ふむ...:電事連、5年ぶりトップ交代 受難必至の「原子力連合会」

電事連、5年ぶりトップ交代 受難必至の「原子力連合会」」という記事によると、
大手電力10社でつくる電気事業連合会は10日、中部電力の勝野哲社長が6月28日付で新会長に就任することを決議した。東日本大震災直後の2011年4月以来、約5年ぶりのトップ交代だ。この間、電事連は電力自由化や原発再稼働問題で揺れ続け、一枚岩で「政・官」に食い込むパワ-は衰えていった。競争環境は激変し、巨大な電力共同体は自己変革を迫られている。
「かつて経験したことがない困難と変革期を迎えた。原子力への理解を得るために最大限取り組んできたが、やり残したこともある」。勝野氏にバトンを渡す関西電力の八木誠社長は10日の記者会見で自らの会長在任期間をこう振り返った。

電事連にとってはまさに受難続きだった。東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて、全国の原発が停止。再稼働が思い通りに進まない中で、今年4月、電力小売りの全面自由化に突入した。国が主導して電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」の阻止に総力を挙げて動いたが、20年実施の法改正が決まり、完全に敗北した。この5年間、電事連が往年の強さを発揮することはなかった。

■「『ゲンジレン』に変えたほうがいい」

「電力の鬼」と言われた松永安左エ門氏がGHQ(連合国軍総司令部)や国と激しく駆け引きし、1951年に沖縄を除く9電力体制が整った。これを受け、電事連は52年に創設された。安定供給と地域独占の維持を最優先にする振る舞いはまさに「原理主義」。エリ-ト集団が国の政策決定に深く関わり、強力な集票マシンを武器に多くの政治家を取り込んだ。

電事連は法人格を持たない任意団体だ。ある電力関係者は「親睦団体や町内会みたいなものです」と言う。だが、日本が世界有数の原発大国となり、過去に電力自由化の政策が何度も骨抜きにされたのは、電事連があったからだ。「町内会」が強力な圧力団体として機能してきたところに異様さが漂う。

勝野氏は10日の記者会見で「電力の安定供給や環境問題に対応するという電事連の役割や組織は自由化後も変わらない」と語った。しかし、ガスや石油、通信など異業種が次々と電力小売りに参入するなか、電事連の存在意義そのものが問われようとしている。

「『ゲンジレン』に名前を変えたほうがいいのではないかと冗談を言い合ってますよ」。電力システム改革の流れが決まった2年前、ある電力大手の幹部は自嘲気味に語った。電力自由化が進めば、共通して取り組めるテ-マは原発しか残らない。だから実態は「原子力事業連合会」だというのだ。

事態はこの幹部の見立て通りに進んでいる。温暖化ガス排出削減に関しては、新電力各社と共同で今年2月に「電気事業低炭素社会協議会」を設立。電事連だけで議論を進めることはできなくなった。その一方で、原発問題は今後、議論が過熱する気配があるのだ。

「国内の原発が集約される」。こんな噂が業界で駆け巡っている。原発専業会社である日本原子力発電を軸にして、原発の運営や人員を集約する構想が水面下で動いているというのだ。「夏の参院選後に動き出すのではないか」と、エネルギ-業界のある幹部はこう予言する。

■経済産業省の重圧

そこで注目されているのが経済産業省で原発問題を担当する嶋田隆官房長だ。15年6月までは国有化した東京電力の取締役執行役の立場にあり、東電の再建計画をとりまとめた。このときは東電を電力システム改革の先兵役として10電力による地域独占の切り崩しを狙った嶋田氏主導の改革は「電事連解体」の挑戦ともいえた。

その嶋田氏がいま経産省の中枢にいる。今後の役所人事で変化が生じるかもしれないが、原発をテ-マに経産省と電事連が真正面から向き合う場面は増えることは間違いない。

課題は再稼働や再編だけではない。原発でつくる電気の卸電力市場への拠出、核燃料サイクルの費用分担なども原発保有会社にとっては重要。しかし、これらはいずれも新電力の利害にもかかわり、電事連の閉じられた意思決定プロセスだけで片付けられるものではない。

国の管理下にあり、電事連と距離をある程度置かざるをえなくなった東電の広瀬直己社長は4月の記者会見で「自由化の流れの中で、従来の電事連とは形を変えていかなければならない」と語った。来年4月にはガス小売りの全面自由化が予定されており、電力大手は逆に新市場を攻める立場になる。電事連が自らのありようを見つめ直す必要性は一段と高まっている。
とのこと。

おどろおどろしいというほどでもなく、素で考えれば、想像できる範囲内の話。どれだけの会社が「想定」の範囲内と考えているかは別だろうけれど...

ちなみに、総括原価に基づく料金規制は、平成32(2020)年度以降、競争の進展状況に伴い、順次、エリア毎に撤廃されていくのだけれど、そのような状況になっても、同じような体制で進み続けることができるのだろうか。

「当面は、競争なんて進まない=料金規制は撤廃されない」という思考パターンを持っているとすれば話は別だが、もし、いずれは料金規制が撤廃されるのだと考えているとするなら、それに合わせた思考パターン、体制というものがあるのではないだろうか。まあ、どのエリアが前者のような思考パターンで、どのエリアが後者のような思考パターンなのかはよく分からないのだけれど。

自動車工業会でも、鉄鋼連盟でも、石油連盟でも、ビジネスで競争関係にある会社が集まって、業界としての共通利益を追求するということはあるのだけれど、総括原価がなくなる発電・小売分野と、総括原価が続く送配電分野が混在し、会社によって戦略も形態も異なるであろう電力業界は果たしてどうなっていくのだろうか...



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by yoshinoriueda | 2016-06-13 12:43 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


by yoshinoriueda
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