「アメリカ・韓国における産学官連携及びアジア戦略並びにベンチャー育成の方向性」と題したお話・・・
2005年 12月 11日
一緒にスピーカーとして登場された高麗大学の林教授は、「ベンチャー育成に教科書はない。モデルをつくらないといけない。」とおっしゃっていたが、まさにそのとおりなのだろう。ベンチャー育成のコツは、試行錯誤の中から生まれてくるものであり、なかなか体系化できないのかもしれない。ただ、仕組みとしてのヒントは、共通するものがたくさんあった。
例えば、「発掘して、育てて、技術を移転する」というステップ。大学発ベンチャーというと、TLOなどライセンシングの部分に目が行きがちだが、実際は、「発掘する」ところからスタートするのだろう。目利きなどの活躍は、この部分で求められるだろう。
そして、「うまく」育てることが大切。個人的には、ここが一番ノウハウが必要となるところだと感じる。技術移転は、どちらかといえば、もうマネジメントの世界。できあがったものをショーケースに並べるような要素が強くなるかもしれない。
韓国では、2004年時点で、ビジネス・インキュベーション・センターが349箇所あり、5135社が入居しているとのこと。数だけみると、スゴイなあと感じる。仕組みも、日本に似ている。参考になる部分は多いのかもしれない。
林先生曰く、韓国のベンチャー企業の社長は、大変な苦労をされているとのこと。それは日本でも同じだろう。ベンチャーに楽な道はない。だから、韓国では、ベンチャー関係者が飲み会をすると、自らを、そして相手を鼓舞するために、「必勝!」といって乾杯するそうである。
そう、奇麗事だけでなく、「必勝の精神」のようなものは、ベンチャーならずとも、生きていくうえで絶対に必要だと私は思う。何で勝つか、どこで勝つか、誰に勝つか、それはさまざま。苦労の連続、それが人生なんだろう。今宵、暖かい鹿児島から肌寒い大阪に戻り、独り、「必勝!」と言ってまだ見ぬ人たちを応援し、自分を鼓舞したいと思った。