全てが将来のチャンス到来時の「準備」である

blogから張っているリンクを整理しようとしていて、ふと、引き寄せられるように江島健太郎さんのblogに入っていくと、次は、思わずその内容に引き込まれてしまった。以前、Kennさんのエントリーを読み違えて恥ずかしい思いをしたことがあるので、今回は、しっかり、2回読み返した。そして、この部分!
いい出会いは突然に天から降ってくることもあるけれど、ほとんどは目の前にあるチャンスを無意識のうちに諦めていたり、変化を求めて行動を起こす勇気が足りないだけ。

そしてチャンスを活かせるかどうか、それをチャンスだと見抜けるかどうかは、いま目の前にある日々をどうポジティブに過ごすかにかかってる。
チャンスに飛び込んでいけるかどうかは、「準備」ができているかということに大きく依存するのではないだろうか。技術的に準備ができている場合もあるし、気持ちだけでも準備ができている場合もある。朝に少し体を動かすと、体の動きの準備ができることもある。

スキーでターン弧を描くとき、それぞれの瞬間のポジションや動作は、必ず次に繋がってくる。原因と結果の連鎖がそこにもある。今は全力で走る。でも、それは、全て将来への準備に繋がっていく。振り返ると無駄なことをしていたと思うかもしれない。真っ直ぐ歩いていたつもりが、道から外れているかもしれない。でも、全て、どこかに繋がっていくのだ。だからこそ、一瞬一瞬を、悔いのないように生きなければならない。

そして、最後は、勇気を振り絞って、行動を起こさなければならないのだろう。なにか、少し明かりが見えたような気がした。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-07 23:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(4)

若年層の学力低下は、“Economic Time Bomb”

OECDの学力調査結果(PISA)(471 pages, pdf format)に基づく記事が12月7日付けのWall Street Journalに掲載されていた。米国の15歳の数学の成績は483点(全体の平均が500点になるよう補正した後の値)で、一位のフィンランドと61点、日本より51点低いとのことである。若い世代の学力が将来の国力であるから、同紙は、この現状を「Economic Time Bomb」と題して報道している。

シリコンバレーの中でも教育レベルが高いパロアルト市の高校生を見ていると、自分たちが日本で高校時代を過ごしたときと同じような問題を解いている。その中でも、できる子もいれば、できない子もいる。個人差があるから、一概にどうとはいえないが、他の地域にいくと、事情は異なるそうである。だから、普段は、日本の高校生のほうが1割以上できるというわけでもないように思える。

ちなみに、日本の報道は、以下のような感じである。
OECD調査、15歳読解力8位から14位へ(nikkansports.com)

 経済協力開発機構(OECD)が昨年、40カ国・地域の15歳を対象にした「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、日本の高校1年生は、実施4分野のうち読解力が前回(00年調査)の8位から14位に、数学的応用力も1位から6位に下がったことが7日、分かった。読解力の得点は参加国の中で前回からの低下幅が最も大きかった。
 科学的応用力は前回と同じ2位で、今回初調査の問題解決能力は4位。文部科学省は「日本の学力は国際的に上位だが、最上位とは言えない」と世界トップレベルからの脱落を認めた。
 読解力低下の原因は「読書量やテレビ視聴時間、コンピューターの浸透など言語環境の影響も考えられる」と指摘。今後詳細に分析するが、事態を重視し、朝の読書推進も含む「読解力向上プログラム」を作成するなどの対策に乗り出す。
 PISAは、単なる知識や記憶力を問うのではなく実生活でどう生かせるかを評価する。平均が500点となるようにして各国の成績を算出した。文章を読み取る読解力は日本は498点で前回から24点低下。OECD平均と同程度まで落ち込んだ。数学的応用力も534点で23点低下。科学的応用力は548点で前回比2点減。問題解決能力は547点だった。
 各分野の1位は読解力と科学的応用力がフィンランドでそれぞれ543点と548点、数学的応用力は香港の550点、問題解決能力は韓国で550点だった。
基礎学力は、料理をするにしても、買い物をするにしても、仕事をするにしても、絶対に必要で、持っていて損は無い。総合学習などで動機付けを行なうとともに、常に、基本との関連付けを行なうことが、今の日本の教師に残された道ではないだろうか。日本の教育が、経済の時限爆弾になるかどうか、それは、日本人全員に課せられた課題のような気がする。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-07 17:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback(1) | Comments(0)

がんばってる?! 日本のケータイ市場

日本のケータイビジネスは、12月6日付のシリコンバレーの地元紙San Jose Mercuryでも取り上げられている。携帯電話ショップの女性店員が、ドコモのケータイの画面を2つ見せている写真がカラーで映し出され、"Ring tones are a booming market for the devices."という説明がなされていた。確かに、日本のケータイは、米国のものより洗練されている感がある。「ドコモとau」(塚本潔、光文社)に次のように記載されているように、ケータイは、ハードによる勝負から、サービスというソフトによる勝負に変化している。
・・・ハード面の仕様に差をつけることが、すなわち他社との差別化になり、ユーザーはその違いを比べてみてキャリアを決めるものだと思い込んでいた。それがiモードの登場で一変した。・・・インフラそのものではなく、インフラ上でどんなサービスを展開するかで、ユーザーはキャリアを選ぶようになったのである。・・・
そんな朝刊の記事と写真が頭の片隅にあったところ、夕方になって、12月3日付のエントリーで取り上げたソフトバンクが、800MHz帯の無線局の申請をしたというニュースを偶然発見した。ソフトバンクによる新生ホークスも12月24日クリスマスイブに承認される見込みだそうである。ソフトバンクなら、何かやってくれるかもしれない。WiFiやYahoo!BBともシームレスにつながり、ケータイがPCに追いつくかもしれない。そんな期待をもって、日本のケータイ市場を見守りたい。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-06 17:00 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

凍りつくシリコンバレーの朝・・・

12月1日付のシリコンバレーの地元紙San Jose Mercuryによると、シリコンバレーはMinnesotaよりも寒く、地域的には記録的な寒さになっているようである。確かに、日本より寒く感じられる。夜は、冷蔵庫の中にいるようで、暖房がなければ凍えてしまう。11月30日、サンフランシスコでは、1897年の5.6℃という記録を下回り、5℃になったようである。あの夏の青空と爽やかな空気が懐かしい・・・
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<凍りつく車の窓>

