻褄合わせをしてはいけないということか?それならば、排出量取引も否定すべきではないか?(気候ネットワークは排出量取引を肯定していたのでは?)

■日経新聞オイカワ氏:3月末のAWGで日本がこの検討状況を報告したらどんな反応になると思うか?

早川氏:日本は温暖化問題では期待されていない。足を引っ張り続けている。(選択肢1の)プラスの目標は、失望感をもって受け止められるだろう。

コメント:日本は、「世界の財布」としての役割を期待されている。このため、大幅な削減目標を押し付けられることになる。日本政府の交渉官が必死に防戦するのは国益を考えれば当たり前。毎日「化石賞」をとってもいいくらいではないか?とらなければ、本気で交渉しているのか?と思ったりするのだが。(半分冗談、半分本気)

■共同通信スズキ氏:限界削減費用での比較となっているが、国際交渉上、受け容れられるのか?

早川氏:「セクトラルアプローチ」のように無視されるだろう。

樋口氏:これを指標にして各国で負担するのは難しい。平均費用で見るべき。

コメント:早川氏に座布団1枚!限界削減費用均等化という考え方が、セクター別アプローチのように他国にすんなりと受け入れられないかもしれないという点については、同感。

■環境コミュニケーションズ:中期目標検討委員会では「▲15%」というのが方向性として示された。「▲30%」という目標とは相容れないかもしれないが、建設的に話し合ってはどうか?

浅岡氏:議論の場が必要。

早川氏:情報公開が必要。根拠が分からない。産業界はとにかく後ろ向き。それは、政策がきまらないから。政策が決まらないと長期の投資ができない。

浅岡氏:政府の方針が決まらないのは、経済界からの縛りが大きすぎるから。

コメント:「▲15%」という方向性は示されていない。日本総合研究所の高橋委員が、勝手に自分の思うことを言っただけ。高橋委員は、排出量取引でカネ儲けをしたいだけなのだろうか?いずれにしても、勝手に議論を誘導するような委員は、委員として不適切。

ちなみに、中期目標検討委員会における日本経済研究センターの深尾委員の発言も意味不明。原子力の稼働率は、フランスと同じくらいに上げることができるはずだとか、太陽光発電の電気は、電力系統に流さず、家庭内で消費すれば、電力系統側の追加的対策コストは必要ない、といったこれまでの議論を全く踏まえない発言。

高橋委員と深尾委員の発言は、ともに、日本の中期目標という大切な意思決定を行なうにあたり、委員として不適任だったのかもしれないとも思わせる場違いかつ混乱を招く発言だったと感じる。

閑話休題。浅岡氏の発言にあるように、環境NGOとしては、この中期目標に、いっちょかみたい、ということなのだろう。しかし、こんな無責任な主張しかできない人たちを入れたら、議論は混乱するだけだと思うのだが...

参考:
中期目標で保護団体が批判 「温暖化抑制の視点ない」@47ニュース

More(from 47ニュース)

  by yoshinoriueda | 2009-03-28 17:00 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

第6回中期目標検討委員会 補足メモ

■内藤委員(日本エネルギー経済研究所)の発言骨子

○エネ研に与えられた役割は、「日本の目標の実現可能性を検証すること」。
 (参考)
   ・積み上げによる国際比較は、RITEと国環研のモデルにて実施。
   ・積み上げによる日本モデルは、エネ研と国環研のモデルにて実施。

○「90年比▲25%(GHG)」(選択肢6)は、経済活動量を大幅に削減しており、日本経済の持続的成長を阻害しているため、非現実的。

○「90年比▲15~16%(GHG)」(選択肢5)について

・再生可能エネルギーの観点では、国環研モデルでは「太陽光」は現状の25倍(住宅1,600万kW、工場等2,100万kW)に留まっているが、洋上風力および小水力を大量導入している。風力発電は、バードストライクや低周波音等の立地問題への対応が必要となり、また、洋上風力は、漁業権の問題、国立公園利用の問題があり、開発余力は少ないはず。小水力は、専門家の知見とかなり相違があり、開発余力を多く(甘く)見すぎている。(資料にデータがないため、詳細は不明)

・トラックの省ナビによるCO2削減効果を見込んでいるが、省ナビによる削減効果は微々たるものであり、国環研の試算のようにはならないはず。(資料にデータがないため、詳細は不明)

