In-n-Out

スタンフォード大学のポリティカル・サイエンスで教鞭をとられているDaniel Okimoto先生を囲んでお昼ごはんを一緒に食べました。

日系二世としての自伝"American in Disguise(邦題「仮面のアメリカ人」)"では、鋭い切り口で体験談を展開されていますが、お会いして話を聞くのは初めてでした。
宣教師であったご両親の影響を大きく受けているようですが、実直で「いい人」なんだなあというのがOkimoto先生に対する感想です。

主に、SOMA Networkというベンチャー企業のボードメンバーとしての経験をお聞きしていたのですが、一番面白かったのは、スタンフォード大学の教授の多くが、大学をホームベースのようにして、政府や企業で働いては戻るというダイナミックなサイクルを経験しているという事実です。

2年以内に大学の職場に戻るというのが原則だそうですが、このようなダイナミックな活動が産学連携のベースとなっているようです。そして、このような仕組みを"in-n-out"と呼ぶそうです。

これは、散逸構造を発生させるための、エネルギーの出入りに相当する仕組みだと思いました。日本では、こんな出入りの機会は無いと思いますし、独立行政法人になってからも、なかなかそうは行かないと思います。とはいえ、このような活動が許されなければ、日本は、エントロピー増大の法則にしたがって滅びる道をたどるような気がします。

言葉の違いはあるにせよ、多くの人が、「非平衡開放系」のダイナミクスをはやく理解することが必要だと感じました。その仕組みを理解した上で、変化を起こしていかなければならないと痛感しました。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-12 09:10 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

スタンフォード大学ビジネススクール「教育ビジネス」最終講義

スタンフォード大学のビジネススクールで今学期開講されていた「教育ビジネス」の最終講義がありました。通常は、金曜の夕方にあるのですが、最終週だけ予定を変更して、水曜日の夜に開催されました。

いつもの講義室S151では、教授陣により、サンドイッチやチップス、フルーツなどが用意されており、雰囲気がガラリと変わっていました。

最終講義の今日は、学生たちのビジネスプラン発表会です。数名ずつ分かれてチームを組み、ビジネスプランを作成し、それを10分で発表するというものでした。
彼らの発表は、ビジネススクールの学生らしく、ピシッと10分で終わります。本当に見ていて感動するくらいのものもあります。まさに、学生の優秀さを垣間見た気がします。

授業以外に、このような課題もこなす彼らは、本当にタフだと思います。

しかし、中には、絵ではきれいに見えるけど、実際は難しいんだろうなというものもたくさんあります。まさに、「ビジネスは学問か?」という基本的な問いを改めて考えた授業でした。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-11 15:19 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

Stanford Office of Technology Licensing

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今日は、スタンフォード大学の技術移転機関であるOffice of Technology Licensingの方の話を聞きました。

スタンフォード大学の場合の成功の秘訣は、「教授陣等による人脈の蓄積」のようです。これは、日本と大きな違いです。スタンフォード大学の場合、教授陣は、一度企業で働いた経験がある方がおられ、そのような方は、当時のコネクションを保ち続けているとのことです。また、送り込んだ卒業生を通じて関係を保ち続けるということも大切なようです。

こんな関係は、日本の場合、難しいと思います。現状を考えると絶望的ではないでしょうか。そういった意味では、GEが大学と連携しているように、三菱重工業が大阪大学と包括的に連携するなどの動きが出てきているのは、ある意味、正解なのかもしれません。

設立された1969年から最初の10年程度はほとんどロイヤルティー収入がないものの、その後10年で累積$40M、さらに至近までで累積$550Mの収入になっています。近年の収入は、過去20年程度に種をまいてきたものが結実したものであり、このように、回収までじっと我慢することが大切なようです。

1000社に1社、すばらしい企業が育てばいいというような、超ハイリスクハイリターンの世界です。日本でも徐々にできていますが、息の長い仕事であることを忘れてはならないと思います。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-10 16:35 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

Stanford Business of Education Conference

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3月6日土曜日、快晴のもと、スタンフォード大学にて、Stanford Business of Education Conferenceという会議が開催されました。