  # by yoshinoriueda | 2004-12-04 23:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback(1) | Comments(4)

「リーダーが優秀なら、組織も悪くない」

「リーダーが優秀なら、組織も悪くない。」そういったのは、織田裕二演じる湾岸署刑事課強行犯係巡査部長の青島俊作である。「踊る大捜査線 The Movie 2 - レインボーブリッジを閉鎖せよ!」では、ゲリラ的な犯罪者の集団と軍隊的な警察が対決する様子が描かれていたが、この言葉は、柳葉敏郎演じる室井慎次(警視庁刑事部捜査一課管理官警視正)というリーダーへの絶対的な信頼から出たものである。リーダーにとって、この言葉はとても強い励ましになるだろう。

室井慎次は、「責任をとる。それが私の仕事だ。」という言葉を最後に、事件解決後の捜査本部を後にするが、これは、12月2日のエントリーで触れたカルロス・ゴーン氏の考え方:リーダーシップ=「delivery of results」(成果をもたらすこと)というものに通じるところがある。世の中、絶対確実と思えることなどないのだから、なにかをすれば、「成果」になることもあるし、「責任」を取らなければならないこともある。どちらに転ぶかは、最後は、運なのかもしれない。

この踊る大捜査線2は、組織と人の関わり方と見てもと面白い。真矢みき演じる沖田仁美(警視庁刑事部捜査一課管理官警視正)が現場の指揮をとっていたときに「組織に人の感情は必要ないの。」といったが、室井慎次が指揮をとって現場が一気に活気付く様子は、明らかに「組織には人の感情が影響している」ということを示唆していると見ることができよう。人の上に立つということの意味を考えるきっかけは、こんなところにもあるのかもしれない。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-04 21:00 | いろいろ聞いて考える! | Trackback(1) | Comments(0)

日本の玄関口・成田空港で感じる「ブロードバンド大国・日本」

日本はブロードバンド大国だというが、それは一般家庭で実感できることであって、旅行者にはなかなか実感できないのだろうか。ブロードバンドホテル.netなどを利用してホテルを探していると、1泊あたり数百円~1000円前後の料金でブロードバンドができるところはあるが、数はまだまだ限られているような気がする。特に、無線での接続環境は、あまり望めないようである。旅行者がもっと気軽に利用することができるようにしてほしいというのが、旅行者としての感想。インターネットで観光や移動手段の検索ができる時代、もっと多くの場所で使えると、やっぱり日本は違うな~と思えるような気がする。ちなみに、米国では、大都市のホテルなら、一日10ドルくらいでWiFiによる接続が可能となるところが多い。

a0004752_5223248.jpgそう思っていたところ、シリコンバレーに戻る際に利用した成田空港で、ソフトバンクBBが提供するYahoo!Cafeを利用し、「やっぱり日本は違うなー!」と実感した。個人的には、日本のブロードバンド環境がこれほど急速に発展した背景として、ソフトバンクの存在を無視できないと感じており、そのソフトバンクが成田でこのようなサービスを展開しているというのは、何かの「象徴」のように思える。

ちなみに、現在、携帯電話事業への参入について周波数の割当てをめぐっていろいろ議論をかもし出している同社であるが、総務省の携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会の説明資料を見ても、ソフトバンクによるサービスの実現性は、新規参入予定者の中では群を抜いているのではないだろうか。しかも、資料は見やすいし、分かりやすい。総務省のおエライ方々には嫌われているだろうし、孫社長のやり方にさまざまな議論はあるかもしれないが、もし政府が国のことを考えるならば、感情で政治や政策を行なうのではなく、また、既存事業者の既得権益を守ろうとするだけでなく、適正な競争の導入を真剣に考えるべきではないだろうか。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-03 17:00 | つれづれなるままに... | Trackback | Comments(2)

leader-developing leader

シリコンバレーには、スタンフォードとバークレーというビジネススクールが有名だが、トップのビジネススクールのいいところは、多くのビジネスリーダーを招くことができるということなのかもしれない。シリコンバレーで仕事をしてみると、第一線で活躍している人たちの話が、実は結構いろいろなところで役に立つということに気づくことがある。スタンフォードで授業を聴講していたころは、その重要性に本当に気づいていなかったのではないかということに改めて気づかされた。

このシリコンバレーでなされている第一線のビジネスリーダーによる将来のリーダーのための教育に関する、さらに一歩踏み込んだ説明が、たまたま東京の本屋で手に取った本「部下を動かす人事戦略」の中に次のように書かれていた。
・・・会社を変革する力を持った次の世代のリーダーをつくりたかったら、いま活躍している本物のリーダーに任せるしかないとウェルチ氏はいうのだ。・・・
教育や研修で、第一線のリーダーの話を聞くだけで、リーダーになれるわけではない。彼らと一緒に仕事をしていくことで、リーダーシップがどういうものなのか、肌で感じることができる。カルロス・ゴーン氏は、リーダーシップを「delivery of results」(成果をもたらすこと)と定義しているらしい。成果は、教室や机上、読書からは生まれてこない。成果は、実践からのみ生まれてくる。当たり前のことだが、多くの人が肝に銘じておくべきことだと感じた。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-02 18:00 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(2)

樹研工業に見るジャパニーズ・モデル

100万分の1の歯車を製造する技術を持つことで有名な樹研工業の社長、松浦元男さんのお話を聞く機会があった。ベンチャーキャピタル(VC)に頼り、キャピタルゲインで経営者などが大金持ちになるという典型的なシリコンバレーのベンチャー企業とは対極にある、「ジャパニーズモデル」のような企業経営方針を垣間見た気がする。

話の要諦は、「固有技術、管理技術、財務戦略、人材育成」が大切であるということであったが、ジャパニーズモデルではないかと感じたのは、「日本では、おなじように株式会社と言うけれど、上場している会社とそうでない会社は、全く別物である」という言葉である。松浦社長は、「会社は株主のもの」という原則が、非公開企業では重要ではなく、配当や賞与などをできるだけ少なくして、内部留保を積み上げ、自己資本を増やすということが大切であると考え、それを実践してきたようである。

自己資本が増えるとどうなるのか。松浦社長曰く、
 ・30%を越えると、支払手形がいらなくなる。
 ・40%を越えると、資金繰りという概念がなくなる。
 ・50%を越えると、経理部長がいらなくなる。
ということらしい。そして、このように自己資本が増えることにより、安定した経営ができ、思い切った研究・開発ができるという。

松下にしろ、ソニーにしろ、昔の日本のベンチャー企業も、研究開発によりコアとなる技術を持ち、世界で勝負してきた。それを可能にするモデルは、必ずしもVCに頼る必要がない。ネットベンチャーのように、株式公開によって資金調達し、買収によって成長の加速度を得るというモデルも日本で徐々に成立しつつあるが、樹研工業の成長のモデルは、現代のものづくり企業のジャパニーズモデルのひとつではないだろうか。

  # by yoshinoriueda | 2004-12-01 20:00 | いろいろ聞いて考える! | Trackback(2) | Comments(2)

サンフランシスコ発成田行きと大阪行きの違い

サンフランシスコから日本に向う便の乗客の人種的な構成は、差があるのだろうか?雰囲気や感覚でモノを言えば、成田行きのほうが、国際色豊かな気がする。もし、この感覚が正しいとすれば、その理由はなんだろうか?

