江島健太郎さんの「情報・時間・コミュニケーション、そして意識」を読み終えて

今朝のシリコンバレーは雨。昼前になって少し晴れ間も見えているが、路面が濡れていて滑りやすい。朝、車の中で聞いたラジオニュースは、Los Angels(LA)で電車が脱線・衝突する事故があったと伝えていた。今朝の雨が、先日地すべりに見舞われたLAを連想させたのだが、今回は、人為事故の模様...。(San Jose Mercuryによるニュースはこちら

さて、いつも楽しみに読んでいる江島健太郎さんのblogの「情報・時間・コミュニケーション、そして意識」という4回モノのシリーズ・エントリーが終わったようなので、少し感想を...。

そもそも、このシリーズ・エントリーは、第1回目で、
理系の大学を出てそこそこの会社に就職して経験も積んでエラくなり、なんとなく社会の仕組みがわかった気になってしまってる20代~30代のアッパーミドルが膝をガクガク震わせて、わたしは何て何も知らなかったんだろう、みたいなところから私のバーチャル赤提灯仲間になってもらうことを期待してることはナイショです
といわれていたので、私も一応、「理系の大学を出てそこそこの会社に就職して経験も積んで、でもエラくはなれず(^^;、なんとなく社会の仕組みがわかった気になってしまってるかもしれない30代のミドル(うーん、心理的にはまだヤングなんですが...)」なので、こりゃ、読んで、「膝をガクガク震わせて、わたしは何て何も知らなかったんだろう」と思うかもしれないなーと期待していた連載モノで、実際、なかなかの大作である。

すれた大人よりも、江島さんが言うように高校生ぐらいに是非とも読んで欲しい。高校生を持つ親は、子供たちに読むことを薦めてほしい。きっと高校生ならば全体像は理解できると思うし、面白さも味わえると思う。個人的には、もともと自己組織化やカオスの研究をしていて、認知科学(cognitive science)に興味があったことから、内容的には「おさらい」といったところが多かったが(これは、ホント偶然・・・)、普段自分が漠然と感じていることや考えていることがうまく整理されていて、勇気づけられたところ、考えさせられたところも多々ある。

例えば、
いずれにせよ、何らかのイリュージョンによる現実の主観化がなければ、世界を認識することはできないのである。いくら客観的であろうと努めても、そこには自ずから限界があることを知らねばならない。
という部分。これは常々感じていたことが端的に表現されている。また、
排他的風習、派閥感情、少数民族の差別などといったものはみな、外情報がわからない人たちに対する嘲笑の要素を何らか含んでいる。
という部分は、「どんなに情報通信が発展しても、誤解は生じるし、争いの火種は残る」ということにつながっているような気がした。そして、だからこそ、例えば、自律分散型のエネルギー源があれば、少なくとも、そのモノを奪い合う必要性はないのかもしれないと思う。(もちろん、必要性がないからといって奪い合わないのかというと、そういうわけでもないのだが...)

いずれにせよ、江島さん自身がいろいろ読まれたことを自分なりの視点で解釈して、再度あのような形にまとめるというプロセスは大変だっただろうと推察する。分かりやすく、かつ面白くまとめられた江島さんの努力には、
マジ感動シマスタ (・∀・ イイ!!!!!
 お疲れさまでしたm(--)m

~原文をまだお読みでない方は、是非一度ご覧下さい~
[江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance]
 情報・時間・コミュニケーション、そして意識(1)
 情報・時間・コミュニケーション、そして意識(2)
 情報・時間・コミュニケーション、そして意識(3)
 情報・時間・コミュニケーション、そして意識(4)
Tracked from 江島健太郎 / Kenn.. at 2005-01-31 23:59
タイトル : シリーズを振り返って
今回のシリーズに何とかケリをつけてみて、色々といただいた反応を振り返ってみました。 「浅倉卓司のログ@WebryBlog」からは何度かトラックバックをいただきましたが、この中で梅田さん@はてなのこのエントリに関連してエコノフィジクスにご興味があるようだったので、ちょうど以前ファインマンの経路積分について調べていたときにくだんの高安氏が飛田氏を交えてGLOCOMで対談したコンテンツをたまたま見つけて、これがまた面白かったのでご紹介します。 ゆらぎを扱う数学の誕生 現代社会におけるゆらぎの数理の重要性 ち...... more
by yoshinoriueda | 2005-01-26 12:04 | シリコンバレーで感じる! | Trackback(1) | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


by yoshinoriueda
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