『オリジン』(ダン・ブラウン)読了

今回の出張に持っていったのは、ダン・ブラウン作『オリジン(上)』『オリジン(下)』。仕事の合間に読み進めたが、なかなか面白かった。

人工知能「ウィンストン」が主人公ロバート・ラングドンと交わす会話、バルセロナの町で繰り広げられる謎解き、そして「われわれはどこから来たのか。われわれはどこへ行くのか」という問いに対する天才未来学者エドモンド・カーシュの答えに迫っていく描写、どれも面白さがある。

冒頭読み進めていくと、グッゲンハイム美術館の中谷芙二子(なかやふじこ)による「霧の彫刻」が出てきて、親近感もより一層湧いた。なんせ中谷芙二子は氷雪学の中谷宇吉郎博士の娘さんなのだから!

バルセロナには、縁があって、過去に二度、訪れたことがある。一度目は、一泊だけ。二度目は、2週間。グエル公園やカサ・ミラ、サグラダ・ファミリアなど、有名な建築物がいっぱいあって、とてもアーティスティックな町だったことを思い出す。

物語は、スペイン国王と王子の間の関係も描き出している。

「メメント・モリ」王はささやいた。「死を忘れるな。大いなる力を行使する者も、命ある時間は短い。死に打ち勝つ手立てはただひとつ、人生を輝かせることだ。あらゆる機をとらえて思いやりを示し、惜しみなく愛を注がなくてはならない。おまえの目には母譲りの寛容な心がみてとれる。おのれの良心がよき導き手となるだろう。人生に翳りを感じたときは、心の示す道を歩みなさい」

限られた人生をどう生きるべきか。王が王子に伝える言葉の中に託されている。

また、人工知能「ウィンストン」の名前の由来ともなっているイギリスのウィンストン・チャーチル元首相の言葉にも力づけられる。

成功とは、失敗から失敗へと情熱を失わずに進む能力のことだ。
Success is the ability to go from one failure to another with no loss of enthusiasm.

エドモンド・カーシュのたどり着いた結論がさまざまな議論を生むことになった状況を、ロバート・ラングドンはこうみている。

いつでも、合意より対話のほうが重要だ。

無理に合意する必要はない。むしろ、対話の中から新しいところにたどり着けるならそれはそのほうが面白いだろう。


またバルセロナに行ってみたくなった。そして、グッゲンハイム美術館にも。


たまにはこういった娯楽も悪くないなぁ(^O^)/


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by yoshinoriueda | 2018-10-13 14:00 | 思うに・・・ | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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