東京に何らかの用事がある外国人が多いということだろうか。もうひとつの要素は、価格ではないだろうか?これも、雰囲気や感覚でしかないが、東京行きのほうが大阪行きより安いということが原因なのではないだろうか?

大阪国際空港(伊丹)でみた大阪は、いまや一地方都市に成り下がり、活気のなさが特に気になった。大阪国際空港は、現在、第2種空港に機能縮小することが検討されているが、もしそうなって、何の特徴も無い状態が続けば、さらに廃れていくような気がする。

シリコンバレーで言えば、伊丹と関空と(神戸あるいは中部)は、サンノゼとサンフランシスコとオークランドといったところであろう。それぞれ国際空港として機能しているが、利便性から考えると、サンノゼ、サンフランシスコが使い勝手がいい。

サンフランシスコは、関空と同じく、電車で都心まで移動できる。サンノゼは伊丹と同じく、国内便が多く、車でのアクセスを前提としているように思える。伊丹の地理的ポジションは、サンノゼとよく似ているような気がする。個人的には、空港から電車で移動できる、ボストンやパリのラガーディア、サンフランシスコなどの利便性が気に入ってるが、ちょっとロスまで、とか、ちょっとワシントンまで、といった場合は、サンノゼのようなこじんまりしたところもいい。

空港というインフラに、マーケティングの世界で言う差別化を応用すると、
 ・韓国と中国なら伊丹経由で!
 ・地方空港へのアクセスなら伊丹経由で!
といったような独自色が、差別化につながり、棲み分けによる共存を生むような気がする。もし、第2種空港になるのなら、そんな、制約から生まれる新たな発想で、欠点を特徴ととらえ長所に変えていく作業が、生き残るために必要となるだろう。

成田空港で見た6ヶ月ぶりの日本の夕焼けは、シリコンバレーの夕焼けより赤く、眩しかった。驚いたことに、同じ飛行機に、知っている人が乗っていた。シリコンバレーの世間は狭い!

  # by yoshinoriueda | 2004-11-29 16:30 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(1)

それでも人は買い物に出かけていく!?

Thanksgivingといえば、日本の冬のバーゲンからお正月にかけて展開される商戦と同じくらいの気合が必要である。これは、小売業者にとっても、買い物する大衆にとっても同じである。National Retail Federationの調べによると、この時期の売上は、年間売上高の4分の1から5分の1に相当するらしい。(San Jose Mercury 11/25/04)

オンラインで買い物ができるようになったとはいえ、やはり実物を見て買い物をしなければならないものはたくさんある。洋服や靴、かばんなど、自分に似合うか、質感はどうか、縫製はしっかりしているかといったことをチェックするには、実物を見て買うに限る。逆に、簡単に指定できて、ある程度、品質が均一だと思われる本やおもちゃ、パソコン、ソフトウエアなどについては、オンラインで十分なのかもしれない。

いずれにせよ、11月全体で、8割の人が買い物を済ませようと計画するらしい。その内訳は次のようになるらしい。
 ・25日のThanksgivingまでの間に買い物を済ませようとする人:約4割
 ・26日:約3割
 ・27日以降:約1割
 ・12月中:約2割

a0004752_2204227.gif全体の3割もの人が買い物をしようとする今日は、まさにshopping dayなのだ!だから朝の6時から開店するところもある。わざわざGilroyのアウトレットに朝5時から出かける人もいるらしい。

おもしろいことに、バブルを経験したアメリカではあるが、この時期の買い物で使われているお金は、年々増加しており、2003年は$210Bを超えている。アメリカ人が消費をやめないということの象徴だろうか・・・
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  # by yoshinoriueda | 2004-11-26 09:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(2)

ナノテクが示唆する未来

再びアトムの世界へ

アニメの鉄腕アトムは、現在、30代半ばから40代の働き盛りの人の多くに大きな夢を与えてくれたかもしれない。ホンダやソニーがロボットを作ることに挑むのも、そんな背景があるのかもしれない。そして、2003年、「鉄腕アトム」は「Astroboy鉄腕アトム」という名に変わり、再びテレビ番組として登場した。そして、2004年。もうひとつの「アトム」が注目されている。それは、「原子」の大きさをベースとしたナノテクノロジー(ナノテク)である。「atomの時代」から「bitの時代」になったと騒がれ、IT産業が急速な発展を遂げた約10年。ナノテクは、まだサイエンスの段階にあるが、これまでの常識を超える可能性を秘めた基盤技術として注目されている。

ナノテクとはなにか

現在、ナノテクと呼ばれているものは、「100nm=0.1μm以下のサイズのモノ」というのが一般的な共通認識である。ナノテクの世界では、モノのサイズが小さくなるだけでなく、今までとは異なる性質を持つようになる。この新しい性質がこれまでの常識を超える効果を発揮する。例えば、家の壁や窓ガラスは雨風に打たれて汚れるものであるが、ナノテクを利用すると、壁や窓ガラス自体に、汚れを分解してしまうような効果を持たせることができる。すでに、空気が減りにくいテニスボールやサングラス、汚れがつきにくい服、車の塗装など、さまざまなところで利用され始めている。参考:The Top Ten Nanotech Products Of 2003

シリコンバレーとナノテク
半導体産業の中心であるシリコンバレーでは、微細加工の技術が、直接、ナノテクにつながっている。半導体を作るときに、細かく加工していくことで、1本1本の線の幅がナノの世界になってくる。このようなナノテクへのアプローチをトップダウンと呼ぶ。逆に、小さな粒子などからナノのオーダーの構造を作るアプローチは、ボトムアップと呼ばれる。新しい発想に憑かれたシリコンバレーでは、ボトムアップのアプローチを採用するベンチャー企業も数多く見られる。ボトムアップのアプローチがベンチャー企業にとって都合のいいところは、いまだ物理学の世界であることから新しい知見がどんどん出てくるところであるということや、それらを生み出すためのプロセスに半導体産業ほど資金を必要としないということが考えられる。

