最終消費者を近くに正しく感じる感覚

プロスポーツが成り立つのは、最終的にお金を払う観客やファンがいるからである。プロスポーツ選手は、その最終消費者が満足できるよう努力すべきである。先日のエントリーで触れたイチロー氏の態度にも、はっきりそれが見てとれる。

ビジネスでも一緒。最終消費者となるファンや観客に相当する顧客が何を求めているのか、それはなぜ求められているのか、それを理解した上で、商品やサービスを提供しなければならない。それは、営業であっても、企画であっても、技術であっても同じである。

ここで気をつけなければならないのは、最終消費者が変化するということ、あるいは変化しないということと、最終消費者に時間的・経済的余裕が必要であるということである。

最終消費者は時代とともに変わっているし、地域とともに変わっている。どんなものが受け入れられるのかは時代や地域で異なる。また、絶対数も異なる。日本では、この最終消費者になる人口が減っている。一方、経済発展著しいインドなどでは、中流階級だけで日本の人口の半分くらいはいるのではないだろうか。そんな変化を見逃すと、ビジネスや産業は衰退する一方である。

最終消費者に必要なものとして忘れられがちなのは、時間的余裕である。スポーツで言えば、スポーツを観戦する時間、グッズを買いに行く時間、自分がプレーしてみて楽しむ時間などなど。あるいは、デジタル家電なら、買ってそれを楽しむ時間、

そんな時間は、与えられるものではなく、作り出すものである。だから、優先順位を高めてもらえるような工夫や仕組みが必要で、そういったものが織り込まれていれば、最終消費者は、それにより多くの時間を割くことになるだろう。見ていて面白い選手やプレーが続出すれば、それに虜になるだろう。使い勝手がよく、便利なら、何度もそれを利用するだろう。

そう考えると、ビジネスというのは以外に単純なものなのかもしれない。分析に分析を重ね、データだけはたくさんあるという状態は、大切かもしれないが、あまり重要ではないのかもしれない。要は、最終消費者というものを近くに正しく感じる感覚が一番大切なのだろう。
by yoshinoriueda | 2005-12-31 08:17 | VC・VB・イノベーション・mgt | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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