6/7のAWGの状況報告(超概略版)

■全体の印象

各国のスタンスに大きな違いはないものの、COP15までとは明らかに雰囲気が変化。ギスギスした雰囲気から、淡々とした雰囲気になっている。たとえば、LCAの技術移転のセッションでは、日米などが知財保護を訴え、ボリビアが知財権こそ技術移転の障壁となっているといったこれまでのスタンスを繰り返し主張するが、できる限り発言を2分以内に抑えるなど、議長の議事進行に協力する姿勢を見せている。また、中国が、「農業分野ではmitigationよりもadaptationのほうが重要だ」というまともかつ建設的に聞こえる発言をしているのも印象的。

このような状態になっているのは、COP16までに何かを決めなければならないといったプレッシャーがないこと、また、議長が論点を数点出して、それに対する各国の回答を求めるといったいわばQA形式の論点整理という形で議事進行を行っていることなどが影響していると思われる。

■MRVの議論

今回のAWGの大きなトピックスとして、MRV(Measurable, Reportable,
Verifiable)が挙げられるが、どのような項目を検討すべきか、頻度はどうすべきか、チェックする組織はどうするのかといった精神論・形式論に終始し、いかにワークさせるかといったテクニカルなところまでいくためには、まだ相当の時間を要すると思われる。

昨日は、先進国を対象としたMRVの議論のみが実施されており、各国の主張に乖離はあるものの、議事は混乱することなく終了している。

■数値目標

AWG-KPでは、LULUCF(森林吸収源)の扱いをどうするかという点で議論が止まっており、これが明らかにならない限り、大きく前進することはないものと思われる。
by yoshinoriueda | 2010-06-08 15:49 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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