ナノテクのエネルギー分野への応用
これからの半世紀の間に、さらに大きな問題となると考えられているエネルギー問題を解決するため、ナノテクが応用されはじめている。具体的なものとしては、太陽光発電と燃料電池の分野がある。ナノ粒子を「塗る」あるいは「印刷する」ことで、コスト競争力のある太陽光による発電が可能となりつつある。また、ナノ粒子により構造を作ることで表面積の広い膜を作り、それを燃料電池のパーツとすることで効率を向上させるといった取り組みがなされている。電力系統からの電気に比べて不安定であることから、品質は不十分であるが、コストが下がってくることにより、これらの電源は破壊的技術になる可能性を秘めている。クリステンセンが「イノベーションのジレンマ」で指摘したように、このような「破壊」は、品質が必ずしも十分ではないものの、コストは十分に安いという製品が現れたときに起こりうる。電力会社は、今こそ、事業リスクのマネジメントの観点からも、このような破壊的技術に基づく電源に、真摯に取り組むことが求められているのではないだろうか。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-24 21:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

霜月、シリコンバレー

日本では、11月を霜月と呼ぶが、シリコンバレーでも、朝、車の窓ガラスに霜が降り、凍っている日が多くなってきている。日中晴れていれば、日差しは日本の5月中旬のように強く、木々の紅葉が鮮やかではあるが、肌に当たる風は冷たく感じられる。(写真は、11/24朝7時半頃の様子。芝生には霜が降りていて、日が当たるのにつれて、溶けて地面の上にもやがかかっている。)
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  # by yoshinoriueda | 2004-11-24 07:30 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(2)

"Fortune Favors The Bold"

「知識資本主義」(レスター・サロー、ダイヤモンド社)の原題は、"Fortune Favors The Bold"である。直訳すれば、「富は勇敢な者を好む」ということになるのだろうか。これがなぜ、「知識資本主義」と題されているのか不思議であるが、その答えは、一番最後に述べられている。
自国の文化に自信を持つことが、グローバリゼーションと知識資本主義で成功するために必要な正しい態度である。そう思い、勇気を持てば、今日のグローバリゼーションは、大きなチャンスとなるはずである。自国の文化はそのことによって豊かになり、国民の経験も広がり、そして経済も成長するはずである。・・・未知の領域に飛び込む者は、時として失敗するかもしれない。だが、飛び込もうとしない者は、常に失敗する。幸運は勇気ある者に微笑むのである。
なんだ、そんなことか、と思ったが、「自国の文化」というところは、奥が深いような気がする。この本の中で、文化とは、
従来(、)文化とは、老いた者が若きものに対して何を信じ、どう行動すべきかを伝えるものである。・・・文化とは我々が誰なのかを、そして自分の位置を確認するものでもある。・・・文化とは静的なものでなく、それは時とともに変化するものである。
と書かれている。米国にいると、自分が日本人であるということで、相手に対して価値を与えることができることがある。人口が減少する将来、日本人という「人種」は、天然記念物のように貴重な存在になるかもしれない。しかし、存在だけで価値を生み出すことは不可能である。例えば、優秀な人がいくらたくさん組織にいても、そこから新しい知識が生み出されてこなければ、新しい価値や感動は創造されないのと同じである。だからこそ、自分の考えや思いを発信する能力が大切になる。
なお、この本の中には、日本のことも記載されている。
日本人は豊かな国に住む貧しい人々である。・・・もし「政府」の役割が景気を回復させることであるのなら、日本には政府など存在しないといえる。日本の政府は喋り、議論し、約束するが、行動はしない。
行政関係者にとっては、あるいは政治に携わる者にとっては耳が痛いかもしれないが、ある意味、的確に日本の現状を捉えた記述であると思う。

日本は今、どうなっているのだろう。ふと、懐かしくなった。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-23 14:11 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(2)

「ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント」(酒井綱一郎)

週末は爽やかな秋晴れに恵まれたので、息抜きに軽めの本「ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント」(酒井綱一郎著、日経新聞社)を読んでみた。気に入った文を2つ。

■信頼こそが品質管理の基本

当たり前のようだが、あるいは、直接的なつながりがないようだが、実は、これは根幹を成すところだと感じた。本のなかでは、「自分の身を守るには、本当のことを言わないほうがいい。そんな空気が工場全体を覆っていた・・・」という前置きがあった。このような猜疑心に満ちた職場では、のびのびと議論したり、切磋琢磨しようという企業風土は育たない。だから、いいものも作れない。肌身で感じて分かる本質を突いた言葉だと感じた。

■仕事を進める上でもっとも大切にしたいことは、『自分探し』の時間を持つこと

一番得難い時間ではあるが、一番大切なのではないだろうか。この文章の後には、「没頭しきれるものを持った人は幸せです。そこには使命感があり、誇りがあります。・・・リーダーは部下にどういう専門を身につけさせ、究めさせられるかが勝負・・・」と続く。「自分はコレだ!」と思えるものに出会えることほどワクワクするものはない。それが情熱に変わり、継続を生み、結果として、いいモノが生み出されてくると思う。

***
(余談)
このblogは、「Entrepreneurshipを探る旅」という題名をつけたが、結局、自分探しをしているのだと感じる。旅は、始まりがあり、終わりがある。自分探しの旅は終わらないかもしれないが、節目節目でけじめをつけていきたい。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-21 22:00 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

シリコンバレーの紅葉 一本の木

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  # by yoshinoriueda | 2004-11-21 17:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

I'm a capitalist!

