#新型コロナ の影響を受け 「最後の #暗黒大陸 」と称される #物流 にはどんな影響が出ているのか?
2020年 07月 05日
宅配大手が物流網の維持に苦心している。在宅勤務拡大に伴う「巣ごもり消費」でネット通販が急増。各社は配置転換や置き配などで急場をしのぐが、減少傾向だった再配達も一転して増え始めた。「宅配クライシス」の再燃が懸念される。とのこと。
「1日に運ぶ荷物は体感で1.5倍以上」。ある中小事業者の男性トラックドライバーはネット通販経由の大量注文にため息をつく。3月以降、2リットルのペットボトル水やトイレットペーパーなど生活物資の荷物が目立って増えたという。
ヤマト運輸の5月の宅配便は同月としては過去最高の1億6498万個と前年同月比で19.5%増となった。日本郵便のゆうパックの5月取扱数も9658万個と同月として2007年の郵政民営化後で最多となった。
膨らむ荷物量に対応するためヤマト、佐川急便、日本郵便の大手3社はオフィス街など荷物量が落ち込んだ地域の人員を需要が増えた住宅街に配置転換している。
ヤマトはコロナ以前の17年にネット通販拡大に人手が追いつかず総量規制に踏み切った。荷物量はその当時より多いが、現時点で取り扱いを制限していない。ある物流業界関係者は「現場をなんとか回せているのは再配達が減ったのが大きい」と話す。
在宅勤務が多くなって、在宅率が高くなり、再配達率が下がったのか、それでなんとか回っているという現場の感覚が面白い。
参考:宅配便の再配達率は8.5%と大幅に低下 ~令和2年4月の調査結果を公表~
ただし、仕事が減ったとか、ものによりけりという側面もあるようだ。
「新型コロナウイルスの影響 第一線で走るトラックドライバーの声」という記事によると、
「仕事が減った」という声が42.5%で、次いで「変わらない」が36%、「増えた」12.3%ということのようだし、「新型コロナ感染拡大で物流への影響 JILSが緊急アンケート」という記事によると、
例年と比較して物量が増加している商品が「ある」と回答した物流企業は全体の44%...運輸業では一般向け加工食品、市販用の冷凍食品のほか航空貨物全般が、倉庫業では消毒薬、医療機器、紙製品などが増加した。物流子会社では休校によって参考書や長期保存可能な加工食が増加した。とのこと。
物量が減少している商品が「ある」と回答した物流企業は全体の57%...運輸業で住設機器や自動車関連がとくに大幅に減ったと回答したほか、中国からの電子部品やアパレル関連、建築資材、家具なども減少。倉庫業では中国からの輸入貨物全般、コンテナなどが減少した。物流子会社ではイベントなどの搬入、搬出業務や会場で使われる床材の物量も大幅に減少している。
「新型コロナウイルスによるトラック業界への影響調査【第1回調査結果概要】(pdf)」によると、
(1)「運送収入」の状況(前年同月)1月は平均△487万円(対前年比△3%)2月は平均△78万円(△0%)3月は平均△1,413万円(△5%)の収入減
(2)「輸送トン数」の状況(前年同月)1月は平均△1,931トン(対前年比△6%)2月は平均△1,343トン(△4%)3月は平均△3,033トン(△10%)の輸送量減
また、「サイモン・クチャー&パートナーズ調べ 新型コロナ影響度評価、物流は「危機」に分類」という記事では、
業界ごとの評価を「成長」「需要過多」「減退」「危機」――の4パターンに振り分けたところ、「物流・輸送」を含む10の業界が「危機に晒されている」ということなので、宅配などは一部伸びているが、経済・事業という観点からみれば、全体的にマイナス傾向が強いのかもしれない。
もちろん、UberがUber Eatsの収益増でライドヘイリングの減収を補ったように、個社でみれば、なんとか持ちこたえているところはあるのかもしれないが...
それにしても全貌がつかみにくい。ドラッカーが、「最後の暗黒大陸」と呼んだように、データが見えないが故に姿が分かりにくいというところがあるような気がする。
参考:
・「緊急アンケート調査「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による物流への影響について」調査結果」(pdf)
・運輸・倉庫業界/新型コロナによるマイナス影響が拡大