地球温暖化に関する中期目標は、いつ出すべきなのか?

米国とEUのシンクタンクの人たちと、日本の中期目標について話す機会があった。EUは、1990年比▲20%の目標を掲げているが、このうち、半分までの範囲で柔軟性メカニズムを使うとのこと。

柔軟性メカニズムを最大限使う場合、GHG(温室効果ガス)の削減は半分の10%となるのだが、EU27カ国では、すでに▲9%までのところにきているとのこと。

ということは、現状ベースから▲1%の努力ですむことになるというわけか?と聞くと、Yes!とのこと。

EUは、現実的に削減が可能なのかという点をシビアに見ており、自分たちに有利な条件になるように数字を作っているとのこと。その上で、comparableというキーワードを持ち出し、交渉に臨んでいるらしい。

ちなみに、米国は、国内で法案が通らない限り、目標を示せないのではないかとのこと。

では、日本はどうか?現在、麻生首相が6月までに日本の数字を示すと言っているので、パブコメや意見交換会などを通じて、国民の声を聴いているが、果たして、本当に6月までに数字を出す必要があるのだろうか?

EUの目標設定はズルい。米国の目標設定はマダマダ。そんな中で、日本だけが出す必要はあるのだろうか?

交渉に臨む場合、最後の砦となる数字を持っていてもいいとは思うが、最初から手の内を曝す必要はないのではないだろうか?相手がある話なので、柔軟に対応していくべきだろう。

役所の人たちは、首相が言っているから、やらざるを得ないというところはあるのかもしれないが、それは本当に日本のためになるのだろうか?中期目標検討委員会の福井委員長が、首相に意見する立場でもないのだが、誰かが言わなければ分からないのではないだろうか?麻生君、君、分かっているかね?
by yoshinoriueda | 2009-04-25 00:36 | エネルギー・環境 | Trackback | Comments(0)

清涼剤はSilicon Valleyの抜けるような青い空。そして・・・


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