先日、Palo AltoにあるAurora Equityのmanaging partner, Dr. Jaleh Daieと、ある(見た目高齢な)起業家とともに昼食をとっていたとき、彼女が「I'm a capitalist!」といったことがまだ耳に残っている。起業家が、「ベンチャーキャピタル(VC)というのは、お金が必要なのか?」という質問をしたことに対する回答の流れの中での一言だった。会話の流れから説明すると、彼女の言葉は、「投資をした金額を上回ってくれば、その時点で売るのだ」という資本主義の原則を、端的に説明したものである。

Dr. Daieによるとバイオビジネスでは、liquidationまでに最低7年はかかるという。それは必ずしもIPOだけを意味しない。しかし、その付近の時点で、ビジネスの価値が投資した金額を上回っていれば、cashに変えてしまうという。VCは、ファンドの運営者であるから、投資家に対して利益をもたらさなければならない。通常ファンドは10年程度の期間で運用を行なう。1年目で運良く有望な起業家を探し出すことができ、ほぼ全額投資することができるという状況はほとんど考えられないため、投資して7年経つというのは、ほぼファンドの運営期限に近づいていることが予想される。だから、なんらかのexitが必要となるのは容易に想像できる。

この起業家は、プロトタイプを量産化に持っていくために資金が必要だと説明していた。私は、「それならば、既存の取引先から出資を仰ぐことが先決ではないか」とコメントしたが、彼女がこの起業家に対してアドバイスしたのは、「もし、VCを含め、金融機関などからお金を調達するなら、その既存取引先とのビジネスで利益が上がっていることを示す必要があります。VCの投資スキームは、非常に複雑で、それを理解していなければなりません。VCの考え方や話す言葉、雰囲気を肌身で感じなさい。そして、もし、自分の持分を減らすのが嫌ならば、銀行に行ってお金を借りなさい。」というものだった。

先の「VCはお金が必要なのか?」という質問をしているこの起業家の越えなければならないハードルは高いかもしれない。こんな起業家にこそ、メンターのような存在が必要である。そして、Dr. Daieのような"I'm a capitalist!"とはっきり主張できる人が、そんなメンターの一人になりえるだろう。そして、なにより、この一言に、資本主義の考え方が凝縮されているような気がする。何気ない昼食の味は覚えていないが、彼女の端的な言葉は決して忘れることはないだろう。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-20 17:00 | 対話の中から発見する! | Trackback | Comments(0)

「技術」それ自身がビジネスに差を作り出すのか?

International Technology Forum 2004がSanta Clara Convention Centerで開催された。Venture Capitalに関するセッションでは、Guy Kawasaki氏がモデレータを務めて、場を盛り上げていた。WI HarperのManaging Director, Dr. Jonathan Wangは、投資に際しては、人と市場に注目すると言っていた。ちなみに、WI Harperは、中国、台湾、シンガポールといったアジアでの投資を専門としているventure capitalである。

「人」のポイントは、起業家がStrong Personであること。Strongというのは、intangibleなので言葉で説明が難しいが、ここに、venture capitalistの難しさがあると語っていた。また、市場については、最低でも数十億ドルの規模が予想できることがポイント。おもしろいことには、「『技術』は違いを作り出さない」という点。これが、彼自身が経験から学んだことらしい。

パネルディスカッションを聞いて思い出したのが、少し前に読んだ「Googleと楽天・ライブドアを比較することに意味はあるか?」という梅田さんのブログのエントリーと、株式会社になったGREEの田中さんの「ネット産業は、サービス産業かテクノロジー産業か?」というエントリー。私自身の認識を一言で表現すると、「技術は利用するが、それが中心になっていないというのが、日本のネット企業の特徴」ということ。これは、技術それ自体が違いを作り出さないというDr. Wangの主張を裏付けているような気がする。

ちなみに、関西電力が2000年に掲げていた2010年グループビジョンには、「生活総合基盤産業」というキャッチフレーズがある。これは、GREEの田中さんのエントリーにあった
「生活密着型サービス産業」のほうが儲かる
というところにも通じるものがあると思う。BtoCビジネスによって大きな利幅を確保しようという思惑は、ベンチャー企業だけでなく、関西電力のような大企業の経営の方向性の中にも見ることができる。

結局、インターネットなど技術というものは、それを実現するための道具のひとつでしかない。同じ道具を持っていれば、その使い方に長けているほうが勝つ。しかし、道具はそれだけではないから、技術が決定的な要因にはならないのだろう。これが、パネルディスカッションを聞いた現在の私の感想と結論である。
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  # by yoshinoriueda | 2004-11-18 19:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

blogはcontextを共有して「寂しさ」を埋める一手段?!

a0004752_483256.jpg洪水に見舞われたTexas, Austinを後にして、薄雲の広がるCalifornia, San Joseに戻ってきた。Californiaに向う上空には、白い雲が広がっていて、光の照り返しがとても眩しかった。San Jose空港からRedwood Shoresにある職場に直行し、資料などを片付けた後、San Joseで行なわれたJTPAのセミナー「ブログの魅力と可能性」に行ってきた。

セミナーには、日本を離れ、シリコンバレーで仕事をされている方々が参加されていたが、そこで感じたのは「寂しさ」のようなもの。誰かに認められたい。何かを伝えたい。自分の存在を確かめたい。そんなさまざまな想いが入り混じっているような気がした。

平田さんが言っていたように、blogは、技術的な見方をすると、コンテンツ・マネジメント・システムという道具であるが、それがもたらすのはコミュニケーションである。先の「寂しさ」のようなものを埋めるのは、この「コミュニケーション」。verbalなもの、non-verbalなもの。realなもの、virtualなもの。いろいろなコミュニケーションの方法があるが、blogは、virtualであり、どちらかといえばverbalな方法になるのだろう。

寂しさを埋める?!ためには、contentsだけでなく、contextを共有することが鍵となる。blogのような媒体は、contextの一部を共有できる可能性を持っており、その役目の一部を果たすことができるだろう。個人的には楽観も悲観もしないが、blogがそんな特徴を持っていて、新しい時代の一端を担うことを願う。

参考:

■セミナーの様子が紹介されている記事
 ・死んでしまったら私のことなんか誰も話さない
 ・Feel Our Soul
 ・Sotto Voce

■参加者のblog(見つけることができたもの)
 ・dh's memoranda
 ・On Off and Beyond
 ・Sotto Voce
 ・ShinBLOG
 ・蕎麦処 ぱろある亭
 ・Dobkig - ベイエリア情報局
 ・遅咲きブログ少年
 ・Sunnyvale Wind
 ・死んでしまったら私のことなんか誰も話さない
 ・旧・死んでしまったら私のことなんか誰も話さない
 ・アメリカ見たまま
 ・Feel Our Soul

  # by yoshinoriueda | 2004-11-17 23:30 | シリコンバレーで感じる! | Trackback(1) | Comments(2)

Austin空港で見つけたモノ

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左:大理石でできた下腿の彫刻。きれいなカーブに惹き込まれてしまいました(^^;
右:Loan Star Stateというキャッチフレーズが書かれたTシャツときれいな帽子。Texasの心意気でしょうか?!