・エネ研では原子力の利用率を90%としたが、実際はそれほど高くならないのではないか。85%が限界ではないか。90%の設備利用率を達成するためには、定期検査間隔を13ヶ月から18ヶ月に延長し、定期検査期間を5ヶ月から2ヶ月に短縮する必要がある。その際、地元の安心感を得ることができるかがポイント。PAは地方や国がやるべき問題。

・国環研では、火力発電のLNGへの燃料転換を大幅に見込んでいるが、これはエネルギーセキュリティー上、問題がある。すでにLNGは大量に導入されており、長期にわたって固定的に購入することになっているため、これ以上大幅に増大させるのは無理。日本は、大陸のようにパイプラインで持ってくるという形態をとれない。昨今の資源ナショナリズムの高まりもあることから、石炭火力等のLNG化は実現可能性が低い。

・太陽光、風力が大量導入されると、調整用電源が必要。また、エネルギーセキュリティーを考えても、バランスが大切。石炭火力は捨てることは得策ではない。

・バイオマス発電についても、専焼炉はそれほど増えないのではないか。現実的ではない。

・太陽光発電が大量導入された場合、1日の変動は、燃料電池の普及により吸収できるが、月間の制御は難しいのではないか?

○選択肢5においては、新たな政策が必要。

・カーボン・プライシングは、価格メカニズムとして有用。炭素税はリーケージに注意して課す必要がある。

・太陽光や住宅、自動車など、家庭分野に規制をかける必要がある。これには国民的合意が必要で、政治による決定がなされなければならない。また、太陽光の問題では、財産権にも踏み込んだ議論が必要となる可能性がある。

・財源としては、$100/tCO2程度の炭素税が想定される。たばこ税ひとつでももめているのに、このような炭素税の実施が可能かどうか。大きな問題となるだろう。

○結論

・「90年比▲7%」の選択肢3が限界。「90年比▲15~16%」の選択肢5は、厳しい負担が強いられるため、国民的合意が得られるかどうか疑問。

・地球温暖化問題は、国際問題。日本による中国、インドへのさらなるビジネス展開もありえるか。

・中期目標選定にあたっては、理想論はダメ。条約による義務を負うことになるので、結果的には後世が義務を負うことになり、現役世代の責任は重い。実現性のある目標設定をすべき。



■選択肢3「90年比▲7%」と選択肢5「90年比▲15~16%」について

○国環研は、選択肢5の達成は可能と主張。

○エネ研は、選択肢5を達成するための政策手法(カーボン・プライシング(C&T、炭素税、FTなど)、規制措置、支援強化措置)を考えたが、国民的合意が難しいと予想されることから、実現可能性が低いと主張。

  by yoshinoriueda | 2009-03-27 23:59 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

第6回中期目標検討委員会を傍聴

九段下のホテルグランドパレスで開催された第6回中期目標検討委員会を傍聴。以下の6つの選択肢が示され、また、各研究機関等からの本格分析結果が紹介された。
選択肢1:努力継続・米EU並み ▲4%(+4%)
選択肢2:限界削減費用均等 ▲6~▲11%(±0~▲3%)
選択肢3:最大導入(フロー) ▲14%(▲7%)
選択肢4:GDP当たり対策費用均等 明示なし(継続検討中)
選択肢5:義務付け導入(フロー+ストック) ▲21~▲22%(▲15~▲16%)
選択肢6:先進国一律25% ▲30%(▲25%)
()のない前の数字は2005年比、()の中の数字は1990年比。6つの選択肢といっても、選択肢4は、研究機関の試算に大きなずれがあるため、数字は示されておらず、結果として5つの選択肢が現在提示されている状況。レベル感としては、選択肢4と6の間にあるのだろう。

選択肢3の「最大導入(フロー)」というのは、新規に機器を購入する際(フロー)には、最先端のものしか購入できないといった規制が一部導入されるケースで、長期エネルギー需給見通しの「最大導入ケース」に近いものの、フロー対策が強化されているといったもの。

このときの社会に与えるインパクトとしては、失業者が11~19万人増加し、世帯当たりの光熱費の負担増が年2~3万円になるとのこと。

選択肢5の「義務付け導入(フロー+ストック)」というのは、規制に加えて、導入の義務付けを行なうもの。例えば、新規導入機器(フロー)については、最先端のもの以外は売れなく(買えなく)なり、更新時期を迎えてもいない(すなわち、まだ使える)機器(ストック)についても、一定割合を強制的に新しいものに入れ替えるといったもの。