スタンフォード大学では、ビジネススクールとエデュケーションスクールで両方の修士がとれるコースがあります。

カンファレンスに出席して、確かに、教育とビジネスのフィールドで使われている言葉は明らかに違い、意志の疎通が難しいと感じました。

私個人は、塾講師や家庭教師、スキー教師といった活動を通じて、教育という現場に立っていましたが、小学校から高校までの子供たちの教育とその成果の評価(アセスメント)については、ズブの素人です。そのため、カンファレンスの話題の中には、難しいものもありました。

こんな私ではありますが、教育に必要なのは、コンテンツではないのではないか?と感じることが多々ありました。

結局、教育は、ローカルな仕事であり、また、場を提供し、盛り立てていく仕事であるような気がします。MITやUCバークレー、スタンフォードといった名だたる大学がコンテンツを解放する動きを見せる中、ますますその念が強くなってきています。

実際、会議の中では、通信教育を展開している企業が、「コンテンツ開発は大切だが、キーではない」との発言をしていますので、ますます、その念を強くしました。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-08 14:20 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

KPCB

a0004752_74223.gifKleiner Perkins Caufield and ByersのManaging PartnerであるRussell Siegelmanが、Stanford UniversityのA-APRCでVenture Capitalについて講演してくれました。

ベンチャーキャピタルといえば、ファイナンスの専門家のような印象があるかもしれませんが、「実際は、ビジネスを創造している(building business)だ!」というのが彼の主張でした。

こちらに来て確信を持つようになったのですが、つくづく彼らのコアコンピタンスは、「ビジネスの経験とそれを通じて培った人脈」であるような気がします。今日もそれを思い知りました。

彼らは、規模を拡大するのではなく、どれに投資したらいいかということを「パターンマッチング」で認識していきながら、関係を保ち続けようとしています(リレーションシップビジネス)。このようにして、自分たちの生き残る道を知り、そこに強くコミットすることが彼らに成功をもたらしているような気がします。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-06 07:43 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

PARC

a0004752_152243.jpgゼロックスのパロアルト研究所で「複雑系ネットワーク」と題したセミナーがありました。

コンピュータネットワークだけでなく、カリフォルニアでの火災や、細胞の活動といったバイオエンジニアリングにも話が及び、題名からご想像のとおり内容も難しかったです。

要は、複雑系の考え方を使うと、壊れやすく無駄の多いネットワークではなく、堅固かつ効率的なネットワークを作ることができるということがいいたかったのではないかと思います。

自分の未熟さを思い知るセミナーでした(^^;
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-05 20:01 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

「ワインの涙」とシリコンバレーの共通点は「散逸構造」

3月に入り、シリコンバレーでは穏やかな天気が続いています。

10月以来、月に一度、「シリコンバレーの風」としてこちらでの様子をまとめていますが、今月は、「ワインの涙」とシリコンバレーの関係についてまとめてみました。ポイントは以下の通りです。

・「ワインの涙」とシリコンバレーの共通点は、散逸構造ではないか?!

・散逸構造は、エネルギーの出入りによってもたらされたゆらぎが自己組織化して発生する。

・ベンチャービジネスはゆらぎのようなもの。

・日本でも、ゆらぎと自己組織化をうまく生かすことが大切。
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  # by yoshinoriueda | 2004-03-05 08:29 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

Career Education Corporation

Career Education CorporationのCEOであるJack Larsenの講義を聴いた。

コンサルタントに「やるな」といわれたオンライン教育を始めて、軌道に乗せた彼の発言は、こうである。

「やるな」といわれれば、それは、「やるべき」ものである。
Beware of Advice!

人はいろいろ言うけれど、結局、起業家は、"Listen to your gut"、自分の情熱に従うべきなのだろう。
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  # by yoshinoriueda | 2004-02-28 14:18 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

NuCORE Technology Inc.