  # by yoshinoriueda | 2004-11-17 09:00 | つれづれなるままに... | Trackback | Comments(0)

"Be a scientist, save the world"

C60(フラーレン)の発見で1996年にノーベル化学賞を受賞したR. E. Smalley博士の"Our Energy Challenge"という講演を聴いた。人類が今後50年間で直面する10のChallengeのトップにくるエネルギー問題を解決しよう、そして、そのためには、"BE A SCIENTIST, SAVE THE WORLD"というキャッチフレーズを掲げ、多くの若者が科学技術に取り組むように仕向けることで、この問題を乗り越えようというのが今日の彼の主張であった。

彼が挙げた10のChallengeは、次のようなものである。
 1.エネルギー
 2.水
 3.食糧
 4.環境
 5.貧困
 6.テロ
 7.病気
 8.教育
 9.民主主義
 10.人口

エネルギー問題を解決するための手段は、電気を使うこと。しかも、太陽光による発電を推進することというのが彼の意見。風力やバイオマスという新エネルギーの選択肢もあるが、いずれも、量が十分ではない。かといって、原子力も廃棄物の問題が残る。

確かにそのとおりである。エネルギーの問題は、世界のために、子孫のために、解決しなければならない課題だと思う。誰かがやらなければならない。それは一夕一朝に行くものではなく、継続的な取り組みが必要不可欠である。

1990年以降、科学技術のPh.Dの年間取得者数は、アジア人が米国人を上回り、2000年時点で米国が1万人にも達しないところ、アジア人は2万人を軽く上回っているらしい。エネルギー問題に取り組むべきなのは米国人とは限らないが、優秀な人がこの問題の解決に力を尽くすことが求められていることは間違いないだろう。

私自身、社会人になるときに、情報通信を選ばずエネルギーを選んだのは、エネルギ-のほうが情報通信よりも基盤となるため、絶対に必要とされるものだろうと感じたからである。その思いは、実はシリコンバレーに来た今も変わっていなかった。シリコンは、半導体の素材であるが、半導体は、チップやメモリーに使われるだけでなく、太陽光発電にも使われている。いまや、太陽光発電が石炭火力発電とランニングコスト面でも建設コスト面でも肩を並べるまでになってきた。太陽による「資源」が豊富なところでは、他の電源に負けない強みを発揮する。太陽光発電は、これからようやく面白い時代を迎える。そう期待したい。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-15 18:30 | いろいろ聞いて考える! | Trackback | Comments(2)

新しい時代の面接?!

面接方法には、在来型、行動型というものが一般的である。在来型の面接とは、「五年後にはどうなっていますか」、「休みの日には何をしていますか」といった退屈な質問が続く。行動型の場合、「生活の中で発生した問題の中で、それに対処してうまく行った例を挙げて下さい」といった「(面接されているほうから見て)それがどうしたの?そんなこと聞いて何が分かるの」と思わせるような質問が出てくる。(もちろん、ある程度のことは分かるのだが。)


これに対して、マイクロソフトでとられている面接方法は、「未来形」らしい。例えば、「富士山を動かすのに、どれだけ時間がかかるでしょう」といった質問がある。「ビル・ゲイツの面接試験」(ウィリアム・パウンドストーン、青土社)には、その類のことが書かれていた。ソフトウエアはアイデアであり、そのアイデアも常に変化しているため、何をやってきたかではなく、何ができるかで採用するというのがポイントで、この本の中では以下のようにまとめられていた。
テクノロジーが日々足元で変化しているときには、特定の、すぐに陳腐になる技能を見て人を採用するのは、あまり意味がない。難しくても、一般的な問題解決能力を見て採用しようとすべきだ。(p.174)
たしかに、未来形の面接では、アタマの体操のような、あるいは、創造力を試すような問題が出されるのかもしれない。しかし、このような類の問題は、相手が自分と働くに当たって、ふさわしいかどうかを試すものと考えることもできる。誰しも、一緒に働くなら、会話をしていてためになるような人がいいだろう。少しのきっかけからお互いの脳を刺激し合うような知的興奮が生み出せるかどうか、これがポイントなのではないだろうか?

明治大の齊藤孝さんの言葉を借りると、「そいつつズラし」てコミュニケーションを続けながら、何かを生み出すことができることが大切なのであって、その答えが正しいかどうかは問題ではないのではないだろうか。世の中、答えが正しいかは、やってみなければわからないというようなことは実はたくさんある。特に今の時代はそうかもしれない。

基礎知識と問題解決の基本的な能力を身につけていること、そして、それを実践することができること。これが大切なのだろう。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-14 21:30 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

Texas州Austinを訪ねて

a0004752_16152090.jpg出張で昨夜からTexasのAustinにやってきた。会議の合間の1時間の休憩時間に街を少し歩いた。日曜日ということもあるせいか、店があいておらず、人もあまり歩いていない。雷雨が上がったあとで、空は厚い雲に覆われている。昨夜も、Austin空港に降り立つ飛行機は厚い雲の中を飛んでいた。途中、上と下に雲が見え、遠くに少し青空が見えるという不思議な景色が広がっていた。長い間その風景が続いているなあと感じたころ、隣に乗っていた中国人らしき青年が、「地上がほとんど見えない状態なのによく操縦できるなあ~!」と言った。その隣のアジア系男性が、「そりゃ、レーダーに誘導されてるんだろ」と突っ込みを入れていた。そんな天候はともかく、昨夜、空港からホテルに行くときに利用したタクシーの運転手は、「この町は、DellのHometownだぜ!」と自慢していた。(モチロン、日本語で「だぜ!」と言ったわけではない。(^^; ちなみに、Dell社は、Austinから30分ほど北にあるRound Rockという町に本社がある。)

一時、Silicon Hillと呼ばれるくらいの評判は、実際に今訪ねてみると、会議の中でしか感じられない。Michael Dell氏が1984年に$1,000でDellを創めてから20年になる。もう「成人式」を迎える年である。Dell氏がdrop outしたUniversity of Texas at Austinは、全米でもトップクラスであるらしい。1年から2年に上がるときに、すでに多くの落第者が出るくらい厳しく教育されるため、トップクラスの学生は非常に優秀であると、その大学の教授であるGrant Willson氏は言っていた。

Texasの産業といえば石油、航空宇宙であり、Bush政権のもとでは、政治に対しても影響力があるが、次の産業の集積として、時代の波に乗るように「ナノテク」を考えているようである。優秀な人材、DellなどのIT関係の企業の集積は、この町の雰囲気を変えることができるのだろうか。今は、なにも無い、といっていいほど寂れた雰囲気がする町がどう変わるのか。次の訪問を楽しみにしたい。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-14 18:00 | つれづれなるままに... | Trackback | Comments(0)

シリコンバレーで感じるエネルギービジネスの胎動

スタンフォード大学のビジネススクールで開催されたEnergy Conferenceに出席した。エネルギー業界という保守的と見られがちなところにフォーカスをあてたという意味では、ユニークな会議だったと思う。

面白かったのは、Energy InnovationsのAndrew Beebe氏の学んだ教訓。"VCs actually have hearts."というもの。ベンチャーキャピタルには心というものが無いのか?という問いかけに「無いよ!」と平気で応える人もいるだろうが、彼の教訓はそうではなかった。もちろん、心無いVCに出会ったこともあっただろうが...