このときの社会に与えるインパクトとしては、失業者が30~49万人増加し、世帯当たりの光熱費の負担増が年間6~8万円になるとのこと。

選択肢6は負担も大きすぎて、経済活動自体を縮小させる必要があることから、選択としてはありえないと思うので無視するとすれば、結果としては、以下の4つの選択肢が示されたことになるのだろう。
選択肢1:努力継続・米EU並み ▲4%(+4%)
選択肢2:限界削減費用均等 ▲6~▲11%(±0~▲3%)
選択肢3:最大導入(フロー) ▲14%(▲7%)
選択肢5:義務付け導入(フロー+ストック) ▲21~▲22%(▲15~▲16%)
限界削減費用が均等になるというのはどういうことかというと、省エネ・省CO2対策にかかる費用が、他の先進国と日本で同じになるということ。すなわち、全ての国が、同じだけのコスト、1万円なら1万円をかければ、それなりの削減が進み、その削減率は、それぞれの国の技術導入レベルによるということで、差が出てくる。例えば、米国や欧州などでは、省エネ・省CO2が進んでいないので、1万円かければ、日本よりも多くのCO2削減ができるので、削減ポテンシャルは大きくなるということになる。

限界削減費用を同じにするということは、削減ポテンシャルに差が出てくるということだが、これは、国内の富が海外に流出することなく、国内にとどめられるという特徴もある。京都議定書では、日本が大量の京都クレジットを購入し、「世界の財布」になっているわけだが、それをなんとか打開したいという思いが、カタチになったといっても過言ではないだろう。

そう考えると、限界削減費用均等という選択肢は、日本にとっては理想的だが、先進国各国が、世界の財布である日本をそれで放すはずがない。よって、選択肢1か3か5が現実的なものとなるだろう。

国民の選択としては、「負担」をどこまで許容するかということがポイントになる。日経netの「温暖化ガス削減中期目標、有力2案軸に絞り込み 政府検討委」という記事では、
政府内では7%減と15―16%減の2案の実現可能性が高いとの声が多い。
としているが、個人的には、選択肢1でも、限界削減費用の観点から、米国・欧州並みであるので、それで胸をはって堂々と「選択肢1」と言うけれど、もっと負担してやろうという太っ腹な人たちは、選択肢3か5を選ぶのだろうか。

この選択は、将来に亘って影響を及ぼす。2020年は今からたった10年程度かもしれないが、間違いなく後世の負担になってくる。今の世代を生きるものとして、この選択は重大である。今は亡き橋本・元首相が、勝手に「▲6%」と決めたせいで、今、日本は、大きな負担を強いられており、世界の財布になっている。個人的には、後世の負担を日本だけが負うという選択肢はないと思うので、「選択肢1」が妥当、最大頑張っても、せいぜい「選択肢3の手前」までだと思うのだが...

私は、将来の世代、自分の子供たちの世代のために無責任なことは言いたくない。地球はいまよりももっと暖かかった時期もあるし、若干の温暖化は、農作物の収穫量が増えるというプラスの効果ももたらす可能性がある。逆に、日本だけが厳しい目標を選択することは、日本からお金が海外に流れていくだけで、実質的には世界の温室効果ガス増加が若干抑制されるだけだろう。リーダーシップというものは、他国に先駆けて、高い目標を掲げることではない。環境NGOや政治家、環境派は、何か勘違いしているのかもしれない。

日本は、2005年比▲4%まで努力するという「選択肢1」をとるべき。先進国は、日本の技術も含めて最高水準のものを導入して温室効果ガスをもっと削減すべき。途上国は、最高水準とは言わないが、経済性などを考慮しつつ可能な限り効率のいいものを導入して、温室効果ガスの排出抑制を進めるべき。日本は、日本の技術を導入させて他国に削減させるための方策、例えば、国際的な資金メカニズム、知的財産権を保護する方策などを考えることに注力すべき。
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参考:
第3回中期目標検討委員会を傍聴
中期目標検討委員会の第4回、第5回を振り返って
温室効果ガス削減で6選択肢 20年までに25%減-4%増@エキサイト
<温室効果ガス>25%削減でGDP最大6%減 中期目標案@エキサイト

  by yoshinoriueda | 2009-03-27 23:15 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

