「素人が作った納期も品質も保証できない商品」を「市場価格の何倍もの値段で買え」という固定価格買取制度
2012年 02月 23日
「『反原発』の不都合な真実」読了。著者は、金融日記の藤沢数希氏。
エネルギーや原子力、放射線の素人とはいいながら、データや調査に基づき、きちんと冷静に書かれている。
面白いところはいろいろあるが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する部分に対する批判は真っ当。
「素人が作った納期も品質も保証できない商品を、棚にのせたときはとにかく市場価格の何倍で買え」などといったことが本当にいいことなのでしょうか。市場で競争力がないから政策で無理矢理押し進めなければならないというわけだが、果たしてそんなことをしてどうなるのか?というと、藤沢氏曰く、
ヨーロッパ諸国など、自然エネルギーの育成に積極的な国では、こういった不安定な電源の性質を補うために、空焚きした火力発電所のバックアップが必要になり、かえってCO2の排出量が増加したという報告もあります。
[武田恵世「風力発電の不都合な真実−風力発電は本当に環境にやさしいのか?」アットワークス、2011年]
ということになっているらしい。タウンミーティングみたいなところでもそんな質問は出たりするが、主催者側はそんな質問をはぐらかしておしまい。
自分達が自然のエネルギーを使いこなせるなんて思っているのが大間違いの思い上がり。中途半端な技術を普及させるなんてことをせず、もっと謙虚になって、今は技術開発に邁進すべき時だと思う。