SY、GM、KYな人たちに贈りたい、という思いが伝わってくる「デフレの正体」(藻谷浩介)
2011年 02月 22日
人口が減っていることが問題だということは分かる。それがいろいろなところに歪をもたらしているというのも分かる。デフレの一因になっているということも分かる。
で、だから何なんだ?そんなことみんな知ってるんぢゃないのか?
と思うので、「それが正体です」なーんて言われても、ありがたくもなんともないというのが正直なところ。
どちらかというと、筆者がこれまでいろんなところでいろんな人に叩かれてきたんだなぁ...という思いはしみじみと伝わってくる。それは、
数字を読まない(SY)、現場を見ない(GM)、空気しか読まない(KY)人たちが確認もしていない嘘をお互いに言い合って拡大再生産しているといった記述からも見て取れる。読むべきところがないかといえば、そうでもなく、例えば、高齢者のウォンツとして、
最も強いウォンツは、将来健康を損なった場合の医療サービスの享受なので、そういう可能性に備えてお金をためておく…これは医療福祉サービスの先買い(コールオプション)
といった見方。そういう風に見ると、そうやって貯めた貯蓄が、経済学で言うような流動性の高いものではなく、とても流動性の低いものになっているということ、そして、高齢者は裕福でも、その裕福さは実感できないし、他の世代にも共有されていないということが見えてくるような気がする。
また、付加価値に関するヒステリックとも思える記述は、読んでいるだけで、もっと付加価値について理解を深め、かつ、増やしていかねば!と思わせるところがある。次の1から7までを付加価値率(=付加価値額÷売上)の高い順に並べるとどうなるか、という問いは、ひっかかりそうになったところだった。
1 自動車(部品を除いて完成車組み立ての大企業のみ)「ハイテク=高付加価値」という思い込みがあると、ひっかかってしまう。ま、いかにいわゆる「ぼったくるか」が付加価値が多くなることの決め手なわけで(^^;;
2 エレクトロニクス
3 建設
4 食品製造
5 小売(百貨店、スーパー、専門店チェーン、通販など)
6 繊維・化学・鉄鋼
7 サービス(飲食業や宿泊業、清掃業、コンサルなど)
正解は本書を見ていただければと思うが、ま、読んでも損はないかもしれない。いやそう思わせるのは、もしや、論旨をグルグルまわすことで、惑わそうって魂胆なのかな...(^^;
#いや、単にアタマが悪いだけなのかな(^^;;