彼がやろうとしているのは、安価な太陽光発電。KonarkaNanosolarMiasoleSolaicxという他のベンチャーと伍して戦おうとしている。ただ、彼は、この太陽光発電の業界は、"A 1000s flowers will bloom."であり、"Winners take all."ではないという。もしそうなら、それはそれで素晴らしい。

Oilで醜い争いが繰り広げられ、今後、中国やインドの経済活動の発展とともに、ますます化石燃料の枯渇が懸念される中、Alternative Energyとしての太陽光や風力などが利用されるのは、世界中が望んでいることかもしれない。もちろん、バッテリーがないと、夜や雨の日は電気を得ることができないが、大きな可能性を秘めていることは確かである。

ちなみに、米国では、原子力発電もAlternativeであるという。先ごろ、Wall Street Journalでも原子力に対する取り組みがなされようとしているとの記事があった。11月9日に出たpartyでも、ある参加者が、米国での原子力発電の必要性を説いていた。原子力も確かに高速増殖炉や核融合実現までのalternativeであるといえば確かにそうかもしれない。

エネルギーに頼らなければならなくなった先進国の生活を見ればわかるとおり、今後、この問題はますます重要度を増すだろう。太陽光発電は、もともと半導体の技術だから、この周辺の地域に存在する技術領域との整合性もあるが、シリコンバレーでは、風力などを含め、ITだけでなく、エネルギーについても真剣に議論されはじめている。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-10 19:00 | スタンフォードで感じる! | Trackback(1) | Comments(2)

信頼の連鎖


Kamran Elahianがchaimanを務めるRelief International - Schools OnlineのAnnual EventがMenlo Circus Clubで開催された。Relief International - School OnlineはAzerbijan、Iran、Iraq、Jordan、Sudan、Tajikistan、Afganistanをはじめとする地域で活動するNGO/NPOである。学校にパソコンを配り、ITリテラシーを与えたりするといった活動がなされている。

このPartyに参加して、Kamranが多くの人に支えられているかということを再認識した。誰かを信じ、誰かに信じられ、信頼が信頼を生み、その輪が広がっているようである。"can-do attitude"に支えられ、活動が行なわれている。ケタ違いのお金持ちも、節税にもなることから、活動を支えている。

ベンチャー企業の場合、企業がブランド価値を創造しようとしている段階にあるため、企業の信頼というものはそれほど存在しない。しかし、やっている個人に対する信頼というものは存在する。信頼が存在しなければ、ベンチャーキャピタルはお金を出すことはないだろう。ベンチャー企業の活動のポイントは、この信頼の連鎖を造っていくということにある。逆に言えば、この信頼の連鎖を作ることができれば、そのベンチャー企業は成功するのである。

そして、ベンチャーキャピタリストは、鎖と鎖をつなぐ役割をする。お金という手段だけでなく、経験や知識、人脈、そして信頼でつないでいく。どの鎖とどの鎖をつなげていけばいいのかを選び<投資案件審査、パートナー探し>、いつ、どうやってつなげばいいかを考え<戦略立案>、実際につないでいく<契約、ハンズオン支援>。

個人が信頼を作り出すということは、決して見落としてはいけないポイントである。だから、どこで働いていたかということが問題ではなく、だれと働いていたかということが問題である。どんなに業績のいい企業であっても、まだ成果が見られない企業であっても、それ以上に大切なのは、誰と一緒に働いているか/働いていたかということなのである。

信頼の連鎖。この重要性を改めて教えられた夜だった。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-09 23:30 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

マルチラウンドの意味は何か?

ベンチャー企業に投資する際、マイルストーンを決めて段階的に投資していくという手法がとられることが多い。これは、何を意味するのか?事業を進めていく上で、さまざまな環境変化に対応するためだといった考え方も一理あるし、一括でリスクを保有してしまうほどファンドが大きくないというのもあるかもしれない。

梅田望夫さんのblogでは、一括して最初から最後までリスクを保有してしまうことについて、次のようなコメントが出ていた。
事業再生とベンチャー立ち上げは違う
ではWarburg Pincusの提案する投資プロセスが抱える問題点とは何か。それは、ベンチャー成長の不確実性、事業創造の不確実性というものを、この新しい投資手法が軽視している点である。「新事業創造というのは、頭のいいビジョナリーと、経験豊富な経営者と、豊富な資金があればできる」というやや傲慢な思想が、この一括投資手法の陰に隠れている。しかし、新事業創造なんて、そんな奇麗事ではいかない。

たしかにそうかもしれない。ただ、事業会社が新規事業を行なう上では、一括投資手法に似た形になるのかもしれない。この事業会社による新規事業というのも、なかなかうまく行かないというのが実態である。

では、マルチラウンドでマイルストーン投資するのはなぜか?それは、プリンシパルである投資家のエージェントとして働く起業家に対する「恐怖心」のようなものを与えるためではないかと思える。それを達成しなければ、未来は無いということが、起業家を駆り立てるのではないだろうか。このように、うまくインセンティブを与えるために、マイルストーンを決めているような気がする。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-08 22:57 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(0)

「電車男」の本とWebのフィーリングの差

電車男になったのを、サンノゼにある紀伊国屋書店で見た。今働いている職場の上司から、ずーっと以前に「電車男」の話を聞いたのがきっかけで、夜中までかかって、一気に読んだのが最初だったが、本の形になったものを手にすると、どこか雰囲気が違っていた。

11月5日付の日経産業新聞には、この本を担当した新潮社出版部文芸第二編集部の郡司裕子さんが、編集や出版に際して苦労された話が取り上げられていたが、たしかに、画面でみた文字などは、本でもほとんどそのまま再現されていた。

しかし、横書きであるとはいえ、ページをめくるのと、スクロールするのでは、少し感覚が違う。見開きで、右のページに絵が入っていると、そこに目がいってしまうのだ。スクロールなら、上から徐々に絵が見えてくる。この感覚は、昔のパソコンで、一行ずつコマンドを打っていって応答が返ってくるのと似ているかもしれない。この感覚は、独特のものではないだろうか?欧米のサイトでも、これほど面白いサイトにはなかなか出会えない。

いずれにせよ、2ちゃんねるは偉大な日本の文化だと実感した。でも、2チャンネルは、スクロールするに限る!

