スペースシャトル打ち上げ再開とSiC
2005年 04月 08日
野口さんは「コロンビア」の事故で亡くなったウィリアム・マックール操縦士と親しかった。マックール操縦士は大リーグファンで、野茂英雄投手(デビルレイズ)の活躍などを語り合ったという。このため、「彼への友情を示したい」と大リーグで活躍する日本人選手にボールへのサインを依頼。野茂投手やヤンキースの松井秀喜外野手、マリナーズのイチロー外野手、メッツの松井稼頭央内野手など7選手が協力した。とのこと。
理系白書ブログの元村有希子さんも頑張って取材されている様子。毎日新聞のウエブサイトでは、カタ目のレポートをちょこっと(といったら失礼だが(^^;)載せておられるが、ご自身のブログのほうでは、NASAの広報姿勢だとか、アイリーン船長の話だとか、SMAPの「香取君と吾朗ちゃん」が来てた話だとか、名刺入れをなくした話だとかが載っていて、なかなかおもしろかった。
コロンビア号は、発射時の外部液体燃料タンクから落下した断熱材が、オービター(スペースシャトル)の翼を直撃して、亀裂を発生させてしまったことが、大気圏に再突入した際に、大気との摩擦熱と振動に耐え切れず破壊されてしまったという話がある。スペースシャトルの主翼の前側の素材、RCC(Reinforced Carbon-carbon:強化カーボン)には、シリコンカーバイド層でコーティングされ、熱に対する耐性を発揮するのだが、このシリコンカーバイド(SiC)層がうまく生成されていなかったことも事故原因の要素になっているようである。
SiCという化合物は、耐熱性、化学的安定性といった特徴があるのに加えて、半導体の材料であるシリコン(Si)に比べて、高い電圧に耐え、電力の損失も少ないため、省エネルギー・高出力対応の次世代半導体素材として注目を浴びている。昨年末には、ロームが従来比1/40の低損失SiCパワーMOS FETを開発したと発表するなど、デバイスとしての開発も進みつつあるようである。
ちなみに、このロームの製品は、豊田中央研究所が開発したRAF成長法(Repeated A-Face growth method)と呼ばれる方法で作られた高品質な単結晶がベースとなっている模様(日経エレクトロニクス No.893)。こんなところでもトヨタグループ...恐るべし!
ちなみに、SiCといえば「PBMR」とピン!とくる方は、かなりのオタクです(^^; (昔々、あるところで、こんなこと等いろいろ勉強していたな・・・と懐かしくなりました。)
そんなスケールのでかい話でも、シャトル表面の傷一つで大事故になるんですから、世の中、何がどうなるか、ホントわかりませんよね~
ただ、毎日を楽しく生きることができれば、と願うばかりです(^o^)/