NuCORE Technology Inc.の創業者兼CTOの渡辺誠一郎氏の講演会がSVJEN(シリコンバレー日本人起業家ネットワーク)で開催されました。

渡辺氏の起業を通じた体験談は、とても面白かったのですが、逆に、日本語であれば、英語と比べてこれだけとれる情報量が違うのかと、ちょっとショックを受けました。

ちなみに、NuCOREはシステムチップの会社で、KyoceraのSL300Rというデジカメに採用されているそうです。Single CCDでありながら、RGBの3原色を分離した形で取り込むことと、ノイズの発生を抑えることを特徴とした"Clean Capture"という技術と、デジタル画像をバッファに貯め込まないパイプライン並列処理による連写技術を売りにしています。

普段デジカメで写真をとる際、いいタイミングで撮ることはなかなか難しいのですが、連写ができれば、ベストショットを「探す」ことができるという利点があり、デジカメ業界では、「もはやムービーか静止画か分からない」という方向性に向かっている市場とマッチしているとも言えるようです。

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話の中で一番面白かった点は、VCの審査を通じて、「桁違いを3つ」要求されたというものでした。従来とは桁違いとなる性能上のポイントを3つは持っていなければならないというものですが、これは、徹底した差別化を念頭に置いたVCの見方だと思います。

渡辺氏は、「実際、競合する会社が出てくると、すぐに追いつかれるので、その程度の差別化は必要だ」という実感を語っておられました。桁違いの性能は、時間とともに食い潰されるので、企業が生き残っていくためには、その間に次の桁違いの性能を開発していかなければなりません。まさに、ベンチャービジネスの厳しさを物語っている一面だと言えるでしょう。
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  # by yoshinoriueda | 2004-02-27 15:51 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

I prefer "A team with an A idea".

A team with a C idea, over a B team with an A idea.

すばらしい(Aクラス)のアイデアを持っているどこにでもありそうな(Bクラス)のチームより、アイデアはそこそこ(Cクラス)であってもすばらしい(Aクラス)チームを選ぶべきである。

これは、マネジメントチームの重要性を教えてくれるSilicon Valley Sayingである。

先日覗いていたスタンフォードのビジネススクールでは、学生がスピーカーである起業家に対して、どちらをとるべきか質問していた。

そのときの起業家の答えはこうである。

I prefer "A team with an A idea".

すばらしいアイデアを持っているすばらしいチームに仕事を任せるということである。当たり前なのだが、そうすべきところだ。起業家は、相容れないものをあきらめるのではなく、それを達成してはじめて「起業家」なのだろう。

あなたはA teamにいますか?A ideaを提案し、実行していますか?
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  # by yoshinoriueda | 2004-02-26 11:38 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

Entre Conference 2004

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スタンフォード大学のビジネススクールで、Entrepreneurshipに関する会議がありました。いろいろな企業やVCからパネリストを招き、講演を聞くというスタイルの会議で、参加者は、実際に起業している人や、ビジネススクールの学生などです。

印象に残った発言は、「起業家は育てられない」というものです。

これは、シリコンバレーの中でも伝説的なベンチャーキャピタルであるクライナー・パーキンス(Kleiner, Perkins, Caufield & Byers)のパートナー、ラッセル・シーゲルマンの発言です。

この発言、みなさんは、どう思われますか?

参考:Entrepreneurshipに関する会議(ポップアップをブロックしてからどうぞ!)
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  # by yoshinoriueda | 2004-02-22 10:13 | スタンフォードで感じる! | Trackback | Comments(0)

祝!ブログ、スタート!&祝!シリコンバレー滞在6ヶ月!

a0004752_145318.gifシリコンバレーに滞在して、ちょうど6ヶ月が経ち、ようやくこちらでの生活にも慣れてきました。そんなわけで、こんな形で情報発信に取り組んで行こうと思います。

初日ですので、ここで、少し自己紹介を...。

現在、スタンフォード大学にvisiting fellowとして在籍して、IT関係の勉強や経営関係の勉強、起業家教育の研究などをしています。生まれも育ちも関西です。

学生時代は、海王星での電波伝搬や電力系統におけるカオスの研究などをしていましたが、その後、中小企業診断士(情報部門)となりました。

<写真>スタンフォード大学 Main Quad の回廊
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  # by yoshinoriueda | 2004-02-18 14:50 | つれづれなるままに...

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[ご参考]

ちょこっと「上田嘉紀」でググッてみる...

SVJENのコラム「ベンチャーキャピタルベーシック



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  # by yoshinoriueda | 2001-01-01 01:01 | つれづれなるままに...

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