  # by yoshinoriueda | 2004-11-06 10:15 | いろいろ読んで考える! | Trackback(1) | Comments(4)

Bush勝利によるシリコンバレーへの影響について

地元のラジオ局が伝えるところによると、シリコンバレーでは、Bushの勝利をおおむね好意的に受け入れているそうである。バイオ産業や防衛産業は、Bushが勝利したことにより、当面、これまでどおりの政策が継続されると見ているからである。

いかにも経済合理性が判断基準のほとんどを占める地域らしい見方であるといえるのではないだろうか。起業家精神は、このような経済合理性に基づく価値基準に大きく依存していると思われる。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-04 10:30 | シリコンバレーで感じる! | Trackback | Comments(0)

Bush勝利によるアジア地域への影響について

Bushが大統領選を制したことにより、アジア地域は、どのような影響を受けるだろうか?職場で政治の話になって、気づかされた潜在的に一番大きな問題は、中国と台湾の関係である。

・中国は、もともと台湾を自分たちの国の一部だと考えている。
・この歴史的認識は、親から子へと受け継がれている。
・中国は、台湾が独立国家で無いという宣言を行なった?!
・2008年のオリンピックまでに、きっちり決着をつけたい。
・とはいえ、中国の台湾侵攻により、オリンピックでのボイコットがあっては困る。
・天安門事件でも1年もたてば元通りの生活になっている?!
・時が全てを解決するものである。
・米国がイランとの戦争に忙しく、台湾をバックアップすることができない。
・中国は、経済的にも大国になった。
・中国は、軍事力も十分に台湾と対抗できるだけのものを持っている。
・台湾人は、中国本土とのビジネスで悪どいこともしてきた?!と中国人は感じている。
・台湾の憲法には、自分たちが中国の代表だという表現がある?!
・台湾は、大量に兵器を購入して中国を刺激している?!

台湾と中国の緊張は、この大統領選挙を機に、一気に高まるかもしれない。新たな無益な争いが始まりませぬように...

  # by yoshinoriueda | 2004-11-03 23:30 | 対話の中から発見する! | Trackback | Comments(5)

KerryとBushの戦いに見る起業家の「突き進む」精神

Bushが大統領選を制したようである。次期大統領候補の直接討論採点から学ぶことと題して一度取り上げたことがあったが、選挙が近づくにつれ、どちらかといえばBushのほうがましだと思うようになっていた。それは、メディアを通して見るBushの表情が、Kerryよりも「アメリカらしい」と感じるようになっていたからだ。感覚なので、その理由は説明できない。しかし、Kerryでは役不足のような気がしていた。

Kerryは、きっと頭もいいのだろう。ディベートをすると、知的な感じがするのかもしれない。ディベートのテクニックでは、Kerryは勝っているのかもしれない。しかし、あまりにも知りすぎて、考え方の軸がブレるようなことも多々あったようである。戦争をしている国の代表を務めるには、そのようなブレは命取りだろう。

Bushが大統領であるこれまでの期間は、確かにアメリカにとって、あまりよくなかったかもしれない。だから、人々は、なんらかの変化を求めるのかもしれない。接戦であったものの、結局、なにも起こらなかった。変化を求めてはいるが、人々が求めているのはKerryではないということなのかもしれない。

おもしろいことに、Kerryを指示したのは、西海岸と東海岸が主なところである。変化は辺境から起こるといわれるが、政治に変化を求めたのも周辺の地域であって、アメリカの中央部分は、Bushという現在の大統領を支持していたのかもしれない。

シリコンバレーは、人々の無念さに満ち溢れているのかもしれない。それを知ったかのように、今日は、風がつめたい。起業家についても、そうかもしれない。いろいろ知りすぎて、先に進めない人よりも、これだと信じて突き進む人でなければ、事は成せないのかもしれない。ただ、事を成すために、武力に頼るのはいかがなものか。せめて、もう少し、平和な世界になるようにと祈りたい。

  # by yoshinoriueda | 2004-11-03 13:00 | シリコンバレーで感じる! | Trackback(1) | Comments(0)

「当社の常識」は判断基準になりえるのか?!

11月1日付けの日経産業新聞に、フラッシュメモリの特許をめぐる東芝と舛岡氏(東北大学教授)の話が載っていた。東芝セミコンダクター社の知的財産部長の発言の中に、こんな言葉があった。

「当社の常識では大変な厚遇といえる。決して不遇な技術者だったわけではない。」

特許の価値や、技術に対する見解を述べるつもりはないが、本気でこんなふうに思っている人がいるとしたら、絶望感を感じる。どう評価するかはそのときの状況などによって左右されるのは分かるが、「当社の常識では」という判断基準が横行している企業に未来は無い。東芝に未来が無いのかどうかは別にして、このような判断基準で物事が決まっていくと、常識がお客さまに受け入れてもらえなければ、その企業は、存在理由を失うだろう。

そもそも、常識というのが存在するのかということさえ、自分にとっては疑問に思える。ましてや、「当社の常識」など判断基準に値しない。'Tousya no Joshiki'? So what?そう叫んでしまいそうである。

シリコンバレーでビジネスプランを見ていると、他人と同じことをしようとしている起業家が、実はたくさんいる。人が考えることはよく似たことだから仕方ないが、もしそれで、「これが我が社の常識です」などといおうものなら、そんな輩にはお金が集まらない。当然である。だれが、そんな傲慢で高慢な輩に自分のお金を託すのだろう。かといって、あなたの常識が必要とされているのではないのですよ、と諭す気にもならないが...。

東芝だけではないと思う。おーい、日本企業!大丈夫か~~~
いい加減、目をしっかり開けて、周りをみたらどうだ?

  # by yoshinoriueda | 2004-11-02 10:30 | いろいろ読んで考える! | Trackback | Comments(4)

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