糸井重里氏のインタビューに見るベンチャー成功の鍵

シリコンバレーの1月最後の週末。昨日と同じく快晴。早いものでもう2005年の12分の1が過ぎようとしている。インターネットの世界は、犬が人間の7倍のスピードで年をとることにちなんで、「ドッグイヤー」で物事が進んでいくといわれるが、それを体験したかのように、あっという間に1ヶ月が過ぎたという感じがする。久しぶりにGREEにアクセスして、友達のblogを覗いていたら、トモミさんの死んでしまったら私のことなんか誰も話さないからたどって見つけたほぼ日刊イトイ新聞にあるSay Hello! あのこによろしく。というサイトを見つけた。ドッグイヤーというスピード感を忘れさせてくれるサイトで、少しほのぼのとした気分になった。(以下の小難しい話を読む気がしない方は、このSay Hello!をご覧下さいm(--)m)

さて、その死んでしまったら私のことなんか誰も話さない「変貌しつつあるメディア(糸井重里氏インタビュー)」としてエントリーをあげているトモミさんが小鳥さんのサイトから辿って知ったという日経ビジネスExpressの新春特別企画:糸井重里氏インタビューを読んでみたのだが、これはなかなか面白かった。小鳥さんが「本当は教えたくないんだけど・・・」と言われているように、私も本当は教えたくないんだけど(^^;なかなか貴重なインタビューで、"entrepreneurship"に関連することも含まれているので、エントリーとしてアップして公開してしまおう~!

もともと糸井氏には、普段から注目していたのだが、その背景にある考え方を垣間見たような気がする。例えば、
僕のつくる本には、2つの軸があって、「大インテリがひっくり返る」と「何も知らないおばちゃんが間違えて手にとって、面白がる」。この2つを同時に含んでいる。それが見たり読んだりした時に、嫌味なく作為なく含まれている。それが理想です。
というもの。そして、先ほど述べたように、実は、このインタビューの中には、ビジネスや起業に深く関係するところがいくつかある。例えば、
そう(糸井氏が作った世界に引き込まれるということは、「催眠術にかかっている」「宗教っぽい」と言われがちであるということ)言われるのは、実は覚悟はしているんです。吉本隆明さんが『悪人正機』(新潮文庫)という本でおっしゃっているんですが、頭がすっきりするのは科学で、でも、人が本当に好きなのは宗教の方だと。訳の分からないものに引かれていくという部分が、自分が本当に好きな方で、「頭をすっきりさせなくてもいいじゃないか」という気持ちが誰のなかにもある。
という一番最初の回答でいきなり発せられた言葉。ブランドを確立していくというのは、まさに、このような要素が少し入る。そして、そのような要素が入る一つの結果として、企業による顧客の選択と、顧客による企業の選択が発生する。別の節で、「健康な諦観」という端的な言葉でも表現されていたが、次のように語っている。
うちでも「捨てる」とまでは言えないですよ、なかなか。だけどこのぐらいしかファンにはなってくれないだろうなというのは分かりますよね。
そして、"entrepreneurship"という視点で見たときに、一番重要なのは次の一節!
僕はこう考えています。1:新しいことは、不慮の事故から始まる。2:青写真を描いて設計したモノは、すでにある、だから2番手にしかならない。
マーケティングについていうと、みんな、「当てる」ことにこだわりすぎているんだよね。マーケティングで精緻に数字を分析してほんとうにヒットするならば、誰だって売れますよ。孫正義、西和彦、そして堀江貴文、どの人にしても最初は「そんな杜撰な」という話で始まって、当たってみれば「いや、あの人は度胸がいいから」でまとめられるわけです。「当たった」、ということに目を向けすぎている。そこだけ見ていても度胸の良さとかしか説明つかない。彼らは、当てたかったんじゃなくて、新しいことをやれると思った、2番手になりたくなかった人たちなんですよ。
ここ、シリコンバレーで起業家の方々と話をしていると、「いろいろやってみて結局ここにたどりついたんですよね~♪」な~んて話を耳にすることが実はよくある。そして、これをドラッカー風に言うと、
イノベーションに優れた会社は、新しいアイデアの最大の市場は予想外のところにあることを知っている。(「実践する経営者」P.F. ドラッカー、ダイヤモンド社
ということになるのだろう。彼は、この著書の中で、「起業家が陥るわな」として、4つのものを挙げている。その第一のわなが、「思いもしなかった市場で成功したときに生じ」ると言っている。起業家が成功に気づかないというのである。というか、予期せぬ成功を拒んでしまうというのである。なぜなら、「起業家は自分が主人公だと思ってい」るからだとのことである。

糸井重里氏のインタビューに見るベンチャー成功の鍵_a0004752_13301376.jpg成功は変化として現れる。その変化に気づき、自分の価値の最大化ではなく、事業自体の価値の最大化に専心することができたとき、初めて事業が大きくなる道を歩み出すのかもしれない。この1ヶ月を振り返り、自分の周りに変化があったかどうか、あと半日、青空の下でもう少し考えてみたいと思う。

  by yoshinoriueda | 2005-01-30 09:13 | いろいろ読んで考える! | Trackback(4) | Comments(2)

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Tracked from 小林Scrap Book at 2005-01-31 15:10
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Commented by Rovrovner at 2005-01-31 10:56
私は企業化でもないし、シリコンバレーにいながら医療の下っ端の方でボチボチやってるのですが、これは勉強になりました。当てるという事に拘るって言うのは拘らない事のほうが難しいのかもしれません。たとえば私で言うならばブログとか。。。でももう良いや、自分流で行こうと思ったときに何かが芽生えるのかもしれませんねぇ。って解かっても無いくせに、わかったような事書いてはいかんな、私も。
Commented by yoshinoriueda at 2005-01-31 13:31
おっしゃること、よ~く分かるような気がします(^^;;
「勘違いしない自分流」というのがいいのかも知れませんね。

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