量子力学を応用した未来のマーケティングシステム「Scanamind」は無意識を構造化!?
2014年 12月 16日
Q. なぜ、マーケティングに量子力学を使うのですか?確かに、無意識を調べようがないので、fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)などの装置を使って脳内の状態を調べる神経経済学Neuroeconomicsなどにも注目され始めているが、量子力学を使うというのはなかなか斬新。[参考:竹内幹の講義:実験経済学14: 神経経済学をつかむ]
A. 従来のマーケティングでは、「本質」を捉えられないからです
脳内プロセスのうち、意識的に行っている割合はわずか5%で、95%が無意識…従来の手法では、意識調査はできるけれど、無意識は調べようがありませんでした…無意識の世界の構造を可視化するために開発したのが「Scanamind」で、そのベースに用いているのが量子数理
量子力学を無意識の部分に使ってみようというアイデアに至ったのは、
研究の結果、そこで示されていたのは「とある業界」がもたらす「価値の基本構造そのもの」だということがわかりました。そのとき、これって量子力学における「非局所性」に似ているなと気がつき、だったら波動方程式を使って、概念そのものの成立メカニズムを可視化できるはずだと考えたのだとか。
量子力学の世界の概念である非局所性については、以下のような説明がなされている。
非局所性とは何でしょうか。ここでは、2つの例を挙げてそれを解説したいと思います。ひとつはホログラム、もうひとつはキャラクターという概念を使った例です。
ホログラムの干渉縞は、1点1点が全体の情報を少しずつもっています。つまり、「どこ」と「どこ」という特定の対応関係(局所性)がないんです。これを非局所記録といいます。
セットアップが起こるのは特定の場面ですが、セットアップされるのは、物語全体を通底するキャラクターだという点です。つまりキャラクターというのは、基本的に非局所的な存在
企業やブランドが非局所的なキャラクターとして成立しているのならば、非局所性を扱うのが得意な量子数理を使って理解をしていくのが道理
量子力学をマーケティングに応用する際には、大きなパラダイムシフトが必要になる。従来の手法と一番大きな違いは、以下のような解説で示されている。
Q. 量子マーケティングは、どのようなプロセスで進むのでしょうか?だとか。
A. 仮説をもたない、考えない。まずはそれがルールです
実際に量子数理をマーケティングに活用するにあたってまず重要なのは、「仮説をもたない」ことです。仮説は必ず局所的ですから、ある課題に対して仮説を立てると、課題を限定してしまうことになるから
「概念構造の可視化」とは、全部をいっぺんに見てしまおうということであり、課題を仮説に追い込むのではなく、広げる作業をしているというわけ
ちなみに、量子力学の世界の概念である「作用素」や「固有状態」については、以下のように記されている。
規則性をもって変換をするブラックボックスのことを、「作用素」といいます…入力と出力が同じになったときのことを「固有状態」といい、それがψなんです。この「固有状態」の探究こそが、量子力学の目指すところだといえるでしょう。なぜなら「固有状態」こそが「作用素」の本質だからです。
さて、このパラダイムシフトがもたらすのはどういう世界か。記事では、以下のように解説されている。
Q. 量子力学は、人類に何をもたらすのでしょう?コンピュータや機器の発達により、これまでできなかったことができるようになり、見えなかったものが見えるようになると、今まで気付かなかったことに気づくことになるのかもしれない。そこで大切なのは、「コンセプト」というわけか。
A. 因果律を崩壊させ、近代物理の先へと導くでしょう
「コンセプト文の本質(=固有状態)がわからないのであれば、コンセプト文を読むのではなく、コンセプト文に対していろいろ外から作用させ、変形しないものを発見できれば、それこそがコンセプト文の本質である」という話
Scanamindを使ってやっているのはまさにそのプロセスであり、そこからは、別のアプローチでは決して浮かびあがってこない状態や概念や「こと」の本質(=固有状態)を、見つけ出すことができる
これまで人類は、神様の時代、法則の時代を生きてきましたが、この先は、概念の時代が来るのではないかと思っています。そうなることでようやく、近代科学では捉えられなかった「状態」を可視化したり構造化したりすることが、当たり前になっていくのではないでしょうか。その流れを牽引するのが量子力学だと、わたしは考えています。
概念のレベルで「なんかしっくりこない」というズレが分かれば、思い描いているものや求めているものがズレているということが分かる。それは、いいことかもしれない。ちなみに恋愛なんかにもそういうのが応用できるような世界が来るのだろうか?!
ま、それはそれとして、こういう新しいテクノロジーってワクワクするもんだなぁ~♪