パワー・ハラスメント
2005年 12月 03日
パワー・ハラスメントとは、職権(パワー)を背景に人権を侵害する言動で相手(部下など)に精神的な苦痛を与えること。産業構造や企業を取り巻く周辺環境の変化や、職場内の人間関係の悪化、能力・成果主義の導入などを背景に、上司と部下の単なるトラブルを超えたパワハラは確実に急増し、事態も深刻になっています。といった紹介がなされているが、労働法ブログによると、
パワー・ハラスメント(全2巻)
・遅刻してきた部下に対して暴力を振るう。といったことが例として挙げられている。
・職場で一人だけ無視される。
・ミスもないのに仕事をまわさない。
・仕事の成績が悪いと「仕事ができない奴は、死んでしまえ。」などど罵倒する。
・達成不可能な目標をたてさせ、それが達成できないと「お前はバカだ。やめろ。」とことあるごとに怒鳴りつける。
・リストラの手段として、仲間はずれにしたり、雑用ばかりをさせる。
12月といえば忘年会の季節だが、例えば、仕事帰りに上司などと飲みに行くのも含めて、強制されるものは、すべてパワー・ハラスメントに該当する可能性があると思う。そのような席に出席するのが苦痛だと感じている人に対して、出席を強要し、しかもお金まで払わせ、残業手当も出さないというのであれば、それは、十分に職権を背景にしたハラスメントといえるのではないだろうか。
こんな場合は、直接的に人権を侵害する言動を伴うことは少ないかもしれないが、それでも、「あいつは付き合いが悪い。」と言われたりして、後々、職場の人間関係が悪化することにつながりかねない。
そもそも、時間外に強制するなら、管理職はともかく、一般社員は業務指示になるはずである。ところが、現在の日本企業では、そんな意識は全くないと言っても過言ではないだろう。
これと同じようなものに、奉加帳のようなものがある。誰かが結婚したからとか、退職するからといったことで、一律いくらと決めたりしてお金を徴収するといったケースがあるだろう。人が稼いだ金をどのような形でいつ使うかということを、どうして他人が半ば強制的に決めるのか。
いずれにせよ、パワー・ハラスメントは、ビジネスおよび社会環境の変化に対応できていないことから来ている可能性が高いといえるのではないだろうか。そんな企業に未来はないのだろう。
ただ、遊戯三昧 - diaryで「嫌がらせというのは、された人が辛いものなので、した人は気付きにくい。」と書かれているように、自分では気づかないものなのかもしれない。人権に対する配慮といった漠然としたものに加えて、自分自身が気をつけること、そして、相手に気づかせてあげること、これがパワー・ハラスメントを防ぐ上で大切なのかもしれない。