ニュースクリップ:「首相不信任案を可決=EU運営への影響必至-チェコ」

首相不信任案を可決=EU運営への影響必至-チェコ」という記事によると、
 【ベルリン24日時事】チェコ下院(定数200)は24日、トポラーネク首相に対する不信任案を可決した。チェコ通信によると、同首相は、26日にも辞表を提出する考えを明らかにした。チェコは欧州連合(EU)議長国で、政局混乱がEUの運営に影響するのは必至だ。
 不信任案は賛成101票、反対96票で可決された。ただ、首相が率いる市民民主党は議会で最大勢力を維持しており、クラウス大統領が再び組閣を要請する可能性もある。
 不信任案は、トポラーネク首相の側近がテレビ局に圧力を掛け、政府を支持する有力議員の不正疑惑を伝える番組の放映を中止させようとした事実が明るみに出たのを受け、野党陣営が提出した。
とのこと。議長国の首相の不信任案が出たことで、EUは機能不全に陥るのか?こりゃ、コペンハーゲンまでにEUが何かを決めてきそうにはないような雰囲気...

かくいう日本も政権が交代しているかも。そうなれば、温暖化政策は大きく方向転換しているかもしれない...

  by yoshinoriueda | 2009-03-26 12:58 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

EUは米国と中国など他国がコミットしない限り何もコミットしない!?

2009/3/14付けのBBCの「EU set to agree emission cut plan」という記事によると、
European leaders meeting in Brussels are set to endorse binding measures for cutting greenhouse gas emissions.
とのことだが、2009/3/23のEurActiv.comの「EU summit postpones climate decision until June」という記事によると、
As anticipated, European leaders postponed until June a decision on the EU's position for global climate talks, which are scheduled to conclude in Copenhagen in December.
ということで、EUのリーダーたちは、6月まで、温暖化問題に対する態度を先送りした模様。
European Commission President José Manuel Barroso said the European Union should make no commitment "while other nations, notably the United States and China," are not doing the same.
バローゾ欧州委員長は、EUとしては、「他国、特に米国と中国」がコミットしない限り、何のコミットもしないとのこと。Greenplanet.netの「Climate, decision on EU's stance postponed until June」という記事の最後にもまとめられていたが、
Instead, European leaders concentrated on measures to tackle the economic crisis.
欧州のリーダーたちは、温暖化問題の代わりに、経済危機への取り組みに集中するとのこと。

こういった動きについて、日本では何の報道もない。情報統制でも敷かれているのだろうか?

麻生総理大臣は、6月までに日本の中期目標を発表すると言っているが、EUも米国も中国も責任をもった数字を出さない状況下で、果たしてどこまでの覚悟で数字を出すのか?あるいは出さないのか?

3/27(金)には第6回中期目標検討委員会が開催され、複数の選択肢が公表される見通しである。最終的に決めるのはもっと後になると思うが、今後の動向をウォッチしていきたい。

  by yoshinoriueda | 2009-03-26 12:47 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

電気の日

3月25日は電気の日。Wikiによると、
電気記念日(でんきねんび)は、1887年(明治20年)3月25日から日本に家庭用の配電が始まったことに由来してできた記念日である。1927年(昭和2年)に日本電気協会が制定した。

ちなみに1878年のこの日、銀座木挽町に設置された中央電信局の開局祝賀会が工部大学校(現在の東京大学工学部の前身の一つ)の大ホールにて行われ、イギリス人教授エルトンによりアーク灯50個がともされた。この日が日本で初めて電灯が灯されたとされる。
とのこと。というわけなのか、どういうわけなのか、電気の日を祝うということで、職場の仲間は早々と帰宅...

こちらはといえば、出張で2日間不在にしていたため、溜まっている仕事を片付けなければならなかったので、夕方から既に残業モードに突入...

電気新聞では、「電気のある生活」写真賞が発表されていた。この地球上には、電気がない地域に暮らしている人たちがたくさんいる。

それに比べて日本はなんと恵まれたところか!どんなに夜遅くとも仕事が出来る(^^;; そんなことを改めて実感した夜だった。

  by yoshinoriueda | 2009-03-25 23:59 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

高瀬川沿いの桜、咲き染め

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  by yoshinoriueda | 2009-03-24 09:00 | 旅・風景・グルメ | Trackback | Comments(0)

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